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ある月が綺麗な夜。

私は彼が伝えようとしていたことを考えていた。

『なぁ青羽。俺。。。』

と言いかけて,彼は口を閉じた。

ひょっとしたら。

彼は私が死ぬことに気づいていたのかもしれない。

なんで言ってくれなかったんだろう。

言ってくれれば,ストーカーに気づけていたのに。


ある綺麗な雨の降る朝。

俺は彼女のことを考えていた。

俺は気づいていた。

彼女がもうすぐ死ぬことに。

彼女のストーカーにも気づいていた。

でも,その人はストーカーじゃない。

全てを見ている俺だからわかっていた。

あいつは彼女に伝えたかったんだ。

「あなたに大量の幽霊が取り憑いています」って。


絶対に赦さない。

彼女は彼の言葉を受け入れないだろう。

あなたにとって私は何なの?

あの結果は彼女の末路だ。


でも,好きだから悲しいんだ。


私は彼を赦さない。赦したくない。でも何故か嫌いになれない。

俺は彼女に言うことができなかった。好きな人に「君はもうすぐ死ぬ」なんて,どんな顔して言えばいいんだろう。


だから。


俺が君に言えなかったことを

私があなたを迎えに行くことを

どうか赦してほしい。




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