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#独占欲
#ダークファンタジー
ピコ♪
伊藤さんから届く
社内メール
送って来たメールは例の噂話の件
ことの進捗を知らせるそのメールの内容は
調査中だった購買部の
不正疑惑の事案について
その
不正が発覚したらしい
疑惑だった不正が発覚し
疑惑が確定したとの事
察しは付いた
きっと
購買部はてんやわんやの大騒ぎだろう
***
「いやあ、私本当にラッキーでした!」
「購買部にいたら巻き込まれてましたもん」
お昼の休憩時
伊藤さんは満面の笑顔だった
営業戦略室へ異動した
伊藤さんにとってはもはや他人事なのだろう
伊藤さんは
泥沼化する
前の部署の情報を
前の部署の知人から伝え聞き
その後もちょくちょく情報共有してくれた
ヴヴヴ……
スマホのラインに届く
リュカからのメッセージ
届いたDNAサンプル採取キットを
返送したとの連絡だった
私も
週末に再度病院を訪れ
DNA検査用に採血を行う
今回は
前もって事前予約しておいた
会社は休まずに済む
とは言え
日に日に体調の変化が顕著になりつつある
体調の変化にも慣れつつあるが
体の不調は正直しんどい
吐き気
倦怠感
頭痛や眩暈に頻尿
その度にトイレへ駆け込み
処方された薬で体を誤魔化す
胃もたれ
腹痛
場合によっては出血も伴う
何より精神的な不安定さが厄介
ただでさえマイナス思考なのに
メンタルが常態的に過敏で
不安や落ち込み、イライラが頻発する
まさに
身をもって体の変化を実感させられている
妊娠が現実的になり
症状が表面化しつつある
もう猶予は残されていない
私は
自分の人生を
自分の運命を
早々にも決断しなければならない
***
——週末
夫には
作り置きした食事に添えて
休日出勤する旨を
書き置きしておいた
早朝の朝一で自宅を出て
病院が開くと同時に中へ入り
早々に受付を済ませた
早朝一番の順番で予約しておいた為
混雑もなく以前よりスムーズに事が進む
申込の同意書に署名し
DNA検査を正式に申し込む
そして
検査の採血へと進む
書面的な手続き以外は
あっさりと済んだ
時間にして一時間足らず
休日の病院を後にし
夫に書き置きしておいた通り
電車に揺られ
会社を目指す
今週末も再びの休日出勤
もちろん仕事もある
いつ病欠するやもしれない身
いつそうなっても業務が回る様に
私が不在でも
伊藤さんが不自由なく進められる様に
事前準備を済まし
業務を整えておく必要がある
と言うのは
実のところ自己弁解でもある
本心では
リュカに会いたい
リュカと話して落ち着きたい
そんな不埒な想いが主かもしれない
——早くリュカに会いたい
開錠済の会社のエントランスに
リュカの存在を予感する
時刻はお昼前
ランチに誘ってもギリ許されるだろう時間帯
私は
荷物をデスクに置くなり
社長室へと向かった
コンッコンッ!
「失礼します。こんにちは!」
慣れた調子で社長室を訪れ
馴れ馴れしくも社長に声を掛ける
「やあ!今来たの?今日も仕事?」
「まあ……そんなところです」
「良かったらお昼一緒に如何ですか?」
案の定出勤していたリュカに声を掛け
ランチへと誘い出す
実のところ
切迫した仕事も
リュカへの用事も
たいして無い
ただ
会いたかっただけ
話したかっただけ
それだけ
快く応じてくれたリュカと
休日のオフィス街へと繰り出す
ランチを摂りながら
今朝病院へ行ってきた事を伝える
事の経緯と
今後の日程を共有しつつ
コーヒーを控え
食後のカモミールティーを飲む
「なるほどね……結構かかるね」
「そうなんですよ、早くて一週間くらい、おおよそ十日前後だそうです」
DNA検査の話を
和やかに伝えながらも
その実
その結果如何では
リュカとの関係性も破綻するかもしれない
もしも
お腹の子の父親が
純也だったら……
そんな極大な不安要素も
リュカといると
不思議と不安が安らぐ
一緒に居るだけで
一緒に話をするだけで
それだけで
今の私は十分満たされた
今後の未来もリュカとなら——
私は
正直な自分の気持ちと
正直な自分の意志を
再確認した
自分の運命を
リュカとの未来を
信じようと決意した
ふと、
伊藤さんが言っていた事を思い出し
内部の機密情報と思いつつも
それとなく
触れる程度に聞いてみた
「そういえば……」
「購買部って何かあったんですか?」
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