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私が幼い頃お母さんが
私に言って聞かせていた言葉
「いつか貴方が大きくなって素敵な女性になったら、きっと貴方を愛してくれる王子様が迎えに来てくれるわ。」
お母さんはいつも幸せそうにこの話をした
けれど幼いながらに王子様なんているわけない。と、思っている冷たい私がいたけど心のどこかで信じている私もいたのかもしれない。 お母さんは夜に なると仕事に行く。
綺麗なドレスを着て
鼻がツンとするような香水を纏い
お化粧をして
家に帰ってくる頃にはお酒の匂いがしていた
あの頃は分からなかったけど今になると解る。
「ねぇおかあさん」
「あら、なぁに?」
「おかあさんのおうじさまはどこにいる の?」
「そうね。お母さんの王子様はずぅぅっと前に宝物を残していなくなっちゃったの」
「たからもの?」
「そう、かけがえのない大切な宝物」
そう言ってお母さんは私を抱きしめた。
その2年後
お母さんは死んだ
大人にどうしてか聞いても
だれも答えてはくれなかった
わたしは親戚の家にいさせてもらうことになったけど、そこに私の居場所なんてなかった。