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第11話 - 11　✒️弱🥪　🍳

2025年08月11日

#wrwrd

探索者A&B

中途半端できれます。

自己満です。

絶対転載しないで。迷惑行為×

花街×ファンタジー感。

ー

花街、玫瑰屋の椿がある方の脇道を進んで、蝴蝶兰屋と非洲菊屋の間の道を抜ける。

そこに道はないように見えるかもしれないけど、臆せず進んでみて。

そしたらレンガ造りの壁があるから、触れて。あなたにその気があるのなら、その扉は開くわ。

ええ、その先に…………。

「おら！起きろ！！！！」

「いだっ…！！！」

蹴られて目覚めは最悪だ。

「はー、お前も売れればなあ！！」

「ごめ、ッぅ、…！なさ！！！」

「ごめんなさいじゃねえよ！！！」

俺は奴隷。市に出されても売れない奴隷。花街に生まれたけど、母親は性病で死んで行く当てもなく彷徨っていたら拐われ今に至る。

今日は何回目かも忘れた市だ。

「続いては育ち盛りの少年！」

司会者もなんだか諦めた目をしている。そりゃそうか。やって俺、一回も売れたことないし。

静まり返る会場。あー、今回もダメやった…また殴られ

「5000万」

地を這うような低音が響く。音がした方を見ると金髪の、西洋人が静かにすっと手を上げている。

5000万。いままでに聞いたことない値段。

「ご、5000万です！！！落札！！！」

買われた…？

ーー

「お前、名前は？」

「…覚えてない」

買ったのはグルッペンって人。西洋の出身だと思う。

「そうか。いずれつける必要があるな」

「…どこに向かってるの？」

「お前の母親の出身地だ。」

「え？なんで、知って」

その瞬間、視界が一気に黒くなった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

レンガ造りの壁に触れると、大きな道が現れる。何人もの人が歩いており、その数は花街の通りにも引けをとらない。

大通りの始めを右に曲がり、鍵をはずして扉を潜る。すると先ほどの賑わいとは一転、静かな道にでた。大きく、整えられた庭を横目に扉をぎいと開く。

「おう、グルさんおかえり」

黒髪の赤目、赤いマフラーを着けた男がその先の机に座っている。

「トントン、これで合ってるか？」

グルさん、と呼ばれた男が水色の髪をした少年を見せる。

トントンは筆を起き椅子から立ち上がって覗き込む

「……合っとるで。懐かしいわあ」

「こき使いやがって。自分で行けよ」

「じゃあお前これやれよ」

「自分でやるんだよwじゃ、ショッピ君の隣の部屋に頼む」

「え、ちょおま、俺が運ぶのかよ！」

男がいた場所には烏の羽だけが残っていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「……？」

高そうな寝具だ。机に棚もついている。記憶を辿るがこんな部屋に来たことはない。鏡の前にたつと確かに俺の水色の髪が写っていた。

「…入るでー」

「！」

驚いてどうすることもできず突っ立っていると扉がガチャと開く。

そこには、花街にいた時に仲良くしてくれた友人がいた。

「ト…ントン？」

「久しぶりやなチーノ」

せや、俺チーノって名前しとるんや

「え、なんで、ていうかここどこ？」

「その説明も含めて下でするわ。そこに着物あるやろ？それ着て降りてきてくれ」

「お、おう」

今までのボロボロの物とは違いしっかりとした生地だ。

どうやらあの、グルッペンは相当なお金持ちらしい。トントンを待たせてはいけないと思い急いで着替える。障子からは夕陽が覗いていた。

「お、早いな。」

「おん、まあな」

廊下にでると結構な数の扉が並んでいる。中庭を囲むように部屋が置かれており、橋がかかっている。

まるで迷路だな、と思いつつトントンのあとをついていくと大きな広間についた。

机の上には大量の料理が置かれており、それの周りに男達が座っている。

「チーノ、自己紹介」

トントンに肘でつつかれる。男の人達は突然連れてこられた俺を見定めるようにみてくる。怖い。

「え、？えっと、…チーノ、です。奴隷市で、グルッペンさん？に買われました。なんも知りません、よろしくお願いします。」

「あー！！！トントンの！！！」

「うるさ …！？」

