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月島↪︎『』
影山↪︎「」
その他↪︎[]
月島目線
雨の日だった。
「虹からの贈り物で虹の橋の先には宝物が置いてあるらしいぞ」
こぢんまりとした古書店の一角で少し弾んだ声が聞こえる。
古書特有の紙の匂いと雨の匂いが、
狭い店内に充満して独特の空間を演出していた
最低限の光源しかない為
書店の割には随分と薄暗いも、
そんな独特の味わいを出すのに
1役買っている
古書店員のアルバイトとして雇われている僕は
職務通りレジにたち突然そんなことを言い出す
目の前の彼の相手をする
「月島、一緒に探しいこうぜ!」
『雨、やまなそうですけど?』
今から降りしきる雨足の強さは
天候の改善の予感すら抱かせない
梅雨真っ只中のこの時期に、気まぐれのような
晴天の、しかも虹までも望むのは難しいことのように思われた。
だから
『今日は止まないと思いますよ』
と釘を指しておくと彼は
「ちぇ〜」
と口をとがらせた。
彼、影山飛雄はそれこそ虹のような人だ
雨の日しかお店にやってこず
その上 古書を見るでもなく僕と話してるだけ
まぁ、雨の日には客入りがほとんどなく店内はガラガラだから
話し相手になるのは構わなかったが
僕はそんな彼のことがどうにも掴めなかった
彼は僕より2つ年上らしい
初対面で「20歳になったばっかり」と告げると
「俺よりも2つも年下なのか、なんかショック」
と言っていた。
仕事はやっておらず学校に通っている訳でもないらしい
だからか彼は僕の他愛のない大学生活の話を興味深げに聞いていた。
そんなふうに僕にとって彼は
客でも友達でもなく
雨の日限定のバイト中の話し相手、
位の認識だった
だから梅雨に入って会う頻度が増えたのは、当然といえば当然だった。
ここで切ります。𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡30