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「え?花屋さんを辞めるの?」
私は彼と来た水族館の三階分ぐらいあるガラスの向こうで優雅に泳ぐ魚達から目線を離し、すぐ後ろに立っている柚彦君を見た
「辞めるんじゃないんだよ、もともとはあそこの花屋さんのオーナーは僕のジムのオーナーの奥さんで、花屋さんはいわば少しの間の手伝いなんだ 」
水族館デートに持ってきたお弁当が入っているランチバックを肩にさげて、柚彦君が私に言った、さっきからスマホでずっと私ばっかり撮ってる
「じゃぁ!あなたはもともとはジムのトレーナなの?その割には全然ムキムキじゃないのね」
「トレーナー・・・うん・・・そういうことになるかな?でも花屋も週の半分は出勤することにはなっているよ、試合まで・・・・いや・・その当分はちょっとジムの方に出勤するけどね」
彼が続ける
「そうなんだ!最近ではリモートワークが流行ってるからみんなジムで体を鍛えるものね〜 」
そこでハッと口をつぐんだ
「え?何?鈴ちゃん?」
彼が険しい顔をする
「そうだ!私も柚彦君のジムでトレーニングしてもらおうかしら? 」
「ええ?ダメだよ!鈴ちゃんが格闘技なんて――あ!いや・・」
彼はうろたえ首を振った
「近頃なんだかお尻にお肉がついたなって思ってたのよ、なんかの動画で見たけど美尻トレーニングっていうの?あれをやってみたいなと思っていたの、なんかマシンを使いたいわ 」
あきらかに柚彦くんがホッとした顔で言った