テラーノベル
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昔、一人の妖怪がいた。
彼はいつも醜いと言われ、罵声を浴びせられていた。
妖怪 「とっとと消えろよ!気持ち悪りぃ!」
彼 「ごめんなさい!ごめんなさい!」
彼は他の妖怪とは違い、服は汚れていて、アザや傷がたくさんあった。
妖怪 「何で生きてるの?マジで気色悪いんだけど」
彼 「ごめんなさい!生きててごめんなさい!」
彼は優しい妖怪だ。どんな状況になっていても人を助けようとしていた。
だが見た目で決めつけられ、逃げられてしまう。
彼 「何でこんな姿で生まれてきたの?嫌だ…嫌だ…嫌だ…」
彼は自分を責め続けていた。自傷行為の傷もあり、更に身体はボロボロになっていく。
妖怪 「退けよ!気持ち悪りぃクソ野郎が!!」
彼 「ごめんなさい…ごめんなさい…」
彼はもう疲れてしまった。醜いと言われ、殴られ、蹴られ、もう心の傷が深い状態だった。
妖怪 「お前みたいな醜い子供を産んだ親も馬鹿だな!あはははwww!」
彼 「…!」
その時、彼の中で何かがプツンと切れた。自分の事はまだしも、
自分を愛してくれた親を罵倒され、彼の心の優しさが消えた。
妖怪 「ごめんなさい!ごめんなさい!許してください!」
森深くは焼かれていて、そこには多くの死体があった。
立っているのは、赤い瞳を宿した彼だった。
彼 「許して欲しいの?良いよ」ニコッ
妖怪 「ほ…本当ですか…⁉︎ありがとうございま…」
彼は血塗れのまま、一人で森を歩いていた。そう、死に場所を探していたんだ。
彼 「…疲れた…誰か…僕を愛してよ…醜くても愛してよ!ねぇ!!」
ゴルベーザ 「そこの者、大丈夫か?」
すると一人の男が現れた。
ゴルベーザ 「お前の願いを一つだけ叶えよう。何でも言ってみろ」
男は優しく言った。彼の願いはたった一つだ。
彼 「醜くても僕を愛してくれる場所をください!!お願いします…!」
彼は涙を流しながら訴えた。
ゴルベーザ 「良かろう。ただし、今の辛い過去を持つのは心苦しいであろう。
記憶を消しても良いなら我が世界に来い」
彼 「こんな記憶要りません…!貴方様の役に立たせて下さい!」
ゴルベーザ 「良かろう。では一度眠ってくれ。見た目も少し変えるか…
必ず不幸にはさせないと約束しよう」
ゴルベーザ 「こんな形で、記憶を消す装置が役に立つとはな…」
彼 「うん…?ここは…」
ゴルベーザ 「目が覚めたか」
彼 「誰…ですか?」
ゴルベーザ 「私の名はゴルベーザ。お前を愛する月の王だ。お前の名前は…
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