テラーノベル
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203
不明ちゃん。
脳内に響いた声は、冷たく淡々としていた。
――ゲーム開始まで、あと五日。
「……五日? そんな猶予あるんだな」
俺が呟くと、隣のサクラがミントグリーンの髪をふわりと揺らしながら振り向いた。 光を受けて淡く透けるその色は、広場の灰色の景色の中でやけに目立つ。
「五日あれば、ばいやー準備できるやん! ジーマー余裕!」
「余裕かどうかは分からんけどな……」
サクラはミントグリーンの髪を指先でくるくるしながら、煌を見つめた。
「ねぇねぇ、煌ちゃん! 五日って長くない? 何するん?」
「決まっているわ」
煌は黒いパーカーのフードを外し、長い黒髪をさらりと揺らした。 その仕草は堂々としていて、恥じらいなど一切ない。 むしろ“見せる”ことに慣れているような、そんな自信があった。
「この五日間で、互いを知り、影を読む。 人狼ゲームとは、心を暴く戦い……準備期間があるのは当然よ」
「ばいやーかっこよ……!」
サクラは目を輝かせ、ミントグリーンの髪を揺らしながら煌に近づく。
「ねぇ煌ちゃん、俺のことも影読んでみてや!」
「あなたは……そうね」
煌はサクラの顔をじっと見つめ、ゆっくりと言った。
「明るさで周囲を照らす“光”のような存在。 でも、光が強いほど影も濃くなる。 あなたの裏側には……意外と繊細な部分があるわ」
「え、ばいやー当たってる! ジーマーすご!」
サクラは嬉しそうに跳ねた。 ミントグリーンの髪がふわっと広がり、まるで風に踊る葉のようだった。
煌は次に、俺へ視線を向ける。
「そしてあなたは……静かな水面のようね。 一見穏やかだけれど、底は深い。 読みづらいタイプよ。だからこそ――狙われやすい」
「またそれかよ……」
「事実よ。あなたは“守られる側”の気配がある」
煌は迷いなく言い切った。 恥ずかしがる様子も、言葉を濁す気配もない。
サクラが俺の肩をぽんと叩く。
「大丈夫やって! 俺が守ったるし! ジーマー任せとき!」
「いや、お前が一番危なっかしいんだけど……」
「ばいやー失礼!」
サクラは頬を膨らませたが、すぐに笑顔に戻った。
そのとき、広場の空気がまたひやりと冷たくなった。
まるで、誰かが近くで息を潜めているような―― そんな気配。
煌がすぐに反応した。
「……来るわ。 この五日間、私たちだけじゃない。 他の参加者も、きっと動き始める」
「他の……?」
「ええ。影が増えていく気配がする」
サクラはミントグリーンの髪を揺らしながら、きょろきょろと周囲を見回した。
「ばいやー怖……でもワクワクする!」
「あなたは本当に強いわね。精神的に」
「えへへ、ジーマー褒められた!」
「褒めてはいないわ」
煌はくすっと笑った。
――ゲーム開始まで、あと五日。
その五日間が、俺たちの運命を大きく変えることになるとは、 まだ誰も知らなかった。
コメント
4件
ジーマーで続き気になるんだけど!? ゴイスー楽しみ!待ってる!
続き楽しみすぎる😖💗 最っ高!!