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※こちら、昨日の深夜書いて続きが思いつかなかった没の小説
運命なんてないのかもしれない。
君と出会った時、僕は初めて人を好きになった。
一目惚れと言うやつだ。
名前すら知らない赤の他人なのに、見ただけで好きになるなんてないと思っていた。
白い肌に、黒くて長い髪の毛。
清楚な立ち振る舞いに、きっと皆が目を奪われただろう。
また、どこかで会えればなーと今でもずっと思っている。
恋に落ちて、1年…また1年…とどんどん月日は経っていった。
なのに、ずっと会えない。
いや、お互い名前も知らず、住んでる場所も何もかも知らないのだ。
“運命”の糸で繋がってない限り僕たちは永遠に会えない。
そんな現実には、目を向けたくなかった。
きっと、またどこかで会える。
君と出会ったあの日からそう信じていた。
真夏の暑さに僕は完全にやられていた。
今日は、僕が東京から引っ越してきてから初めてのお祭りがある。
青森の田舎で育った僕は、都会のお祭りがどんなものなのかワクワクしていたのだが…
(流石、都会は人が多いなぁ…)
道は人で溢れかえっていて、屋台にはたくさんの人が並んでいる。
(こんな、人がいるとは思わなかったな…笑)
苦笑いをしつつ、心の中でそう思う。
来た道を引き返し、帰路につこうと歩き出す。
(この時間って帰れる電車あったっけ?)
そう思いながら、財布の所持金を一応確認しようとポケット漁る。
「あれ…?」
右ポケットに入っていたはずの財布がいつの間にか消えていた。
(終わった…)
きっと、あの人混みの中で落としてしまったんだろう…。
(どうしよ、)
「あの、どうかされましたか?」
僕が困り果てていたところに、同じ歳ぐらいの女の子が話しかけてきた。
「!」
女の子に顔を向けると、整った顔立ちに長い黒髪、そして少し暗めの水色の浴衣を身につけていた。
僕は、その姿を見て一目惚れしてしまった。
「え、えっと…財布落としちゃって…」
「え、!ホントですか…?」
「…はい、」
「もしかして、これとかじゃないですか?」
「え?」
彼女から差し出されたのは、僕が落としたはずの財布だった。
「こ、これです…!ありがとうございます!!」
「いえ、見つかって良かったですね。」
「じゃあ、あたしはこれで…!」
そう、僕に軽く会釈をしてその場から去っていった。
(え、あ…お礼とかすれば良かったな〜…)
(てか、あの人めっちゃ綺麗だったし名前だけでも聞けばよかった…)
そんな後悔もしつつ、その日は家に帰った。
あれから数年、最初も言った通り彼女とは会えていない。
(やっぱ、自分から会いたいとか思ってたら運命なんて現れないのかな〜…)
(って、今更だけど財布を見つけてくれただけの人を数年も好きでいる僕もなかなかやばいな…)
ピロンッ
「?」
スマホから通知音がなった。
スマホを見てみると、友人であるころさんからだった。
『こぉねもう○○駅に着いたけど、おかゆまだー?』
「え…?」
(やばっ、!ころさんと遊ぶ約束してるんだった…)
『ごめん、忘れてた…!今から行くね。』
そう、ころさんへ返信し、急いで着替え最寄りの駅へ向かった。
電車が来るまで、あと5分…
平日の昼間だからだろうか?
いつもよりも人が少ない。
「はあ…」
スマホ片手に、時間が過ぎるのをただ待っている。
「でさ〜…w」
後ろから誰かの笑い声が聞こえる。
「え…?」
声に聞き覚えがあり、後ろを振り向く。
「え、あ…何か?」
後ろにいたのは、ボーイッシュな女の子と紫色の髪を綺麗に伸ばした女の子だった。
「…す、すみません。人違いでした、」
僕は、小さな声でボソッと謝った。
「…あの」
「は、はい…!?」
「連絡先交換しませんか?」
「え…?」
ここから、続きが一切思いつかなかったのでおしまい。
続き書く気になったら、また短編小説のどこかの話で出すよ。
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