テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
※冴凛
※キャラ崩壊
※冴が若干病んでる
※下手
※なんでも許せる方
俺と凛はよくすれ違う
特に言葉のやり取りになると顕著だ。
まず、俺は自分でも自覚する程度に伝えるということが得意ではない。
考えた通りに言っているつもりでも、言葉にするとどこかズレてしまう。
一方凛は、受け取り方に少し難ありだ。
こちらが褒めたつもりでも、言い回しが悪ければ、それだけで意味が変わってしまう。
結果、互いの言葉が真っ直ぐ届くことは少ない。
たがら今も互いの関係は良好とは言えない状況になっている。
けど、いつまでもこんなギスギスとした関係でいたくはない。なぜなら俺は凛のことを誰よりも心の底から愛しているからだ。
まぁあいつは俺に嫌われてるとばかり思ってるだろうが。
だから今日は、久々に実家に帰り凛と二人で話をしようと思う。
昔のような関係じゃなくてもいい。ただ、時々でいいから連絡を取りあって、互いの今を少しだけ話す。それくらいの仲になれば十分だ。
空いてしまった溝を無理に埋める必要は無い。
ほんの少し、風の吹き抜けない程度にそっと修復すれば良いのだから。
そんなことを考えながら懐かしい道を歩いていると、見覚えのある家がようやく見えてきた。
ポッケから鍵を取りだし、鍵穴にそっと差し込む。
ゆっくりと扉に手をかけ、静かに開いた。
「ただいま」
自分にだけ聞こえるくらいの声量で呟く。
今日は凛と二人で話すためにも、両親には家を開けてもらうことにしていたからだ。
無論凛はこのことを知らない。久々に二人で旅行にでも行ってくると伝えてあるらしい。
肌寒い風が吹き込む扉をそっと閉じると、リビングには目もくれず、そのまま階段を上って凛の部屋がある2階へと向かった。
凛の部屋はどっちだっただろうか。目の前にはふたつの扉が並んでいる。久々の帰省で忘れてしまった。
自分が左利きなこともありなんとなく左の扉を選んだ。
ゆっくりと扉を開けると、視界の先に驚いたような表情の弟が映る。どうやら、この部屋で間違いなかったらしい。
「…は?え、なんで兄貴がここに…?」
「お前と話がしたくてな」
今日はあまり凛を刺激せず、煽るような発言も控えることにした。せっかく二人で話せる機会が来たのに煽り耐性のない凛を刺激しては元も子もないからだ。
「話?なんだよそれ…」
凛の表情がわずかに陰った。よほど俺と話すのが嫌なのだろう。まあ、今は気にしないでおく。
「一応俺達の今後に関わることだ」
「今後に関わること?いきなり帰ってきて早々何言い出すかと思えば、またお兄様直々の説教か?」
「凛、違う。俺はお前のこと___」
「うるせぇよ。あんだけ突き放しておいて今更話し合いとかどうかしてんじゃねぇのか?」
凛は、俺の言葉の続きを待たず、ぴしゃりと遮った。
「おい凛。少しは俺の話も聞け。自分の意見ばっかで一向に話が進まねぇ。ったく本当にそういうとこは変わらねぇのな」
そう口にした瞬間、しまったと思った。今の発言は完全に凛の地雷を踏んだ発言だ。
あぁ、やっちまった。気をつけていたつもりだったが、人を煽るような発言を無意識にする癖が染み付いてしまっている
すでに、凛の表情は悔しさと怒りに染まり、硬くこわばっていた。
その唇はきつく噛み締められ、わずかに震えている。
これは何を言われても仕方がないと思い、どんな罵声でも受け止める覚悟をした。
「…わかんだよ…。」
凛がポツリと何かを呟いた
「なんだ?聞こえねぇ」
火に油を注がぬよう、凛を刺激しない形で聞き返す
「俺を捨てたアンタに何がわかんだよ…!」
部屋中に、響き渡る程の声量で凛が叫ぶ
目には今にも溢れそうなくらいに涙が溜まっていて、顔は真っ赤に染まっている。
「待て、凛。今のは俺が悪かった。すまね___」
