テラーノベル
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※tn×emです。
※私がにやにやするための文章をAIに手伝ってもらいながらつくっています。
※某ゲーム実況者様のお名前をお借りしております。
ご本人様にご迷惑のかかりませんようご配慮お願いいたします。
ー第二章 重なる足音と、溶けていく嘘ー
「命の鍵」がトントンの手に渡ってから、エーミールの日常は劇的に塗り替えられた。
最初は数日おきの生存確認だった。
それがいつしか、撮影のある日は必ず。
そして今では、撮影がない日でも当たり前のように、玄関の鍵が回る音が聞こえるようになった。
_ガチャ
em「……あ、トントンさん。お疲れ様です」
tn「おう。エミさん、ちゃんと水分とってるか?昼飯は何食うたん」
玄関の鍵を開けて入ってくるなり、トントンは鞄を置くより先に問い詰める。
em「ええ、大丈夫ですよ。お昼は……そう、パンを一つ」
tn「パン一つ? お前なぁ……」
トントンは呆れたように溜息をつき、自分の家かのように冷蔵庫を開けた。
em「すみません、読書に夢中で」
tn「ったく……今なんか作ったるから。座れ」
em「そんな、申し訳ないですよ!まだパンもありますし」
tn「ええから座れ! ちゃんと栄養あるもの食わな、薬飲んでても良くならんやろ」
_トントントン。
規則正しく響く包丁の音。
かつて冷徹な父に監視されていた書斎の、あの凍りつくような静寂とは正反対の、『誰かがそこにいる』という確かな命の音がする。
エーミールは、自分の部屋の中に自分以外の足音が響いていることに、戸惑いながらも深い安らぎを感じていた。
tn「今日はもう遅いし、このまま泊まっていくわ」
em「えっ!? 泊まるって……トントンさん、お忙しいでしょう。私はもう、本当に大丈夫ですよ」
tn「あのなぁ。エミさんの『大丈夫』は、世界で一番信用してへんねん。俺が帰ったら、どうせそのまま読書続けるつもりやろ」
em「う……、それは……」
tn「図星か。ええから、お前はもう布団入れ。……それとも、俺が隣で寝かしつけんと寝られへんのか?」
em「な、何をおっしゃるんですか! 寝ます、今すぐ寝ますから!」
トントンの過保護な視線に追い詰められ、エーミールは逃げるようにベッドへ潜り込む。
暗闇の中、ソファから聞こえる一定のタイピング音。
誰かの気配がこれほどまでに心地良いものだとは、今の今まで知らずにいた。
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突然のお泊まりから一週間後_
ついにトントンの私物が洗面所に並び始めた。
ペアの歯ブラシ、トントン愛用の重みのあるコーヒーカップ、そしてクローゼットの片隅に掛けられた、少し大きめの予備パーカー。
em「……あの、トントンさん。これではもう、ほとんど一緒に住んでいるのと変わらないのでは?」
エーミールが控えめに指摘すると、トントンは朝食の目玉焼きを皿に盛りながら、さらりと言ってのけた。
tn「何言うてんねん。お前を徹底的に管理するって決めたんや、当然やろ」
em「万が一の時だけというお話でしたが……徹底的に管理って」
tn「それだけじゃ足りんって、ここ数ヶ月で気づいてな。持病どうこう言うよりも、まずお前の食事と睡眠を 管理せなあかんわ」
em「おかんですね」
tn「ちゃうわ」
即座に否定され、トントンから手渡されたマグカップ。立ち上る湯気の向こうで、エーミールは胸を刺すような罪悪感に目を伏せた。
(私は、病院でついた嘘を続けている。
本当は持病なんて、ないのに……)
薬を飲んでいれば大丈夫だと伝えているが、そんな薬は存在しない。
不調を「ノイズ」として切り捨ててきた過去の代償が、時折体を動かなくさせるだけなのだ。
けれど、エーミールはこの優しく甘い生活を手放せずにいた。
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メンバーへの「合鍵報告」から半年を過ぎた頃
表向きは「万が一の備え」ということになっていたが、トントンがエーミールの家に「帰ってくる」のは、もはや日常の風景と化していた。
ある日の撮影日_
トントンは不参加で、エーミールを含む数人での動画撮影が行われていた。
収録が順調に進み、もうすぐ終わるというその瞬間だった。
_ガチャリ
ut「……あ、エミさん。今の音、誰か来た?」
shp「え、大丈夫ですか? 泥棒とかやないですよね?」
