テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
2月4日 ここで息をする
#四季愛され #微過去捏造 #2026一ノ瀬四季生誕祭
01
2月4日 その日は一見…というか約9.5割ぐらいの人にとってはなんでもないただの365日のうちの1日なんだろう。だけど俺は違う。そう2月4日とは一ノ瀬四季、つまり俺が生まれた日である。
これは、1/365を切り抜いたたった一日の物語だ
02
7:01
目覚ましの音と共に俺は目を開けた。いつもなら2度寝してしまうが今日は違う。なぜなら誕生日だからだ。誕生日とは1/365日の中でほとんどの人が待ちわびる特別な日。それは俺も例外ではなかった。1年の中でどの日が好き?と聞かれれば間違いなく俺は2月4日と答える自信がある。それぐらいには誕生日が好きなのだ。
俺はベットから起きて顔を洗いに洗面所へと向かう。毎日やってる行動のはずなのに、なんだか特別感がある。歳をとって初めての行動だからだろうか。そもそも誕生日にすることは何事も特別に感じられる。
先程から流しているものの、中々暖かくならない液体に俺は諦め、冷たい水で顔を洗う羽目になった。夏ならいいが冬の朝の水は流石にきつい。目が覚めるからいいかと思い、その後も朝の身支度を済ませて行った。
ちなみに皇后崎はもういない。どうやら先に目覚めて食堂に行ったようだ。さて俺も向かうとしよう。食堂には誰がいるかなと俺は少しワクワクしながら部屋を出ていった。
03
7:34
さて、問題です。食堂には誰がいたかな〜?はい、正解は誰もいないが答えだ。なんということでしょう。いつも矢颪だったり遊摺部だったりと絶対に1人は誰かかしら食堂にいつもいるのに今日に限っていないとは…俺は1人虚しくご飯を食べる羽目になってしまった。今日はツイてない日なのかもしれない 誕生日なのに…誕生日なのに…!誰にも祝われないため俺は過去の誕生日を思い出すことにしよう。
羅刹に来る前は毎年親父に祝って貰っていた。もちろん学校のダチにも。でも1回だけ…あれいつだっけ…いやまぁ忘れるってことはろくでもないことだから置いといて…誕生日は必ずカレーを食べてた。その後にケーキ。親父に作るなんていう器用さはないから買ったものだけど。あとはモデルガンをいつもプレゼントしてくれた。毎年『お前は武器屋にでもなんのか』って言われたけど…
さておき、食べ終わったことだし、教室に向かおう
04
8:03
「皆おっはよー!」
勢い良く扉を開けた先に待ち受けていたのは_何かが弾け飛ぶ音…クラッカーだった。
「「「四季/一ノ瀬/さん/くん」」」
「「「誕生日おめでとう/ございます!」」」
「はぇ?」
思わず腑抜けた声が出てしまった。だって教室内が飾り付けされてるし、なんならムダ先もチャラ先もいる。たしかにチャラ先なら参加しそうだけどあのムダ先もいる!
