こんにちは。シル汁と申します。
今回は私にしてはちょっとグロい方向にに行ったのかな?という作品です。リ○カやODについて触れてますし、グロテスクな表現があります。苦手な方はここで離れてくださると有難いです。それでも良いよって方はご覧下さい。
先に言います。ご自由に解釈できるようにしてありますので、途中でお話が切れております。
そして、長いです。イラストありですが、長いです。めちゃ長いです。
ではお楽しみください
雲雀
最近、奏斗が元気じゃない。こう、何故か暗い感じだ、前のような元気さがないんだ。俺達のリーダーでもあるのが奏斗、俺達が心配しても別にいいよな……
セラお達に今の奏斗がどう見えるかを話した、同意見だったらしく、俺の意見に賛同してくれた。俺は気づかなかったが、奏斗の口癖が変わってきていることもわかった。奏斗がずっとこのままじゃだめだ、と言うことで、俺達が奏斗をでろっでろに甘やかそう、ってことになったんだ。
俺も奏斗を観察して分かったんだが、口癖がどんどんダメな方に向かってってる、それじゃぁずっと気分は重いままだ…
極力俺達も奏斗の口癖や精神をいい方に向かはしたいんだけど、どうしたら良いのか、まだ俺には分からない。
あれから1ヶ月ぐらいがたった、特に進展がないまま…と言うか奏斗がどんどん落ちているのが分かる。どんどん表情が暗くなっていき、今やもう夏のような暑さな今日でさえ、奏斗は長袖だ。何かを隠すように腕を抑え、俺達とも言葉を交わる事を拒む……。俺は薄々わかっていた、奏斗が何を隠しているのか、何を思っているのか…
昔から俺の勘はよく当たる。だからなのかもしれない。ここ1ヶ月俺も感情が奥底に行こうとしていると言うのがわかったのも、
俺が好きだった奏斗の瞳。惹き込まれるんじゃないかと思う程のキラキラとしたタンザナイトのような、俺が手を届かしても届かない位置にあるような、希少に見える奏斗の瞳……。俺はまじかで見ていた…。ゴーストクォーツのような、くすんだ瞳になっていくのを……。
セラおにも相談して、一回、奏斗の家に行こう。
四季凪
たらいからも聞かされた。奏斗の元気が無いこと。あのハツラツさが無くなっているのだ。私も勿論知っている……。ちょっと前までは、言い間違えやちょっと強めに言葉を出されることぐらい……なんも思って無さそうな…反省はしているが、その後ちゃんと間違えをしないように動いているが……あんな、私たちの前では泣くような男ではなかった。私の知っている奏斗では無くなったのか、はたまた精神を病んでしまったのか……
何かトリックになるものがあるはずだ……。何かしなければ、何かされなければ、あのようにやつれて、生気のない……私達の…私達を引っ張るリーダーに相応しくないようなものにはならないだろう。
口癖もどんどん変わってしまっている。私はあの楽観的な、楽しそうな、表には感情を出さない奏斗を永遠と夢見ている。
奏斗の口癖は「ごめんなさい」に変わり、涙腺は弱くなり、やつれ、生気のない顔をしているのが今の現状だ……。
私のお節介がでたのか、はたまた身近な人に対する危機感からなのかは分からない。ただ「護らなければならない」という事だけは、奏斗以外の全員がはっきりと持っている意思でもある。
奏斗が暑いのにずっと長袖だった訳が分かってしまった…。奏斗の腕には無数の引っかき傷があった。多分これは、自分でかいたんじゃない……まっすぐ一直線の細い線だらけだった。だからコレは、リストカットだ……。
何時からかは分からない。だが、線が残っている、ずっと前からやっていたのだろうか……。今日ぐらいに、奏斗の家にでも行くか……。
私は心配ですぐ行動に移した、まだ数回しか行ったことのない奏斗の家に向かった。ただ奏斗に「今からお前の家に行く」とだけ伝えて、返信は待たずに走り出した。
インターホンを鳴らす、中からでてきたのは、驚いた表情をした奏斗だ……
「……。」 いつも通り長袖だった。だが何故か顔が腫れているし、長袖から滲む赤い模様も見えている。私は察してしまっていた。これ以上探索したら私の気も滅入るかもしれないが、私の…私達の大切なリーダーだ。こんな事では気を滅入っては行けない……「奏斗、家、あがるぞ」そう言い、戸惑う奏斗をよそに、私は玄関に上がって行った。
