テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
くろ
48
#目黒蓮
machi
1,695
コアラと木の実
242
蒼❄️
736
「阿部ちゃん、ごめん…。ちょっと良いかな?」
それは、突然過ぎる出来事だった…
明日は目黒の出立の日
大阪でのコンサートを終えて、すぐに旅立つ予定だと聞かされていて
俺達は、皆んなで焼肉を食べ【送別会】という名の決起集会を行った
「俺も成長して帰ってくるから、皆んなも成長した状態でまた再会しようね」
そう言われた俺達は…
自分もウカウカしてられないと、それぞれ成長する事を…己に誓った
俺もまた、その言葉に心打たれ
絶対、めめが帰って来るまでに…何か自分の中に、誇れるモノを残そうと
いつも以上に、勉強や…歌やダンスに力を入れて頑張ろうと意気込んでいた────
そんな日の夜、当の本人である…目黒が部屋に訪ねて来て
同室のメンバーが他の部屋に遊びに行って、今は居ないと確認すると
俺に、時間はあるかと…問い掛けて来た
「今は1人だし、大丈夫だよ」
明日、めめはカナダへ行ってしまう…
そうしたら…こうして顔を突き合わせて話す事も、難しくなる
だから、自分としても…最後の夜に、こうしてわざわざ部屋を訪ね
話をしに来てくれた、目黒の心遣いに感謝さえしていた────
「あのさ…阿部ちゃん、目…閉じて」
「えっ…何で?」
いきなり言われて、一瞬…戸惑う…
「それは…その…」
何だか 困った顔の、めめが可愛くて…
「良いよ分かった。こうで良いの?」
この時は、何の疑いもせず…それに従い
俺は…言われるがままに目を閉じた
「何、するの?」
声を掛けるが、返事が来ない…
「ねぇ、めめ…まだ駄目?時間…結構掛かりそう?」
不思議に思って、問い掛けると
「!」
不意に、その気配を近くに感じた
何があるのか…ドキドキしながら
大人しく、その時を待つ…
その数秒後…急に肩を、引き寄せられて
「えっ…めめ?んっ…!」
唇に、何か温かい柔らかい感触が────
その後…スグに目黒の気配が薄れ…
肩に触れた力強い手も、スッと消えた
『えっと…俺…。今…』
キスをされたと、頭と身体が理解するまで…数秒間────
それから慌てて、目を開けると
丁度…彼が部屋を出て、ドアが閉まる音が聞こえた
「ちょっ…めめ!今のは、一体…!」
急いで追い掛け様と部屋を出るが
すでに姿は、何処にも無くて…
「何で、俺にキスなんて…///」
唇には…微かに残る目黒の体温
それが、俺の心を掻き乱す────
『どうしよう…』
回らない頭で、一生懸命考える…
けれども 追い掛けて行って…問い正すのも憚られ
そのまま俺は、悶々とした一夜を過ごす事になってしまった
次の日────
「ねぇ…。めめ、あのさ…」
「っ…!///ごめん、阿部ちゃん…また後で…」
コンサートの開始前…
声を掛けると、視線を逸らして避けられた────
その後も…メンバーとしての会話はしたが
結局、理由までは聞けずじまいで…
そのまま目黒は、コンサートを終え…
マネージャーと共に、その足で…空港へと向かって行ってしまい
空港でも
「めめ!」
「えっ…阿部ちゃん?」
一応…再会はしたものの…佐久間も居たし
プライベートな会話等、あまりする余裕も無くて
あっという間に離れ離れに…
「……もう、一体…何なんだよ…」
結局…キスの謎は解けぬまま…
良く分からない、複雑な気持ちを抱えてままで
俺は、そのまま…めめの帰国を待つ事となる────
目黒が日本を旅立ってから
皆、それぞれ…彼との約束を果たす為
必死なって努力を続けた────
『はぁ…駄目だ、集中出来ない…』
しかし俺は、何をしていても
あの時の…キスの記憶が頭を掠め…
全く集中出来ず、勉強にも身が入らずに困っていた
「………」
めめは、意味の無い…嫌がらせをする様な人間じゃ無い
それは…俺も良く知っている────
あのキスだって、きっと何か
彼なりの、意味があるんだろうと模索するが…
全く手掛かりが無く…
答どころか、ヒントさえも見当たらない
「………///」
唇に、今でも残る…あの感触
それを指で触れて、確かめると…
確か…俺のより、ほんの少し弾力が…
『俺…っ今…!一体、何を考えて…///駄目駄目!今は、勉強しないと…///』
慌てて頭を振って
邪な想像を振り払う…
「阿部ちゃん。どうした?大丈夫?」
その時…俺の様子がおかしいと
気付いた翔太が…声を掛けに来てくれ
思わず心が躍ってしまう…
『どうしよ…///俺…もしかして…。翔太に、変な奴って思われた?』
実は、俺はずっと翔太に片想いしていて
告白なんて…そんな大それた事は考えてはいないが
そうなれば良いなと、心の片隅で…ほんの少しだけ期待していた
「何でも無いよ。大丈夫…」
笑顔で返すが何かが、おかしい
いつもなら、喜び勇んで続ける会話…
気持ちが弾んで嬉しくて
溢れ出て来る好意を必死に隠しながら
頭の中をフル回転させて、必死に話題を探していた筈なのに
『あれ?何で…?』
今日は何故か翔太を見ても…驚く程に、冷静で────
『あぁ…そうか…』
自分の頭の中の、目黒の占める割合が増え…
翔太への気持ちが薄らいでいる
『これはもう、重症だ…』
自覚すると、その頻度は増えていき…
遂に、翔太の事は…他のメンバーと同じ様に、全く意識しなくなった────
「昨日、蓮から連絡きてさ〜!」
嬉しそうに、佐久間が楽屋で話をしている
『佐久間に、めめから連絡が…?』
聞きたくなくても【蓮】名前を聞けば…反応する様になってしまい
『もしかして…!』
LINEを開くが…
俺の所には、一切連絡は届いていなかった
「………」
だからと言って、こちらから連絡するのも何か癪で…
いや違う…俺が…単に怖いだけ────
【めめ、あのね。聞きたい事があるんだけど…】
メッセージを途中まで打ち掛け…
「………」
それを全て消して、俺は…そのままスマホを置いた
《 あの日した、キスの意味を教えて欲しい…》
そんな事…俺からなんて聞けないよ…///
もし仮に…気にしているのが、自分だけだとしたら…かなりショック────
同じ様に…めめも向こうで、悩んでくれているのだろうか?