「なにあほ面してんだよ」
「いやだって…って酷くない!?いやそんなことよりどしたんこれ!?」
「今日はお前の誕生日だろ?」
「いやそうだけどこんなサプライズが来るなんて思ってなかったけど」
「なんだ?ロクロも準備してくれたのに嬉しくないのか?あ”?」
「いえ、死ぬほど嬉しいです」
「まぁまぁ、今日はせっかく四季くんの誕生日なんだし…ほら、準備できた?」
チャラ先がみんなの方を向いて問いかけた。まだ何かあるのだろうか…ん?まって嫌な予感がする
「…ちょっと待ってくれ…手に持ってる物って…」
「パイだが?」
「そうっすよね!?何となく知ってたけど!!」
ムダ先が真顔で言ってくるもんだから普通に食うのかと一瞬思ったけが、その思考はチャラ先により破壊されたのであった
「じゃあ四季くん…いっくよー!」
「え、ちょ!まっ」
逃げようとすると皇后崎が目の前に来て…
「ハッピーバースデー…四季ぃ」
「ぐぇ”」
ニッコニコの顔でパイを顔面に投げつけられた。鬼の所業かな?まぁ…お察しの通り顔面パイだった。皇后崎をスタートにみんなこっちに向かってパイを投げてくる。
「ちょ!ぶぇっ…まっ、んぐっ、ほんとにっ、ぼへっ」
散々投げつけられた。ちょっとイラついたので顔に着いた生クリームを手でとって…皇后崎とムダ先の顔面に押し付けた。なぜこの2人かって?近くに居たからだよ。それがダメだった。
「…おかわりが所望らしいな?」
「…満足するまで付き合ってやるよ」
「ぁ…いやア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」
05
13:17
あれから他も巻き込んで2時間半程顔面パイ祭りが繰り広げられた。もちろん俺が一番の被害者。でも皆もベトベトの為風呂に入ったのだった…
「さて…皆さっぱりしたことだし…いよいよ本命のプレゼントだよ!」
「ぇ」
またあの恐ろしいのが始まるかと思い身構えると…
「あ、いやもうパイ投げやんないから安心して!?ほんとにこれはいいものだから!」
「今お前に動画ファイルを送った 見てみろ」
「え?」
ムダ先に言われた通りスマホを見てみると3件ほど動画が送信されていた。とりあえず1番上から見てくことにした
『四季くん誕生日おめでとう!…ほら真澄隊長も』
『チッ…めんどくせぇな…誕生日おめでとう…これでいいんだろ? 』
『まぁ…とりあえず真澄隊長は置いといて…改めておめでとう こっちに来てくれたとき君がいい笑顔をしてくれるから癒されるよ』
『置いとくんじゃねぇよ …一ノ瀬、誕生日だからって浮かれてんじゃねぇぞ?こっち来た時少しでも衰えてたら…そん時はわかってんだろうな?』
『あはは…まぁともかくまたこっち来た時はよろしくね 四季くんにとっていい一年になることを願ってるよ』
『一ノ瀬くん、誕生日おめでとうございます』
『君という素晴らしい少年が生まれた2月4日という日にグッドを…ガハっ』
『そこは普通に祝えよ…』
『そうだな!誕生日おめでとう!』
『また近々講習でそちらに行きますからその時はよろしくお願いします』
『君たちと会える日を楽しみに待ちわびて待ってるぞ!』
『では良い1年を過ごしてください』
『四季少年と共に他の皆も幸あることを願ってい…ガハッ 』
『いやだから最後まで言えよ』
『あ〜…一ノ瀬?誕生日おめでとー 1段大人の階段登ったな』
『誕生日おめでとう!今度こっち来た時菓子用意して待ってから楽しみにしとけよ!なんか食いてぇ菓子あったら教えろよ』
『俺こん後女の子待たせてっから手短に言うけど…まーまだガキのうちは幸せに祝われとけよ じゃ』
『おいゴルァ!紫苑!…ったくすまんな…まぁ一ノ瀬!頑張れよ!』
1本目から練馬区の2人、臨時教師の2人に杉並区の2人…つまり6人からの誕生日おめでとう動画だった
「実はそれね…迅々達の案なんだよ!」
「おい花魁坂!!」
「あ、教えちゃダメなやつだった?」
「そ、そこは言わないお約束ですよ!」
「…」
「四季?」
「…はは、ははは」
嬉しさと可笑しさが一気に込み上げてきて、俺は腹を抱えて笑いだした。
「もっ…あっはははッ!…ほんとっ、んふっ…むりっ…あっははははは!」
笑いが止まらず涙まで出てきた しばらく爆笑した後、落ち着いてきてやっと口を開けた
