続きだよー!
「「「誰だ…?」」」
部屋に3つの低い音が鳴り響く。
「類…?どうしたの?突っ立って」
「おっ、草薙戻ったのか。」
「待ってたんだぞ。ところで、誰なんだ?」
「え…?あぁ、変人ワンツーのツーの方の
神代類。って面識ないの?」
「ないな。」
「草薙は仲がいいんだな。」
ズキズキ。心が痛む。ここに居たくない、逃げ出してしまいたい。
「寧々、僕やっぱり用事が出来てしまったんだ。すまないけれど、帰るよ。」
「っえ?ちょ、ちょっと類!!」
「行ってしまったな…」
「ご、ごめん。変なとこ見せて。」
「草薙が謝る必要はないぞ。」
「ねぇ、ちょっともう1回待っててもらっていい?」
「草薙がしたいならいいんじゃねぇか?」
「オレも賛成だぞ」
「ん、ありがと。」
ガタン
少し乱雑にお茶の乗ったお盆をテーブルに置く。トントントントントン…さっき上がって来た時よりも少し早いペースで階段を下りていく。あの人の背中を目掛けて。家の外へ出ると、藤色がゆらりと揺れ黄金色の瞳が大きく見開かれる。「類」落ち着いた声でそう呼ぶ。黄金から一筋の涙が落ちたのを見て。
ーーーーーーー
ーーーーーーーーー
あの二人は誰だろう…呼びすてにされていたくらいだし、親しい関係なのは間違いない。
……こうやって気兼ねなく家に上がらせてもらえるのは、僕だけが良かったな。
ズキズキズキ。不規則なリズムで心がむしばまれていく。へたり。あの子の、寧々の家の前でちからなく崩れ落ちる。あの子に会いたい。先程僕から逃げ出したのに。ずるすぎる。だから僕にはあの子に会う資格なんて…資格、なんてッ
ガチャ
振り返ってしまう。
「類」
ふわっと、僕の心をむしばんでいたものが。感情が消えていく。君の声は優しすぎる。さらりと頬に冷たいものが触れた感触がして。情けないな。本当に、僕は。
「類、泣かないで。」
そっと涙を上書きするように寧々の手が頬に添えられる。温かい。今は添えられた手を離したくなくて、重い腕を持ち上げ寧々の手を握る。
「きゃっ!?」
可愛い悲鳴がすぐそばであがる。見上げた先のアメシストが、まあるく見開かれて。
「可愛い」
「っえ?今日の類、なんか変。」
「いつも、通りだよ。」
「そお?」
「ねぇ、寧々。」
「なあに?」
次の言葉が出てこない。でも答えを正したくて。それでも寧々から返ってくるかもしれない答えに怯えて。でも、ここで言わなければ、ずっとこの気持ちに踏ん切りがつけられず、未練たらたらになってしまうかもしれない。寧々の恋の邪魔を。
「あの二人は…彼氏かい?」
「は?え、違うし。それより、2人いる時点で可笑しいでしょ」
「そうだけれど…きみは可愛い、から」
「ほんとにさっきから何なの?」
「私はあの2人と付き合ったりなんてしてないからね。わたしは今、類の傍にいる。」
「大丈夫だから。本当に、泣かないで、類。」
目の前の浅緑が。風にたなびいて、僕を取り囲む。背中にまわされた細い腕がシャツをきゅっと握る。その、大胆な行為に頬がぽっとあかくなる。寧々にはその素振りがないけれど。
「ね、ね…僕は寂しかったんだ。寧々に昨日もう、ガレージに来ないで欲しいと言ってしまって、それを寧々が受け入れて…」
「うん、うん。落ち着いて。大丈夫だから。誰も類を咎めたりはしないから。」
そういってぽんぽんと軽く頭を叩かれる。
「寧々。僕のこの気持ちをきみに…君に受け取って欲しいんだ。」
「僕は…寧々が」
今の僕が次に出す言葉は。寧々の手を丁寧に振りほどいて。輝くアメシストを____寧々の瞳をみつめて、次の言葉を出す。
コメント
3件
( 'ω')ふぁっ?? 尊すぎるなんて聞いてない! 続き今日出してくださi(((((((殴