予想通りと言えば予想通りなのかもしれない……。いまさっき近くで奏斗の目を見たからわかる。あの暗い瞳ではなく腫れた周りを見ていた。くまがあった。だから、寝れないのだろうと、睡眠薬が入っていたであろう瓶が数便落ちている。奏斗の以上に気づき始めて1ヶ月……と言うかまだ1ヶ月、それより前から、奏斗は無理をしていたんじゃないのか?そう思うと私の体からは冷や汗が出てくる。なるべく奏斗を心配させないように、たち振る舞うが、奏斗の目には、涙が浮かんでいた……
この景色を見られたからか、それとも怒られると思ったからか、多分どっちもだろう。奏斗が発した言葉は「ごめんなさい」だけだった。私は何に対して謝っているのか、謝らなくてもいいのに、私も一緒になって戸惑ってしまったからなのか、ずっと奏斗は……嗚咽を上げている。謝り続けながら……
その光景がどう見ても、どう見ようとしても、ずっと胸が痛い。
セラフ
凪ちゃんから聞かされた。奏斗がリストカットとODをしている事を……奏斗がそこまで病んでいるとは思ってなかった。
今思えば不自然な部分が多い。夏なのに長袖、暗い表情、生気のない顔、まだまだ他にも……
そういや、前俺が指摘した事に対して奏斗は汗が止まって無かった。若干涙目にも見えた。いつもならこんな事ないのに、としか思ってなかった。何時……いつだろう…そんな発言をしたのは、もし、もし最近だとすれば…それは奏斗からすれば物凄いストレスなのではないか……そう思ってしまうのも無理はない。雲雀にも……連絡しておこう……。
最近の奏斗は前よりさらに……ぼーっとしている。前までは…ほんの数ヶ月前まではすっごい動いてたのに…。何も考えてないような、何を見ているか分からない。そんな目をしている。俺は、人に興味がなかった人間だ。家柄の関係上…他人に興味を持つなど、良くないこととされていた。そんな俺が、今では楽しくライバー活動出来てるのも、みんなのおかげなんだ。だから、その“みんな”の中に入ってる奏斗を今度は俺が助ける番になりたい。
今日は久しぶりにみんなで集まる日だ。いつもあんなに堂々としてた奏斗は大人しい。と言うかナヨナヨしい。ホントに……変わっちゃったな。けど今度は俺達が助けるからね。絶対に。
「ひとまず、奏斗……自分の今の口癖わかるのか?」
凪ちゃんがそう聞く。
「……ごめん。わかんない」
顔を伏せながら、奏斗が謝る。“ごめん”が口癖なの……気づいてないな。だって、考え込むんじゃなくて何をしてでも“ごめん”だから。
「ねぇ、奏斗…その“ごめん”が奏斗の口癖だよ。」
俺がそう言う。奏斗以外の2人はうなづいてくれてる。けど、奏斗がさらに暗い表情になっていた。多分、無自覚……だよね。
「奏斗……?なぁ、大丈夫…だよな?」
雲雀が言う。奏斗はさっきまで固まってたけど雲雀の言葉で我に返ったのか震え始めた。
「ぁ………ごめッ……ごめん…なさ」
やばい…奏斗が……言葉をちゃんと言えてない。けど、どうすればいいか……俺にはわかんない。どうしよう。俺、分かんないよ。人の気持ち分からないもん。どうしよう。俺まで、俺まで焦っちゃ……焦っちゃダメなのに……。
「セラお!?」
雲雀の声で我に返った。俺もか……とりあえず……奏斗は大丈夫なのか…と、奏斗の方を見る。
「あ……ごめんッ……もう、だいじょッ…ぶだから……ねぇ……離してよッ…」
奏斗が嗚咽する。離して、と言った相手は凪ちゃんだった。凪ちゃんは奏斗の袖を掴みながらも、あやす様に腕も後ろに持っていき背中を叩いている。奏斗は震えているからだろうか、いつもなら凪ちゃんぐらい簡単に押し返せるはずなのに…ただただ、凪ちゃんの胸ら辺を押しているだけだった。
奏斗
皆が…どんどん僕に優しくする。なんで分からなけど、僕の精神はどんどんすり減ってきていた。そんな時に優しくされたら、僕はどんな反応をすればいいのか分からない。心配されてるのか…と受け取っておいた。けど今日は…完全に僕のせいかもしれない。僕がみんなを心配させるから、皆がここに集まっちゃったのかも。僕はいつも通り長袖を着ている。皆にはバレてないと思う。リストカットをしている事。…けどアキラにはバレちゃったかもなぁ…あの日、見られてたかもな……。睡眠薬の瓶も見ているはずだ。……こんなになった僕なんて、みんなの瞳の中に写っていいはずなんかない。食事もまともに喉を通らなくて、情緒不安定になってすぐ泣いちゃうし、まともに言葉も出せない。こんな醜い僕なんて、皆の前に行っていいはずないんだよ。僕がみんなの前にいてもいい事ないでしょ…?