面白くない…
気に入らない…
何だか、疲れた…
答えの出ない問題程、モヤモヤするものは無い…
いつも…何でも、スパッと回答して…キッチリ正解に導いて来た────
今までは、沈着冷静で…温厚で頭脳派だったはずの自分自身が
彼から連絡が来ない、それだけで…こんなにイライラ、苛ついている
頭の中が、めめ一色で…
どう足掻こうと、止められない
「はぁ…俺は、もう駄目なのかも…」
そんな時、彼の一時帰国を知らせる一報が…
マネージャーから入って来た
『めめが、日本に帰って来る…』
それだけで、何処か浮き足立っている自分がいる
『駄目だ…俺は、怒っているんだ…。こんなに待っているのに、全然連絡くれないなんて…』
これでは、まるで…音信不通の恋人の
連絡を待つ彼女みたいだ…
己を叱咤して、気持ちを引き締め…大人しく…
俺は、目黒の帰りを待つ事にした
そうして、ようやく帰国して
一緒に仕事もこなして来た
『何だか変わった?大人になった?』
そんなに離れていない筈だったが
皆んなと笑顔で話す、めめの姿を見ていると…
少しだけ、遠い存在に思えてしまい
俺から声が掛けにくい…
そんな時…
「ごめん、阿部ちゃん…今、ちょっと良い?」
デジャヴだろうか?
めめの方から、以前と同じ様な台詞で呼び止められて
ただ今、事務所の会議室で向き合っている…
「ねぇ…何か、俺に言う事ないの?」
強めに聞くと、一瞬…目黒は目を逸らし
その後…すぐに頭を下げた
「何で、あんな事したんだよ…///おかげでこっちは、悶々として…」
目黒は、その言葉に一瞬…嬉しそうな顔をしたが…
俺に睨まれ、再び深く頭を下げた
「本当に、ごめん…」
「それはもう良い。それよりも…あんな事した、理由を聞かせて…?」
何で、俺に…あんな事────
「それは、その…。俺はただ…向こうに行って居ない間、阿部ちゃんの記憶に残る事がしたかっただけで…///」
「俺の記憶に、残る事?」
「俺の事、出来れば毎日想って欲しくて…///気付いた時には、出国の期日が迫っていたし…そこから、2人の仲を育むのは無理があると判断して…。それなら、せめて…」
「俺の記憶に、自分を残そうとしたって事?」
その問い掛けに、素直に目黒が頷いた…
何だよ、ソレ…
俺って単純?
『はぁ…そうなると。俺は今回…めめに、まんまとしてやられた訳だ…』
彼の計画通り…
俺は、あの日から…目黒の事ばかりを考えて…
ずっと毎日過ごして来た────
「ごめん、阿部ちゃん。本当にごめん…。俺…さっきから、大層な理由をつけて説明してるけど…。でも本当は、俺がただ…阿部ちゃんにキスしたかかっただけなのかも///」
「何だよソレ…///」
恥ずかしい…///
理由を聞けば、そんな事かと笑ってしまうが
素直に、気持ちを伝えてくれる
そんな彼が…俺の良く知るいつもの、めめで
安心感と愛しさが────
『あ〜あ…俺。もう…認めるしかなさそうだ…///』
すでに、そんな所まで…どハマりしていた
自分に呆れて、微笑むと…
視線が合って、めめがユックリ近付いて来る
『もしかして…またキスされる…?///』
そんな事…今日も、されたら身が持たない
「駄目だよ、今は…それ以上…」
めめが、再び出国したら…俺は、また1人になって…眠れぬ夜を過ごすだろう
そんなの辛い、辛過ぎる…
だから、それを手を伸ばして静止して…
俺は…めめの目を見て、こう告げた────
「その続きは、しっかり今の仕事を終わらせて…。本当に帰国してから、聞かせて欲しい…///」
それが俺の…今、精一杯のキスへの返答────
そう伝えると、驚いた様に一瞬…瞳を見開いて
それからユックリ引き下がる
「………」
俺は優しく、ニッコリ微笑んで
そのまま目黒を残して部屋を出た
俺を、これだけ沢山…悩ませたんだ
簡単に…告白なんて、させてやらない
同じ様に…いっぱい悩んで、落ち込んで…
次会う時は、今よりもっと…俺の事を想って居てね────
コメント
1件
いやああああもう最高すぎる!!😭💕💕💕 めめ、まさかキスで記憶に残る作戦とか…ずるすぎる!!阿部ちゃんが悶々とする気持ち、めっちゃわかるよ〜〜!! 「俺の記憶に残る事がしたかった」って理由、単純だけどめちゃくちゃエモくて胸がぎゅーってなった…! そして最後の「その続きは帰国してから」って返しが阿部ちゃんらしくて、めっちゃ可愛い!! 次会う時はもっと想っててねってリベンジ宣言、神すぎる…!この続き絶対読みたい!!🌸🖤💚