第65話 「回り始めた歯車」
「はぁぁぁぁぁぁ」
とある大学の構内にある、カフェテリア。
参考書片手にレポートに向かう学生や、お茶を飲み語らう学生の姿がある。
後者だった鞘佳の顔は絶望に満ちており、その頭を丸テーブルの上にごろんと転がしていた。
「……さやちゃん、そのため息のつき方この数か月でもう何回目?」
その向かいには、一人の青年が座っていた。
中性的な顔つきはどこか小動物を思わせ、庇護欲をそそる。
普段は穏やかな顔つきが、今は鞘佳を見て苦笑を浮かべていた。
萩(はぎ)野(の)浩(こう)二(じ)。
鞘佳の同期生で、今一番彼女と話す機会が多い相手だった。
「……なんの話」
「その投げやりで大げさなため息ついてるときって、また同じこと考えてるでしょ?」
「だって」
そこまで言って、鞘佳は口を噤んだ。
――楓に介抱されて数か月。
何度か同じ道を通ったが、再び会*********************
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