そんな思いを裏腹に、皆は僕に質問をした。
口癖だった。口癖なんか分からない。配信していた時は口癖は分かっていた。が、今はまともに配信できるはずもなくほとんど休んでいる。僕はほぼ一人でいて、誰とも話していなかったし……。
「……ごめん。分かんない」
そう言った。みんなが、“ごめん”が口癖だって言う。口癖?僕……僕そんなに謝ってるの?わかんない。僕にはわかんない。だってほとんど喋らないから。僕なんて穢れきった存在なんだから謝らないとダメじゃないの……?けど“ごめん”が口癖だとは思わなかった。その後雲雀に心配されて、我に返った。僕は大丈夫って言おうとした。けど出てきた言葉は“ごめん”だった。
今の自分は呼吸ができてるか分からなくなるぐらい、僕自身ずっと混乱していた。
アキラが抱きついてきた。袖を掴みながら。……やっぱり…バレてた。よくよく見ると僕の袖には血が着いていた。見落としてたな。どうしよう……これじゃ…また迷惑かけるばかりだ……。……!?アキラは僕をあやすような行動をとってきた。背中をポンポンと叩かれた。僕はバレたくないことがバレると思って、半ば錯乱状態だった……。けどアキラは袖を掴みつつしっかりと僕をなだめてくれる。僕は自分の手に力が入らなくて、いつもならアキラぐらいなら押し返せるのに…無理だった。自分がこんな事もできないのかって、ますますみんなに迷惑かけることに…不規則な呼吸と冷や汗だけがでている。アキラはずっと僕に向かって
「大丈夫、悪くない。奏斗…ここは大丈夫だ」
って、言ってくれてる。どうして?なんでそんな言葉かけてくるの……?
「ごめんッ……なさぃ…」
咄嗟にでたのはこの言葉だった。さっきから涙も止まんないし、どうせ変な事になってる。
「悪くない。奏斗…お前は悪くない。何もしなくていい。ただ私達に体を預けろ」
アキラのその一言で、僕は意識を手放した。
セラフ
俺は何していいか分からなかった。だから二人を見ていたんだ。そしたら、奏斗が気絶した……。アキラはさほど焦った様子はなく静かに
「セラ夫……奏斗を寝室まで頼みます」
そう言った。俺は言われた通りに奏斗を寝室まで運んだ。奏斗は驚くほど軽く、よくよく見ると腕や足なんかも、ほっそりとしていた。ココ最近、食事をまともにできてない人みたいに…けど一番……一番不安になったのは、血の匂いだった。さっき居た時は俺も焦っていたから感じてなかった。今は近くにいる…ハッキリと血の匂いがしている。やっぱり、リスカしてたんだなって。
けど今は規則正しい呼吸だ。寝ているのもあるだろうな。不安になるのは、何でだろうな。
「セラ夫……ちょっと奏斗を見るから」
「…うん。お願い」
凪ちゃんが奏斗の袖をめくった。
「……は!?」
声を出したのは雲雀だった。こんなのを見れば無理もない。俺だって心臓がバックバクだ。だって、こんな痛々しいまでもある…リスカの傷……。俺でさえ…ここまでの傷を放っておくことは無い。奏斗は乱雑に巻かれた包帯と申し訳程度の絆創膏のみ。
こんな状態だなんて知らなかった。これは……跡になりそうだな…………。
「なぁ……奏斗にさ…安心できるようにさ……俺達で…今できること……やろうぜ…」
そう雲雀が言った。俺は奏斗が食事できていないんじゃないかと……話した。今…できることなら…雲雀は料理かな……って思ったからだ。さすがにその事は凪ちゃんも驚いたみたいだった。冷や汗止まってないよ……。
けど……雲雀はそれでも、「あいつが食えるだけでも良いから、少しだけでもいいから食って欲しいんだ」って、雲雀は奏斗の家から出て言った。食材でも買いに行ったんだろうな……いつの間に…冷蔵庫見たんだろ……。