「いや、ほんとありがとう、めっちゃ楽しい誕生日なったわ!みんなありがとな!!」
06
23:14
あの後はプレゼントを皆から貰って、夜ご飯のときに皆でケーキを食べた。あっという間の一日だった。朝の寂しさが夢みたいだった。だけどまた、孤独感に俺は包み込まれていた。
夜、こっそり抜け出して墓場に向かい、今、親父の墓の前に座り込んでいた。
「なぁ、親父 聞いてくれよ 今日俺誕生日じゃん?んで教室行ったら皆祝ってくれてさ…でも急に顔面パイされて…いやまぁ楽しかったからいいんだけど…そんでその後真澄隊長達からのお祝い動画も貰って、プレゼントも…そんで皆でケーキ食べたんだぜ めっちゃ楽しかったし、嬉しかった」
親父の墓に背中を預け、まるで自分に言い聞かせるかのように俺は今日の出来事を独りごちた。
「親父もさ、毎年祝ってくれたよな カレーとケーキ、あとモデルガンも …今年はカレーもモデルガンもなかったけど、充分過ぎるほど貰った…でもまだ1つ…大切なこと貰ってねぇんだ」
それは、言葉だった。もちろんお祝いの言葉は沢山貰った。でも、その言葉は特別だった。そうあれは小学生の時のことだ…
07
『四季くん誕生日おめでとー』
『おう!ありがとな!』
その日も俺の誕生日だった。クラスメイトから祝いの言葉を貰って嬉しくなっているところに、あるひとりが聞いてきた。
『でもさ、四季の親って本物じゃないんだろ?なんで誕生日が今日ってわかんだ?偽物の誕生日じゃねぇの?』
子供の純粋な疑問。気にする必要は無かったと思う。だけど当時の俺に、その言葉は鋭く心に刺さった。 そして帰宅後、親父に聞いたんだ。
『なぁ、父ちゃん 今日ってほんとに俺の誕生日なのか?』
『何言ってんだ 当たり前だろ?2月4日 正真正銘、四季の生まれた日だ』
『…嘘つき 父ちゃんって俺のこと拾ったんだろ?なのになんで誕生日がわかんだよ どうせ適当に作った誕生日なんだ!嘘の誕生日なんだろ!?』
『おい!四季!どこに行く!』
その日は何故かむしゃくしゃして、親父に当たって、その後思わず家を飛び出した。そん時は雨が降っていて、傘もカッパも来てないからびちょ濡れになったけど、そんなこと気にしないぐらい、俺は誕生日という日が怖くなった。
その後、近くの公園のブランコの傍で蹲っていたら、親父が迎えに来た。その時には寒さで、さっき言った言葉なんて気にする余裕がなかった。大人しく親父の背中に乗って帰った。帰り道、親父がこんなことを話した。
『たしかに、お前の本当の誕生日は今日じゃない…というかわからないんだ でもお前を拾った日…一ノ瀬四季が産まれた日は間違いなく2月4日だ だから、一ノ瀬四季の誕生日は誰がなんというと2月4日だ』
その時は意味がわからなかった。でも家に帰って、熱を出して寝込んだ時に考えたんだ。親父が言った言葉の意味を。それでもわからなかった。親父に聞こうにも聞けなかった。その次の年から親父は必ず、ある言葉を言った。他の言葉と大差無い言葉だったけど、たしかにその言葉は俺にとって必要な言葉だった。
0 8
23:52
だけど、もうその言葉を言ってくる人は誰もいない。少し不安になるんだ。毎年この日になると怖くなる。俺の本当の誕生日はいつ?って。そんな不安をかき消してくれる言葉を掛けてくれる人は、もういない。だけど、今日こんなに沢山の人が俺のことを祝ってくれて、大切な人に祝われたおかげで不安は薄まっていた。だから後は自分が前に進むだけ。
「誕生日おめでとう *一ノ瀬四季*」
たしかに今日は俺が生まれた日ではないかもしれない、でも間違いなく、今日、2月4日は一ノ瀬四季が産まれた日だから
「*今日は一ノ瀬四季が産まれた日だ*」
あとがき
なんとか間に合った!セーフ!!!てことで四季くん誕生日おめでとう!!今回は四季くんの誕生日って剛志さんが四季くんを拾った日を表してるのかな?という疑問から産まれた話です。前半ほぼギャグですが…まぁ原作の方の四季くんがこれからどうなっていくのか楽しみですね。それでは
コメント
2件
最高なお話✨ 顔面パイ笑 めっちゃみんなが仲良いし、みんなの動画もおめでとうもとっても好きです! そして嬉しさを噛み締めたり、お父さんのその言葉を求めていたり、本当に最高だし、好きです! 本当に、四季くんお誕生日おめでとう!生まれてきてくれてありがとう(,,> <,,)