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息抜きついでの類寧々どぞ類くんがとーやくんと彰人くんを知らない世界線です。
「あのさ、寧々。お互いの家を行き来するのをもう、やめないかい?」
「え?」
唐突な発言に私____寧々は間抜けな声が出た。今はネネロボのメンテナンスがちょうど終わったころ。類のガレージにいるのだ。
「……類がそうしたいんならいいんじゃない?じゃあ、もうここには来ないね。ばいばい。」
特に、私に断る理由もないし結構どうでも良かった。それに、類がそうしたいなら勝手にすればいい。ネネロボのショー終わりなどにメンテナンスをしてもらえばいいだろう。もう一度別れを告げて私は類のガレージを出た。
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「言ってしまった…」
寧々が完全にガレージを出た後、僕は先程の発言をとても悔やんでいた。正直、寧々がわがままを言ってくれて、なかったことになる。なんて都合のいい展開を期待していたものだ。だが、そんな期待をよそに寧々は出ていってしまった。…だから寧々は優しすぎるんだよ…僕の意見のほとんどを受け入れ、尊重してしまうから。だから、寧々は出ていった。寧々のことをだれよりも知っていると思っているのにも関わらずあんなことを言ってしまうなんて…。寧々といると胸が張り裂けそうなほどドキドキしてしまう、から。だからやめようと言ったのに。寧々と2人きりの時間がなくなってしまう…と他の誰でもない僕が1番、寂しい気持ちになっている。はぁ、と僕は大きなため息をつき、気を紛らわすために作業を始めるのであった。
翌日
「ねぇ、類。これを寧々ちゃん家に届けてくれないかしら?」
「え?あ、あぁ、わかったよ」
「ありがとうね。」
「それじゃあ行ってくるね。」
「ええ。」
ピーンポーン
インターホンの軽やかな音色が鳴り響く。
ガチャ
「あ。」
「類。どうしたの?」
「これを、母さんに届けろと言われてね。」
「そ。じゃあ貸して。」
「いや、いいよ。重いから僕が家まで運ぶよ。」
「…いいの?これだったらまた気軽に行き来することになるけど。」
「…確かにそうかもしれないね。でも、寧々が怪我してしまっても困るし、やはり僕が運ぶよ。」
「あっそ。…で?それ、なんなの?」
「グレープフルーツだそうだよ」
「ほんと?!」
あぁ、そんなに可愛い顔をしないでくれ…また胸が鳴ってしまうじゃないか。そんなことを考えているうちに運び終わってしまった。寧々といる時間も、もう終わりだ。
「ねぇ、類。」
「なんだい?」
「運んでもらったしせっかくだから私の部屋来ない?お茶を持っていくよ。」
「えっ、いいのかい?」
「私から誘ってるんだからいいに決まってるでしょ。」
「フフフ、それもそうだね。ではお言葉に甘えさせてもらおうかな。」
「うん、じゃあ部屋あがろ。」
「あぁ。」
トントントントン…階段を登る度に音がなる。
「はい、類。入ってて。お茶取りに行くから。あと、”仲良くしてよね”」
「え?」
仲良くして、とはどういう意味だろうか。おずおずと寧々の部屋の扉を開ける。
「あっ、草薙戻った、の、か…?」
オレンジに黄が混ざった髪の青年。
「草薙じゃないな…。」
隣に青と水色がバランスよく入った髪の青年。
「「「誰だ…?」」」
続く!