俺は奏斗の手当てぐらいしかできることがない…雲雀が帰ってきた後に、手伝おうかな……。それまでは、凪ちゃんと一緒に、奏斗の様子でも見ておこう。大切な…大切なリーダーだから……
四季凪
私の予想以上に酷い状態の奏斗を見た。私は言葉が出なかった。たらいは言葉がでたらしいが……。この傷……多分もう、跡に残るよな……という物ばかり…。とりあえず消せるだけ、消す為に、私は奏斗の手当てをしようとした…。多分…急いで巻いたのだろう、見るからにぐじゃぐじゃになっている包帯を…私は丁寧に剥がした。いつの間にか、たらいは部屋からいなかった。セラ夫は悲しそうな悔しそうな顔をしながら隣にいた。
「セラ夫…奏斗の治療をするぞ…何かいいものないか……探してくれないか?」
セラ夫は直ぐに動いてくれた。
とりあえず…奏斗が起きない程度に消毒をしよう。その後包帯を巻いて、指…絆創膏にするか……。指も切り傷……相当…追い込まれていたんだな……。ごめんな…奏斗…気付いてやれなくて。
そうこうしているうちにたらいが帰ってきた。どうやら、奏斗のためにご飯を作るらしい。…セラ夫から聞いたものの、やっぱりちゃんと食えるのかが心配ではある。奏斗だ…食べようとはするものの吐いたりしそうだな…。無理強いは良くないし、体調が悪そうなままだったら食べさすのはやめさそうか…。
そんな事をアレコレ考えていたらいい匂いがしてきた。早いな……。
「……んん”っ」
……奏斗…、起きるなら今ここで起きてくれ。頼む。私が不安で死にかける。
「……あ”…アキラ…?」
奏斗が目を覚ました。私は安堵で涙を流してしまった。奏斗は焦っている。
あ……涙目になった。こりゃ泣くな。
「えぇ……何かしちゃった???ごめん……」
あーーー。泣いちゃった。私はただ「大丈夫。安心しただけだ。」とだけ言っておいた。何か太陽が降り注いでくるような気がした。けどここで忘れちゃならないのが、たらいの飯だ。知らぬ間にセラ夫もいなかった。手伝いに行ったのか…?まぁいい匂い……
「奏斗、ご飯食べようね」
あーーー。待って、奏斗……ちょっ、そこで泣くとは思ってない。まぁまぁ、なだめますか……その後食べれたらでいいからね、と言った。少し…うなづいてくれた。
奏斗と一緒に……リビングの方へ歩いていく。フラフラなのは栄養不足と貧血だろうな……手を握りながら歩幅を合わせて、歩いて行く。
「奏斗……後もう少しで着くからな」
雲雀
急いでつくった割にはちゃんとしたものができた。それに、あんまり食えてないことを仮定して作った物だから、重いものでは無い…はずだ。まぁまぁ…奏斗が一口でも食ってくれたらいいな…で作ったものだ。最悪食えなくもいい。食ってくれようとする姿勢が見えてればそれでいいのだ。アキラが奏斗を連れてきてくれた。起きてたんか。
「奏斗、食えるだけでいいからな。」
奏斗は小さく返事をした。何か…小動物見てる気分だ。
「「かわいい」」
!?!?この声はまさか……アキラ!?
おいおい……っぱそう思うよな!!!!何か奏斗……うん。癒されるなこれはコレで……
「まぁ、奏斗!!何個かつくったんだ。食えそうなら食ってくれ」
そう言い。奏斗を席に座らす。奏斗の前にとりあえず軽そうなお粥をおく。奏斗は不安げな顔をしながらも、スプーンを手に取り、口に運ぼうとしてくれる。俺はその様子だけで嬉しかった。一口食ってくれた。さっきよりマシな顔になってる。美味しかったんかな?
