テラーノベル
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ここに残った理由なんて……それだけだ。
世界の終わりを望まない者は誰もいなかったはずだ。
誰もが皆、自分の明日を願っていたに違いない。
だけど、私は―――。
『ねぇ、お願い』
あの時、君は何を言おうとしたのかな。
どうして、私の手を握ってくれたのかな。
君の手を握り返してあげられなかった私を許してほしいとは言わないよ。
だって、きっと許してくれないだろうから。
だからせめて謝らせてほしかったけど、それも叶わないみたいだね。
ごめんなさい、そしてありがとう。
君のおかげで私はこんなにも幸せだったんだよ。
だから、どうか泣かないでほしいな。
『大丈夫だよ。心配しなくてもいいから』
これから起こることはとても残酷なことだと思う。
だけど、それでも信じたいんだ。
奇跡ってあると思う? うん、そうだよね。
やっぱりそういう反応になると思ってた。
でも、本当にあったんだよ。
私にとってそれは―――。
『ねぇ、お願い』
あぁ、やっとわかった。
私が戦う意味を。
生きる意味を。
ずっと探し続けていた答えがようやく見つかったんだ。
だから、今度はちゃんと答えてみせるよ。
それがたとえどんな結果になろうとも。
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