謝罪の言葉をかけようとしたその時、
凛が血相変えた表情で俺を睨みつけ言い放った
「兄貴なんか、大嫌いだ…」
まるで、幼い子どもが返す言葉も見つからず、どうにかして相手を傷つけようと必死に絞り出した一言のようだった。
理屈でも論理でもない。ただ感情のままに放たれた、拙く、どこか痛々しい言葉。
普通なら、はいそうですか。と適当に受け流すのかもしれない。だが、俺にはそれが出来なかった。
“大嫌い”この言葉が何度も頭のなかで繰り返し再生される
大嫌いなんて言葉は誰でも知っているような単純な言葉だ。だが、いまの俺はその意味を理解するのに時間がかかった。
なんせ、”大嫌い”と凛に言われたのは人生でこれが初めてだったからだ。
俺にいつもべったりで、ことある事に兄ちゃん大好きと言っていた凛の口からそんな言葉が出て来たことがなにより信じられなかった。
俺はその場で言葉を失ったまま固まってしまった。
呆然と立ち尽くす俺に異変を感じたのか凛はやや申し訳なさそうな顔と声で「兄貴…?」と俺の顔をゆっくり覗き込む
凛が不安そうにこちらを見つめている表情が視界に映りハッとする。
それと同時に怒りの感情が芽生えてくる。
どうやら”大嫌い”というワードは自分の中で胸を締め付けるほどの地雷だったらしい。
それもそのはず今まで右も左も1人じゃ分からないような弟、__凛のことだけを考え、正しい道へと導いてきた。
全ては凛のため。凛が幸せになって欲しいが為にお前に尽くしてきたというのに、なんでそんなことが言えるんだ?
こんなの俺があまりにも不憫すぎる。
凛の発言を思い出す度、怒りの感情で頭がいっぱいになった。
「ふざけんなよ。」
流石に我慢の限界だった。胸の中で押し殺していた何かが、ぷつりと切れた気がした。
俺の放つ異様な気配に気づいたのか、凛はびくりと肩を震わせた。
何かを察したようにこちらを見つめ、ためらうように口を開く。
「兄ちゃん、ごめ__」
凛が何かを伝えようとしたその瞬間、
俺はその言葉を拒絶するように、躊躇なく手を伸ばし、凛の口元をがっしりと掴んだ。
いきなりの行動でびっくりしたのか、凛はそのままベットにバランスを崩し倒れ込んだ。
「凛、お前は恩知らずにも程がある。俺がお前にどれだけ尽くしてきたかわかってんのか?」
冴の声はいつものような、柔らかく優しい声ではない。怒りに満ち、凛を怒鳴りつけるような声だった。
こんなに冷静さを失った冴を凛は初めて見た。
だからこそ恐怖と焦りで体が思うように動かず、自分の口を強く塞ぐ手を引き剥がすことが出来なかった。
怯える凛の表情に気づいたのか、冴は凛の口を塞ぐ手をそっと離した
口元が解放され凛はげほげほど咳をしながら詰まった息を逃がす。
「兄ちゃ…ごめ、げほっ、ごめんなさっ、げほっ、げほっ」
まだ呼吸が整っていないというのに俺に精一杯の謝罪の言葉を発する。
たが、その謝罪の言葉は冴にはまったく届いていなかった
「…間違えた」
冴がポツリと呟く。
「俺がお前の躾方を間違えたから、こんなことになったんだな」
冴は開き直ったかのように淡々と喋る
「だとしたら俺にも責任があるな。お前のせいだけにするのは違った。」
先程の怒鳴りつけるような声とは反対に落ち着いた雰囲気で淡々と訳の分からないことを話す冴に凛は先程よりも恐怖を覚えた。
「兄ちゃん…?」
不安げな声で冴に問う。
「大丈夫だ、凛。俺がしっかり1から躾…いや育て直してやるから。」
酸素が頭に上手く回っていないせいか、
その言葉を最後に凛は意識を失った
一旦切ります。
冴の地雷が大嫌いってワードだとなんかいいなと思って書きました。
でもかなり脳死でかいた内容薄々小説なので好評だったら続きを書こうかなと思います!
非常に読みにくい文章ですみません🙇🏻♀️
コメント
1件
大好き! 大嫌いって言葉冴には結構刺さりそう〜