「…っ」
予想はしてたけど…
「うゔぇぇっ……」
吐いちゃったかぁ〜!仕方ないもんな。ほぼ胃液だからこれ絶対食ってないやつだな!!!うん!!!!あかんなぁ〜…
「かなとぉ、ちゃんと食わなあかんでぇ…よしよし」
俺は奏斗の背中をさする。奏斗は嘔吐く。固まってるセラおと急いで消毒液やら袋やらをもってくるアキラ…
「大丈夫だからなぁ〜…アキラがすぐ片付けてくれるから、」
「けど……ッ、せっかくのッ…ぅ…ひばの…ごはん…ゔっ」
「無理すんなって…大丈夫だから…な?な?」
ここまで弱い奏斗…初めてだな…。
「奏斗…いつか一緒に、たらいの飯食べようね」
奏斗は小さく「うん」とだけ言い、黙り込んでいた。こう見ると…ほんとにやつれていて、げっそりしている。目元とかやばいな…うん。寝れてないからだろうな…あんだけ、睡眠薬があったのも。
気付いたら目の前は片付いていた。早いな…
「奏斗…寝るか?」
奏斗は一瞬体をビクッと震わせたが、同意してくれた。よし一緒に行こうな…俺が、寝させたるからな。
奏斗
ひばの料理は美味しかった。けど、体が受け付けなかったみたい…吐いちゃった。ごめんなさい。ちゃんと食えなくて、戻しちゃってごめん。横になっても寝れないから、休む意味が無いし…このまま座っておこうかな……。思うように体が動かないし…それなら…
「奏斗…寝るか?」
…めっちゃびっくりした。反射的に涙でてきた。けどまぁ、ひばが横にいてくれるならいっか…
寝室まできた。もう立っておくのもきつい。目の前がフラフラする。ひばの腕だけでも、掴んでおこう。アキラ同様、歩幅合わしてくれてる…こんな弱っちい僕なのに…ついてくれるのありがたいなぁ……。布団は少し温もりがある。僕が寝てたからなんだけどね。
倒れ込むレベルで布団にバタンキューしたからな。ちょっと痛いな…けど……ちょっとずつだけど…眠くなってきたな……。
知らない間に…みんな来てた。なんでか安心する。
「おやすみ」
そう言われて僕は寝た。
起きるとみんなが居なかった。正直、不安中の不安。泣きたくないのに、勝手に涙がでてくる…抑えなきゃなのに……これ以上みんなに心配かけちゃったらダメなのに…。知らない間に服が変わってるし…包帯…治療したんだやっぱり。
「ぁ……ごめッ……ごめ、なさ…ぃ…ごめん……許してッ……ごめんッ…違うッ…違うから……違うの…」
僕でも何に対してごめんなのか許しを伺っているのか、違うのか分からない。けど、ずっと迷惑かけてるんだ。迷惑かけちゃってるんだ……今更謝っても……なんか違うのに
「行かないでよ……僕をッ……ひとりにしないで……」
こんな迷惑だらけの僕でごめん。僕がいたところで、何も変化しないのに、ごめん…ごめん、ごめん。いくら謝っても僕の震えは止まらない。冷や汗も止まらない。涙だって…。また、どんどん僕の呼吸が不安定になってるのがわかる。
「…ぅ……ヒッ……ヒュッ……ごめッ……やめ、」
まともに呼吸ができなくなった…これはヤバイ………
だれ…か、きた。誰かわかんない…けど、とりあえず腕伸ばして…掴んどこ……
「……ッごめん」
ここが夢の中だとハッキリと分かった。…なんか嫌な予感がするのは気の所為だろうか。絶対気のせいじゃないなと思いつつも、僕が歩く足は止まらない。
僕の歩く音だけが消えてくる。進んでいくと…そこは知らない場所だっだ。コンクリートと枯葉……奥の方にデカい物体がある。普段の僕なら行かないだろう。けど何故か…行ける気がして…
目の前に現れたものはトラウマを植え付けるには充分なものだった。
ビクッ
「……ハァ…やっぱ夢だったよなぁ……」こんな事があるから寝たくなかったんだけどなぁ…
汗もかいちゃってる……。みんなに迷惑かけたくないし…トイレにでも行こうかな…。トイレぐらいなら自分で動けるし、
最近動いてなかっただけあって体が重い。トイレってこんなに遠いところにあったっけ…
セラフ
奏斗が歩いているのを見た。一瞬びっくりしたけど、進む方向的にトイレだと思う。けど心配になったから、俺はこっそりついてった。
フラフラしてる…壁伝って歩いてるけど……若干涙目だ…。やっぱ辛いのかな……。どうしよう……うーん、うーーーん…
寝室の方に1回行ってみようかな…その後また奏斗見よう。
奏斗がさっきまで寝ていたであろうベッドを触る。少し濡れていた。さっきの顔色的に…悪夢でも見たのかな……。俺も悪夢を見る事はよくあるし…汗でびっしょになるまで起きれない事もある。不安で押しつぶされそうになった時とか、みんなに迷惑かけちゃった時とか………迷惑…?もしかして奏斗…迷惑って思ってる?奏斗……人の事言えないじゃん…前、俺に…「人は迷惑かける生き物」って、「セラももう少し僕達に甘えてくれたっていいんだよ!」って言ってたじゃん。リーダーでも…奏斗も甘えていいんじゃないの…?
