テラーノベル
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家に帰ると、
リビングには家族の笑い声が溢れていた。
綾華『おかえり、お兄ちゃん!』
綾華が一番に駆け寄ってきて、
僕の顔をじっと覗き込む。
母も父も、みんな揃って食卓を囲んでいた。
席についたものの、
ふわふわした頭と火照った頬が冷めない。
さっきまで若井の腕の中にいたのが夢みたいで、
どうしても顔が熱くなってしまう。
母『今日は何か良いことあったの?』
母が意地悪そうに目を細めてきた。
元貴『べ、別に!…何にもないし、///』
わざと素っ気なく答えるけれど、
すぐに綾華が『嘘だ!顔赤いよ!』と
揶揄ってくる。
カチャカチャと食器の音。
いつもの安心する日常。
だけど、胸の中では今しがたの
出来事がずっと余韻を引いていた。
――若井に、あんなに甘えてしまった。
――家の前で、あんなに長いキスをされて、
――泣きそうなほど幸せで、胸が苦しかった。
食事のあと眠る準備をしながら、ふと気づく。
あっ、若井の上着―
帰り道、寒いだろって
肩にふわりと掛けてくれたあの上着。
キスの余韻に気を取られたまま、
返すのを忘れて大事に抱えたままだった。
慌てて手に取ると、
ほのかに若井の匂いが残っている。
どきどきしながら袖口を指先で確かめ、
時計を見て少し迷った。
元貴『……返しに行こうかな、』
胸の奥がまだうずうずしていて、
どうしても、もう一度だけ会いたい
という気持ちが抑えきれなかった。
家族に『ちょっと出てくる』とだけ告げて、
夜の町にこっそり抜け出した。
足早に歩く道は、空気がすっと澄んでいて、
冷たいはずなのに、
上着の暖かさと想いが、
心までじんわり染み込んでいた。
若井の家に着くと、
窓の灯りが静かに揺れていた。
チャイムを鳴らして待つ間、
心臓が飛び出しそうなくらい高鳴る。
すぐにドアが開き、若井が出てきた。
パジャマに着替えたばかりの、
ちょっとぼんやり顔。
滉斗『……元貴、?//』
元貴『ごめん、上着返しにきたの、
あの、ありがとう…///』
差し出す腕が少し震えた。
若井の目が優しく細まり、
ほんのり眠そうで、でも僕だけを見ている。
滉斗『寒かったでしょ?―心配だった、』
元貴『ううん、
若井のおかげで大丈夫だった……///』
自分でも何を言っているの分からないくらい、
胸が高鳴る。
玄関灯の下、明日の話をしようとして、
思わず顔が赤くなる。
元貴『……じゃ、また明日ね、////』
それだけで帰るのがもったいなくて、
思い切って背伸びして、
若井の頬に――そっと、キスをする。
ほのかな体温が互いに伝わった瞬間、
若井が弾かれるように僕を抱き寄せた。
滉斗『理性、なくなっちゃうんだけど、//』
いつになく低い声。
僕は返事もできないまま――
突然、ふわりと体が宙に浮く。
気づけば、若井に姫抱っこされていた。
元貴『ちょ、ちょっと、若井!?///』
滉斗『もう、駄目、無理、可愛すぎる』
若井は僕を軽々と抱えたまま、玄関を閉め、
優しく、でも、
決意に満ちた足どりで寝室へ向かった。
ドアの向こう、小さな灯りのともる部屋。
ベッドにそっと降ろされて、
不安と、ときめきが胸を満たす。
滉斗『元貴――、』
若井が僕の顔を両手で包み込み、
ゆっくりと、さっきよりもずっと甘く、
深く、唇が重なる。
優しいのに、どこか切迫したそのキスは、
言葉よりもずっとたくさんの気持ちを
伝えてくる。
僕は目を潤ませながら、
身を預けるしかできなくて、
手探りで若井の肩をつかみ、
彼の胸に顔を埋めた。
元貴『…もうちょっとだけ、
こうしてていい……?、///』
滉斗『うん、好きなだけいいよ、』
また唇がそっと重なって、
何度も、何度も、深く味わうみたいに――
僕は幸せと恥ずかしさ、
安心と鼓動の早さに包まれて、
とろけるみたいに若井の腕の中で
身を委ねていった。
夜の静けさに2人だけの
甘い世界が満ちていく。
きっとこのまま明日を迎えても、
何度だって夢の中で甘えてしまう。
愛おしくて、嬉しくて、
なかなか眠気が来ない夜になった。
コメント
7件
やばスンギだよこれ!!! なんかもう、若様も、もちょきくんも、もちょきくんの家族みんなも、尊すぎて〇ぬぅぅ!
わわわ、いいんですか無料で見ちゃってーー!!!🫣 急展開がすぎてバックバクのドックドクですよもう…(引かないでください) こんなにも甘々なomrさんを前に平常心保てる人はいませんね🙂↕️✨️
もう、早くヤっちゃえよ!!!! あと、最高過ぎる!!可愛過ぎるぅぅぅぅ!!!!