テラーノベル
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最悪だ……。
この2人のせいで俺の第一印象、完全に「ヤバいやつ」で決定。
と言いたいところだけど——なんとか誤魔化さなければ。
「2人とも落ち着け!!」
…だが、威嚇は止まらない。
(はい、説教ニ名様確定)
兵士たちも武器を構えてくる。
「お、おい!お前何者だ!!」
本当は助けてほしいくらいだよ!!
でも言えない!!!
「あ、あの!違うんです!!
ぼ、僕、職業が召喚術師(サモナー)でして……はは…」
知らん、この世界に召喚術師がいるかなんて。
ヤケクソ上等。
「しょ、召喚術師だと?
それなら良いが……」
よっしゃ!!
ヤケクソ作戦、成功だ!
異世界漫画を読んでおいて正解だったわ。
「あ、ありがとうございます〜」
無事丸く収まり、俺はとてつもない力でレオたちを街へ引きずっていった。
そして、人通りも少なそうな路地裏へ連れて行き、二人を正座させる。
「さぁ〜、なんでここに来たかわかった方〜?」
俺は胸を張って問いかける。
レオは目をキラキラさせながら、尻尾をぶんぶん振る。
「え〜、俺だって理由はわかってるぞ〜?
湊と一緒に暮らすため、だろ?」
「違う。違うから!!」
思わず声が大きくなる。
「理由は……街で暴れないためだろ、二人とも!!」
黒い狼は眉をひそめ、しかし落ち着いた声で返す。
「……湊を守るためだ。街の安全も考えている」
「いやいやいや、守るとかじゃなくて、ただ暴れるだけだろう!
さっきも兵士と揉めそうになったじゃん!!」
レオがしょんぼり目をする。
「え?俺、そんなにやっちゃった?」
「やっちゃったも何も、街の人みんな引くレベルだろ!」
俺は顔を手で覆う。
「もう……俺がスキル持ってるせいで、二人ともやりたい放題じゃん!!」
黒狼は少し口角を上げ、微笑む。
「……だが、湊の力は確かに面白い」
「面白くないわ!!!ヤバすぎるだろ!!」
思わず絶叫。
「俺が困ってるんだから、いい加減少しは落ち着け!!」
二人は視線を合わせて、なんか楽しそうにニヤリと笑う。
「……わかった。少しだけだ」
レオがしぶしぶ頷く。
「じゃあ、守るだけ、必要以上に暴れないってことで」
黒狼も頷き、少し距離を置く。
「……俺もその線なら従おう」
ふぅ……。
やっと落ち着いたかと思った瞬間、レオが俺の耳元で囁いた。
「でも、湊って可愛いよな〜
ちょっと触ってもいい?」
「無理!!許さん!!!」
俺の叫びを無視して、レオの尻尾がピコピコ動く。
そして黒狼が背後から優しく微笑む。
(……もう、完全にスキルのせいだ。
これから先、街に着くまでどれだけ振り回されるんだろう……)
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