「すまんすまん！w俺はコネシマや！！よろしくな！！！」

声がでかい金髪の人はコネシマと名乗った。首には西洋のはーと？が描かれている。

「どうも鬱で～す。買われた身同士仲良くしよな」

「あ、はい」

鬱さんは紺の髪で片目を隠している。コネシマさんと同様首にはたばこの煙っぽいのが描かれていた。

これ、もしかして全員ついてるのか？

それから順番に紹介を聞いていると、

エーミールさんは蝶、

ゾムさんはなんかよく分からん生物と爆弾、

ショッピさんは猫、

シャオロンさんは龍、

ロボロさんは天といった具合だった。

トントンはマフラーを着けていてよく見えなかった。

「ああ、せや、グルッペンとか、あと4人くらいはあんま夜起きんのや。また朝になったらみれると思うからそんときな。」

「分かりました」

「な！食べん！？お腹空いたんやけど！！」

「ええで。チーノショッピの隣な、」

「おん。ショッピよろしくな！」

「おう、よろしく。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

皆がご飯を食べ、自室に帰ったあと、広間には俺とトントンさんだけになった。

「じゃ、説明するな。

ここは月见草。本街の男娼館や。」

「えっ！？俺働かされんの！？」

待って待って、それは聞いてない！

ケツにぶちこまれるのだけは聞いてない！

「まあ聞けや。

仕事は色々あるんやけど主に３つ。

一つは俺とエミさん、ロボロみたいな事務仕事。

二つ目はケツにぶちこまれる方

三つ目はケツにぶちこむ方。女のときもあるで。

好きに選んでええ。ここは他みたいに強制したりせえへんよ」

「え、そとにでるって言う選択肢は？」

「別にええけど、金とかないで？」

「どれがいいかなあー」

正直事務が一番マシ。

「…ちなみに給料は」

「まあ二つ目が一番高いで？客多いし。」

事務作業の二倍近くあるらしい。何そのチート。

「えぇー………どう、しよ…二つ目って誰がいるんですか？」

「んー…たまぁにシャオロンとか、シッマも何回かやってるなあ、鬱もやっとるし。まあ、その日の気分やね。」

「てきとー…」

「自由がモットーなんで。」

気分でいいんか。まあ、適当に決めればええやろ。

「俺も気分で行くわ」

「おう。じゃあ建物な。

まずここが東棟。自室だったり風呂だったり調理場だったり、まあプライベートスペースって感じや。

次、中央棟。ここは昼はお偉いさんとかが集まって会食とか会議とかしとるんよ。やからその部屋とか宴会会場とかが多いな。

ほんで、西棟。ここが夜の職場。結構な数スペースがある。まあヤるためのやけど。部屋間違えると気まずいから気いつけや。

…で、最後、南棟。」

一通り説明が終わったかと思っていたがもういっこあるのか、でかいなこの建物。

「ここは医務室があったりあと事務室やね。裏方の作業場とかは全部こっちにある。何かあったらとりあえずこっち来ればなんとかなる。」

「ほーん……？」

「迷ったときは柱触ってな」

「え？柱？」

「おん。呪術かけられてん。道案内あるで」

呪術。噂に聞いたことがある。人を呪うことも生かすこともできるまじない。

まさか、本当にあるのか。というか、呪術を扱える人なんて早々多くないはずだ。男娼街への生き方もまじないっぽかった。

もしかして神とかそっち系が関与してるんじゃ。

「今日働く？明日からにする？」

「…明後日からでええ？」

「おん。しっかり休みや。おやすみ。」

「おう」

トントンに送られ来た道を戻る。柱に触れると矢印が現れ、行きたいところの方向を教えてくれる、というシステムみたいだった。

ふと反対側を覗くと明るく光がついているところが何個かあった。もう、あそこで働いてんのか。

「ついたで。じゃあな」

「おん。また明日。」

ー

障子を閉めずに寝たせいか眩しくて起きてしまった。

そういえば、夜は寝てる人もいるとか言っていた。一応挨拶ぐらいはしておかないと。

「…しょ」

とりあえず食堂に行くか。

「！」

「ん？見ない顔やな～。どしたん？」

「新人じゃない？トントンの」

「ああ～！初めましてオスマンですー」

「ひとらんらんです。」

「チーノです。」

オスマンさんは飴っぽくて、ひとらんさんは一部しか見えなかったけど鬼っぽい刺青だ。