大先生やショッピが、身を乗り出した直後、マイクが拾ったのは、あまりにも日常すぎる声だった。
tn「……おー、エミさん。ただいま〜
外、雨降ってきたわ。…タオルとってもらってええか?」
「「「………………は?」」」
em「ト、トントンさん!? 今、撮影中です!」
tn「あ……。あー、悪い。つい癖で」
em「『つい』って……もう!今持っていきますから!」
エーミールは反射的に立ち上がった。
その勢いで、パチン、という軽い音と共に、PCから有線のヘッドセットのジャックが勢いよく抜け落ちる。
直後、ヘッドセットからではなく、PCのスピーカーからメンバーの動揺した声が部屋中に響き渡った。
syo「ちょっ、エミさん!? 今のトントンやろ!」
zm「ただいまって言ってたよな!? エミさんどこ行ったんや!」
スピーカーから漏れる騒ぎを背に、エーミールは脱衣所からバスタオルを掴んで戻ってきた。
em「ほら、トントンさん風邪引きますよ」
tn「お、サンキュ。……お前、スピーカーからめちゃくちゃ野次飛んでるぞ」
em「あなたのせいじゃないですかね!?」
tn「それよりエミさん、また薄着で作業しとったやろ。ほら、これ羽織れ」
トントンが濡れた髪を拭きながら、自分のパーカーをエーミールの肩にふわりとかける。
そのガサゴソという音と、スピーカーから聞こえる阿鼻叫喚が混ざり合い、カオスな空間が完成していた。
syo「……え、なんか日常すぎひん? 手慣れすぎやろ」
zm「なぁエミさん。合鍵って万が一の時だけちゃうかったん!?」
メンバーの至極真っ当な追求に、エーミールはトントンのパーカーの裾をぎゅっと握りしめながら、マイクに向かって早口で捲し立てた。
em「い、いえ! これは、その、これも万が一といいますか、トントンさんのご厚意によるものでして!数ヶ月前から私の健康管理をして下さってて…」
(これは『療養』なんです。私が嘘をついているから、彼は義務感でここにいるだけなんです……)
em「ただ、その……最近はトントンさんが、ほぼ毎日……九割五分くらい寝泊まりされているだけでして……!」
sho「それを世間では同棲って言うんじゃ…」
さらに自分に言い聞かせるように、エーミールは早口の講釈を続ける。
em「一般的に『同棲』とはですね、将来を誓い合った恋仲のパートナーが、愛情を前提として生活の拠点を共にする行為であって、我々のこれはあくまで健康管理であって——」
zm「毎日寝泊まりしてるって……」
em「……毎日ではないです。九割五分です」
ut「まさか、一緒に寝てるとか言わんよな……」
em「私の家のベッドは大きめですので、二人で寝ても特段、問題はないですね」
その瞬間、スピーカー越しの空気が完全に凍り付いた。
一拍置いて、先ほどよりも数倍大きな声が部屋中に鳴り響く。
sho「えぇ……これってどうなんですか裁判官!?」
ut「有罪! 確定で有罪!!」
トントンはスピーカー越しに聞こえる騒ぎを鼻で笑い、PCのすぐそばに寄って言い放った。
tn「同棲やないぞーまだ半やでー…こいつ、一人にすると何食うてるかいつ寝てるか分からんからなー
半同棲のこと言うてなかったわー驚かせて堪忍な」
em「ちょっとトントンさん! 何おっしゃってるんですか!」
tn「別にええやんかー毎日来てるのは嘘やないしー…ほら、撮影終わったんやろ、すぐお風呂入りいや」
ut「……あーもう、やってられんわ。今日の撮影、もう『お幸せに』で締めくくってええか?」
zm「はぇー……(困惑)」
_ブツッ
エーミールは耐えきれず回線の切断ボタンを叩きつけた。
静まり返った部屋。
トントンが、顔を真っ赤にしているエーミールの頭を乱暴に、けれど愛おしそうに撫でる。
em「……トントンさん。私、なんだか色々と、いらないことまで言ってしまった気がします……」
顔を覆って消え入りそうな声で溢すエーミールに、トントンは「そうか?」と短く笑い、その少し熱い頬に手を当てた。
持病が嘘だということくらい、最初から気づいている。ただ「不調」だけが襲ってくる不自然さ。
けれど、エーミールが「助けて」と言えない代わりにその嘘を盾にしているのなら、自分は喜んでその盾ごと抱きしめるつもりだった。
心理的な何かが彼を蝕んでいるのなら、自分がその隙間を埋めるまでだ。
トントンは、自分の指先に伝わるエーミールの確かな体温に、静かな独占欲を燃やしていた。
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