TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

人狼ゲーム

一覧ページ

「人狼ゲーム」のメインビジュアル

人狼ゲーム

13 - 人狼ゲーム 終結

♥

77

2024年10月05日

シェアするシェアする
報告する


夜の闇が再び広がり、カイトの心には限界が近づいていたことを感じていた。

参加者はどんどん減り、残されたのは自分、リョウ、マリナの三人のみ。

もし次に人狼が村人を襲撃すれば、ゲームは終わり、村人の敗北が確定する。

カイトの頭には、今までの出来事がぐるぐると渦巻いていた。

アイカの無実、タケルの無実、ミカの消失……。

そしてリョウを二度占った結果、彼が村人である可能性が高いと確信している。

しかし、マリナをどう解釈すべきかがわからなかった。

彼女が人狼なのか、それとも誤解された無実の村人なのか。

どちらにしても、今日が最後の夜であり、今夜が命運を決する夜になることは確実だった。

「次は……マリナを占おう」

カイトは決意を固めた。

もし彼の占いが正しいのなら、マリナが「人狼」と表示されたならば、彼女が村人だということだ。だが、もし「村人」と出たなら、それは彼女が人狼である証拠だ。

カイトの手は震えながらも、彼の運命を決める一手を打った。


カイトはマリナを占った。

そして結果は……「村人」。

カイトは全身が凍りつくような感覚に襲われた。

「裏占い師」の役職を考慮すれば、マリナは人狼だということになる。

だが、それが本当に正しいのか?

これまでの失敗が頭をよぎり、彼の心をさらなる不安に駆り立てた。

しかし、この占い結果を無視するわけにはいかない。

「マリナ……君が人狼だったんだな」

心の中でそう呟いたカイトは、次の日に備えるため、一睡もできぬまま朝を待った。

すべてが終わるのは、次の朝だ。


夜が明ける。

人狼に襲撃されなかった。

そのためカイト、リョウ、そしてマリナの三人が最後の朝を迎えた。

全員が疲れ果て、表情に明らかな緊張が浮かんでいた。

今日の議論が、ゲームの結末を決定づけるのだ。

「カイト、昨夜は誰を占った?」

リョウが静かに問いかける。

カイトは深呼吸をして答えた。

「マリナを占った。そして結果は『村人』だった。でも、僕の役職を考えれば、逆にマリナが人狼だということになるんだ。」

その言葉に、リョウは慎重に頷いた。

「そうか。じゃあ、今日の議論で決めなければならないのは、マリナが人狼かどうかってことだな。」

マリナは冷静にカイトの言葉を聞いていたが、やがて口を開いた。

「カイト、何度も言うけど、私は人狼じゃないわ。あなたが『裏占い師』だというのも本当かどうか分からないし、ここで私を疑うのは間違ってる。私はずっとこの村を守ろうとしてきたのよ。」

その言葉に、カイトの心はまた揺れた。

もし自分がまた間違っていたら、再び無実の村人を犠牲にすることになる。

そして、残った人狼が確実に勝利するだろう。

しかし、占い結果は揺るがない。

「裏占い師」としてのカイトの直感は、マリナが人狼だと示していた。

「リョウ、僕たちはここで決断を下さなければならない。もしマリナを疑うなら、彼女を処刑するべきだ。でも……もし間違っていたら、全員が滅びる。」

リョウは少しの間黙って考えた後、厳しい表情で頷いた。

「カイト、君を信じる。もし君の占い結果が正しいのなら、マリナが人狼だということになる。ここで手を打たなければ、僕たちの負けだ。」

それを聞いたマリナは、カイトに鋭い目を向けた。

「カイト、リョウ、本当に私が人狼だと思っているの?私を殺して、このゲームが終わると思う?まだわからないの?カイト、君こそが人狼なんじゃないかって!」

その言葉にカイトは一瞬動揺した。

マリナが人狼であることを疑いながらも、彼女の言葉には不安を掻き立てる何かがあった。

しかし、ここで迷っていては全員が滅びる。


最終的に、全員の票が集まった。

そしてスピーカーから冷たく響く声が会場に鳴り渡った。

「今日は……マリナを処刑する。」

マリナは静かに立ち上がり、諦めたような微笑みを浮かべた。

「……最後まで信じてもらえなかったのね。」

彼女の言葉が胸に響いたが、カイトは自分の選択を信じるしかなかった。

彼女が光に包まれて消えていくと、スピーカーの声が再び鳴り響いた。

「マリナは……人狼でした。」

その瞬間、カイトは全身の力が抜けるような感覚を覚えた。

彼の占いは正しかった。

マリナが人狼であり、彼らは勝利したのだ。

ゲームは終わり、村人たちは救われた。

リョウも深い息を吐き、カイトの肩に手を置いた。

「やったな、カイト。君の判断が僕たちを救った。」

カイトは疲れ切った表情で頷いた。

「ああ……でも、もう二度とこんなゲームには参加したくないよ。」

loading

この作品はいかがでしたか?

77

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