二人ともどこかふわふわしてる雰囲気だ。

「残り二人も南の一番上におるでな。顔見せてあげてえや」

「あ、はい！」

「まんちゃん、時間。」

「あ、ほんまや。じゃ、またな～」

二人は中央棟へ向かっていった。昼は宴会とか食事場と言っていたからきっと店員なんだろう。

言われたとおり南棟の一番上に顔だして寝よう。

柱に触れた。

「…すみませーん…誰か、いますか～？」

南棟の一番上に来たのだがそこは階段の手前に大きな部屋があるだけだ。

開けていいのだろうか、と迷っていると中から物凄い叫び声が聞こえてきた。

「ぁァぁぁあアあア゛゛あ゛！！！！」

「？！」

これヤバイやつだ。巻き込まれようとしているわけじゃないが、反射的に扉を開けようと手をかけた瞬間、後ろからふわと淡い匂いが漂った。

「開けちゃだめだよ。死んじゃう」

「…！？で、でも！」

後ろにいたのは神と書かれている布をつけた男だ。刺青は見当たらない。

男に呆気をとられていると叫び声はいつの間にか止み、扉が開いた。

「あれ、新人やん。てかお前また来たのかよ。」

「兄さん、今、空いてる？」

「空いてねえよ。野郎とヤりてえなら夜に来い。」

中から出てきたのは紫のマフラーをつけた男だ。

先程の叫び声がまるで嘘のようにけろっとしている。

「え、あの」

「あぁ、俺は兄さん。ここの祓い屋って言って飛ばされてくる呪いとか祓っとる。で、」

「しんぺい神やで。ここに祀られてる神」

二人とも刺青が隠れていたり見えなかったりでよく分からなかった。

「チーノです。あの、何してたんですか？」

「呪い祓ってたんや。すまんな、うるさくて。」

そういうと兄さんは腕をつきだしまるで地獄に落とされたかのような顔をしている男の生首を見せた。

これが、呪い？

「………グルッペンさんは？」

「あいつ…あ、お前風呂とか入ってないだろ。」

そういえば奴隷時代からずっと入っていない。布団にダイブしてしまった…。申し訳ない…

「え？俺いれようか？」

「お前はホモだからダメ。」

「ちぇー。」

悪寒がした。

「グルッペン探すからやってもらえ」

「え？あの、俺一人で」

「プロにやってもらった方が綺麗になる」

「ケツは俺に任せ」

「お前はダメ」

兄さんは小さな紙飛行機を取り出し、紙の間に生首の髪の毛を入れるとふっと飛ばす。

そうすると黒い線が現れる。

「この線を追えばグルッペンがいる。もう用件は伝えたから、話しかけるだけで大丈夫。」

「ありがとうございます！」

「猫かぶんなくていいよ～」

「あ、ありがとう！」

黒い線は裏庭の泉に繋がっていた。グルッペンさんは泉に足をつっこみ鼻唄を歌っている。

「あのぅ～…チーノですぅ……」

「グルッペンだ。タメでいいゾ。で、風呂？」

「…おん。」

グルッペンが立ち上がっても水飛沫は上がらない。足を見るが濡れたあともない。怖。

そんなことを考えてると鳥居についた。グルッペンは何やら唱えている。これも呪いだろうか。

「…？ついてこい。おいてくぞ？」

「あ、待って！」

そこは脱衣所みたいな場所と繋がっていた。振り返っても鳥居はない。

「そこに服あるやろ、それに着替えて。」

「脱がなくていいん？」

「脱ぎたいのか？」

「結構です」

服は首を布に空いている穴から出すタイプだ。

「できたか？」

「はーい」

手前側には体を流すための台と桶。奥には大きな浴槽が何個かあり、ここら辺ではあまりみない、西洋風の風呂もあった。

「これが髪の石鹸。こいつをこうやって泡立たせて使う。お前の場合3、4回だな」

「っ、いだっ、！」

「目に入ったら痛いゾ。水で洗え。ほら」

「っぅ～…ってぇ……」

「頭を洗えよ？髪の毛じゃないからな。…っと」

水をばしゃとかけられる。今度は目には入らないようにぎゅっと瞑る。

「で、これで髪をやるとさらさらになる。ぎちぎちになった時にやれ。さっきと同じ要領だゾ」

「お、おん。体はどうすんの？」

「こっちの石鹸で同じようにやれ。じゃあこの程度で大丈夫か？」

「お、おん。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

本街→首都。

チ_ー_ノ

月见草の新人。階級は鹿恋(3、4番目くらい)。

親は遊女。町外れの遊郭で遊んでいたところ、たまたまト_ントンと出会い、仲良くなる。