いや…そこまで考えられてない可能性もあるな………。奏斗がトイレからでてきたら、この話をしよう…
奏斗がトイレからでてきた。俺の頬はちょっと冷たい。けどそんな事は関係ない
「ねぇ……奏斗…前にさ…俺に言ってくれた言葉覚えてる?」
奏斗は一瞬ビクッと肩をあげた。その次に考え込んだ見たい。その次にでた言葉は
「ごめん。覚えてないや」
無理矢理笑ってる。無理に笑うなって言ったのは奏斗じゃん…自分は良くて、俺はダメなの?奏斗……奏斗ももっと……自分を大事にしてよ…俺、前より自分の事大事にしてるつもりだよ?
「奏斗……前ぇ俺に……甘えていいって言ってくれたんだよ…グス……」
だしたくもない涙がでてくる。奏斗は焦ってる。けど俺の口は止まらない
「奏斗がッ、言ったらさぁ…奏斗も言ったことしないと…ダメなんじゃ、ないの…?グス……」
言葉がまとまらない。ここまで泣いてしまうのは初めてかもしれない。
「ごめん……」
奏斗が謝ってくる。けど今欲しいのはその言葉ではない。
「…奏斗は…何に対して謝ってるの?……迷惑かけるのがぁ……人間って言ったのは…奏斗でしょ…グス……」
俺は言葉が纏まらなくて、それが悔しくて、また涙が出てくる。奏斗はハッとしたようで、思い出したのかな…と思った。
「ごめん…ッ、セラ……ごめんね。迷惑かけないように……するからッ…」
違う…違うよ奏斗……。迷惑かけないようにするんじゃなくて、迷惑かけていいし、俺が欲しいのは、ごめんじゃなくて……ごめんじゃなくて…ありがとう何だよ……ッ!!
成人済の大男が、床に座ってわんわん泣いた。
雲雀や凪ちゃんもきた。二人とも泣いてるから、雲雀も凪ちゃんも焦っていた。そんなこと知るか…奏斗がただ、俺達に甘えてくれたら、ありがとうだけの一言でもくれたら…俺は、それだけでいいのに……!!
あやされてる内に奏斗が寝たみたい…俺も、眠くなった。少しだけなら…許されるかな
四季凪
二人とも……
「おやすみなさい」
雲雀と一緒に二人を運び、奏斗の精神回復とセラ夫がもっと甘えてくれたらいいな、なんて話をした。
二人とも、もっと私達を頼ってくれ。年上の意味が無いから。なんて思いつつ、たらいが淹れてくれた珈琲を飲みながら考えた。
ご覧頂きありがとうございました。
いいね、コメントは私のモチベupになります。お優しい方して頂きたいです。
では皆さん、いい一日を〜
コメント
4件
初コメ失礼 時差コメ失礼 お話も凄く上手で間に入っている絵も凄く上手いですね。
超時差コメすみません 何これ可愛い大好きですありがとうございます
天才すぎる 本当に天才だし癖に刺さりました…………ありがとう 好き