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#学園ファンタジー
成瀬りん
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#家族
たつ
53
#日常
ももは
551
公太たちの前に、三つの影が現れた。
漆黒のローブをまとった男。
鋭い眼光を放つ剣士。
そして、無言で立つ巨躯の武闘家。
その場の空気が一変する。
まるで重力そのものが歪んだような圧倒的な威圧感。
ロキ。
カイゼル。
ヴィクター。
――アビス最強の三幹部だった。
剣士・カイゼルが静かに一歩前へ出る。
「どうも、諸君。初めまして」
優雅に一礼する。
「我々は、アビスの幹部です」
礼儀正しい所作。
だが、その瞳には冷たい殺意が宿っていた。
「……ッ!」
公太、唯我、一祟の三人は直感する。
――こいつらは、本物だ。
その時、ロキが鼻で笑った。
「ゼノスも隼人も、お前らなんかにやられたって?」
肩をすくめる。
「……冗談だろ」
さらに冷たく言い放つ。
「まあ、あの程度の駒が消えたところで、どうでもいいがな」
その言葉に、公太の怒りが爆発した。
「……てめぇ」
拳が震える。
「隼人を馬鹿にすんじゃねぇ!!」
唯我の瞳にも静かな怒りが宿る。
カイゼルは薄く笑った。
「面白い」
刀に手を添える。
「あなたたちの”器”……試させてもらいます」
その瞬間。
通信機からジュリーの叫び声が響いた。
『みんな、今すぐ逃げて!!』
『そいつらはアビス三幹部!』
『あなたたちが敵う相手じゃない!!』
三人の表情が強張る。
「……逃げろって?」
「そこまで実力差があるのか……」
しかし――
ロキが指を鳴らした。
パチン。
空間が歪む。
背後の出口が、ゆっくりと消え去った。
「逃げ道なんて、最初からないぜ」
公太が拳を握る。
「……チッ」
炎が身体を包み込む。
「やるしかねぇ!」
三人は同時にネオコードを発動した。
そして――
それぞれ一対一の戦いが始まる。
公太 VS ロキ
「灼獄ッ!!」
炎をまとった拳が轟音とともに放たれる。
灼熱の火柱がロキを飲み込もうとした。
しかし――
ロキは微動だにしない。
「……ほら」
指先を軽く動かす。
空間がねじれた。
炎が軌道を変えられ、虚空へ消えていく。
「なっ……!」
勢いを失った公太の身体が大きく泳ぐ。
その一瞬。
ロキが背後へ現れた。
「無駄なんだよ」
静かな声。
「空間は、俺の庭だ」
手刀が首筋へ叩き込まれる。
「がっ……!」
視界が揺れる。
意識が暗闇へ沈んでいった。
唯我 VS カイゼル
「龍焉刀・幻影の眠り」
唯我の秘剣が放たれる。
幻影が敵を包み込む――
そのはずだった。
カイゼルは静かに刀を抜く。
「見切りました」
黒い刃が閃く。
「無駄です」
「……何!?」
剣と剣が交差した瞬間。
幻影は真っ二つに斬り裂かれた。
「君の剣は素晴らしい」
カイゼルは静かに告げる。
「ですが、私には届きません」
次の瞬間。
鋭い斬撃が唯我の腹部を切り裂いた。
「ぐっ……!」
膝をつく唯我。
目の前には、息一つ乱していないカイゼルが立っていた。
一祟 VS ヴィクター
「神威の風!!」
暴風が戦場を包み込む。
建物を揺らすほどの突風。
しかし。
ヴィクターは止まらない。
無言のまま、嵐を真正面から突き進む。
「っ……速い!」
一瞬で間合いを詰められる。
次の瞬間。
鋭い膝蹴りが一祟の腹部へ炸裂した。
「がっ……!!」
衝撃が全身を貫く。
そのまま意識は闇へと沈んでいった。
倒れ伏した三人を見下ろし、ロキがつまらなそうに鼻を鳴らした。
「……時間の無駄だったな」
「雑魚め」
ヴィクターが低く呟く。
「殺すか?」
しかし、カイゼルは静かに首を横へ振った。
「命令は”脅威の確認”と”牽制”です」
「それで十分でしょう」
ヴィクターは舌打ちする。
「……つまらねぇ」
三人は踵を返す。
目の前の空間がゆっくりと裂けた。
その裂け目へ、三幹部は静かに姿を消していく。
戦場に残されたのは――
倒れた公太、唯我、一祟。
そして、吹き抜ける風の音だけだった。
三幹部との圧倒的な実力差を刻みつけられた三人。
絶望は、今まさに始まったばかりだった。
コメント
1件
うわ、めっちゃ重い展開…!三幹部かっこよすぎて震えたけど、同時に絶望感が半端ない。“空間は、俺の庭だ”とか“見切りました”とか、台詞の一つ一つが痺れる…。公太たちが一方的にやられる展開、ダークで好みです。次の話が気になる!😭