その縁で、奴隷市のときグ_ルッペンに買われた。

基本的には夜に働く。刺青は時計。生身の人間であり、呪術は扱うことができない。

ー

シ_ョ_ッ_ピ

月见草の陰間。階級は花魁、太夫(1番上)。

コ_ネシマの宮廷時代の後輩であり、宮廷をクビになったため月见草から紹介文をもらい働いた。

売り出しからすぐに人気になるなど才能がある。

夜勤務。昼には起きない、働かない。刺青は猫。人間だが親が術者とのハーフなのである程度なら呪術が扱える。

ー

エ_ー_ミ_ー_ル

月见草の受付。

呪術に関する研究をしていたところグ_ルッペンを発見。追いかけていたら男娼街についた。

受付以外で働く気はない。そのため、童帝。

昼勤務のときもあるが基本的には夜。刺青は蝶。人間だが呪具などを扱えば呪いに干渉できる。

ー

ゾ_ム

月见草の花魁、太夫(1番上)。

本街の花街にいたが、男がいなかったのと金がなかったので男娼街に来た。

いれられないならいいかという謎の感覚で働いている。

夜勤務。昼は起きない。刺青は爆弾とクリーパー。呪いを受けた人間が産んだ子供なので4分の一呪い。そのため身体能力が化けもん。

ー

し_ん_ぺ_い_神

月见草に祀られている神。

初代店主が祀った神。神棚が月见草にしかないので、神域と月见草内でしか行動できない。

昼によくちょっかいをかけに来る。夜に来て男のケツを狙うこともしばしば。

呪いに干渉できるが力は弱い。刺青はない。

ー

ロ_ボ_ロ

月见草の雑務をしている。

捕虜だったが祖国からも助けられず、宮廷からも捨てられたところをグ_ルッペンに勧誘される。

本当は夜をするつもりだったが可愛がられてそれどころではなく昼勤務に回された。童帝。

夜勤務。昼もたまに起きてるが眠そう。呪いに干渉はできないが体内に呪いを含んでいる。刺青は天。

ー

シ_ャ_オ_ロ_ン

月见草の天神(三番目くらい)。

月见草の先代店主の親戚。出稼ぎに来たら店主が変わっていた。

不人気と言われているが普通に売り上げはいい。

夜勤務。昼もたまに手伝ってる。呪いに干渉できない。刺青は龍。

ー

兄_さ_ん

月见草専属の祓い屋。

月见草に飛ばされてくる呪いを祓っている。夜は結界を張り、昼に祓うためレアなキャラ。

狼など多くの式神を持つ、元宮廷専属。ブラックだったのでやめて転職した。

呪いに干渉できる。威力もそこそこあるし強い。宮廷は伊達じゃない。刺青は不明。

ー

_鬱_

月见草の格子(二番目くらい)。

花街を酔って適当に歩いていたところたまたま男娼街にやってきた。

酒も飲めるしまあいっかと月见草に所属した。

呪いに干渉できないが呪いを跳ね返しやすい性質を持つ。昼には絶対起きない。刺青は煙。

ー

ひ_と_ら_ん_ら_ん

月见草の店員。

昼勤務で片付けしたり用意したりしてる。元夜勤務だがなんかカスいなと思い昼に移った。

男娼街で産まれたため親と一緒の月见草に所属した。

呪いに干渉できるが祓うまではいかない。弱くする程度。刺青は鬼。たまに昼も起きる。

ー

コ_ネ_シ_マ

月见草の格子(2番目くらい)。

捨てられたところをグ_ルッペンに拾われ、流れで月见草で働いている。

元は皇帝と愛人との子であり皇位継承者でもある。が、本人はやる気はない。

呪いに干渉できない。たまあに、運良く祓うこともある。刺青はハート。昼:夜で1:1。

ー

ト_ン_ト_ン

月见草の事務員。

主に経営や収入などを計算している事務員。

金が入るのがほぼ夜のため夜勤務。昼もたまに起きる。なお、徹夜の模様。童帝。

呪いに干渉できる。殴れる。飛ばせる。が、祓えはしない。刺青は不明。

ー

オ_ス_マ_ン

月见草の看板(娘)。

昼勤務でお店の受付とか、あとは花街にでて必要なものを買ってきたりしている。

昼勤務のためメンバーと会うことは少なく、プラスよく出掛ける。

呪いに干渉できない。が、バチバチに意思疏通ができる。刺青は飴。

ー

グ_ル_ッ_ペ_ン

月见草の店主。

生前外交のために西国から訪れたら捕らえられて男娼街にポイされた。

既に死亡している霊だが、先代店主の遺言で月见草を切り盛りしている。

呪いに干渉できる。昼、夜どちらも適当に来ている。

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