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炎煌国の王子は、他国の王子と旅をするそうです!?

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炎煌国の王子は、他国の王子と旅をするそうです!?

14 - 第13話 「霧の交易国家《ミストラル》」

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2026年01月10日

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第13話「霧の交易国家《ミストラル》」



霧の街を進む一行。

石畳の両脇には屋台が並び、香ばしい匂いが漂っていた。

「……甘い匂いしない?」

きゅーが目を輝かせる。

「するっす!でも俺はあっちの肉串が気になるっす!!」

そーザウルスが指差した先では、豪快に焼かれる肉が音を立てていた。

「任務中だぞ」

はるてぃーが呆れ気味に言う。

「一口だけ!一口だけだから!」

きゅーが両手を合わせる。

「……はぁ」

はるてぃーはため息をついたが、

その視線はどこか甘い。

「そーちゃん、落ち着け。走るな」

山田が肩を掴む。

「了解っす!」

その様子を少し後ろから見ていた、たくぱん。

(……変わらないな)

無邪気に食べ物に惹かれる姿。

計算も、恐れもない。

「……五分だけだ」

たくぱんが低く言った。

「え?」

全員が振り返る。

「補給だ。必要だろ」

「たくぱん優し……」

きゅーが言いかける。

「調子に乗るな」

即座に遮られたが、

視線はどこか柔らかかった。

「ありがとうございます」

ゆーまが丁寧に頭を下げる。

こうして、

甘い菓子と肉串に囲まれた、

短い休息が始まった。


休憩終了 ― 霧裂きの影

「……休憩終了だ」

たくぱんの一言で、空気が一変した。

その瞬間だった。

屋台の裏口から、青ざめた顔の店主が飛び出してくる。

「た、助けてくれ!!

裏の倉庫に……魔物が……!!」

霧が、ゆっくりと濃くなる。

石畳の奥、倉庫の扉が**ギィ……**と軋み、

中から“それ”が姿を現した。

影が獣の形を取り、

複数の赤い目がこちらを睨む。

「……魔物っすね」

そーザウルスが拳を鳴らす。

きゅーは一歩前に出て、笑った。

「旅にトラブルはつきものだよね!」

はるてぃーが一瞬たくぱんを見る。

――任せるのか?

だが、たくぱんは腕を組んだまま、動かない。

「……俺は出ない」

「え?」

誰かが声を漏らす。

「お前らの力で倒してみろ」

低く、試すような声。

「“七人で”だ」

一瞬の沈黙。

だが、次の瞬間。

「了解っす!!」

そーザウルスが前に出た。

「全員、配置につけ」

はるてぃーが即座に指示を飛ばす。

連携開始

魔物が霧を裂いて突進する。

「きゅー、撹乱!」

「りょーかいっ!」

きゅーが跳ねるように動き、

甘い声でわざと目立つ位置へ。

「こっちだよー!」

魔物の視線が一斉にそちらへ向く。

「今っす!」

そーザウルスが正面から突撃。

重い一撃で足止めする。

「ありがとうございます、援護します!」

ゆーまが距離を保ちつつ、

魔力の流れを制御して仲間の動きを補強する。

「……権力、使うよ」

山田が静かに呟いた瞬間、

周囲の空気が歪み、

魔物の動きが鈍る。

「効いてる!」

誰かが叫ぶ。

「畳み掛けるぞ」

はるてぃーが前に出る。

無駄のない動きで急所を突く。

残る一人も連携し、

七人の動きが噛み合った瞬間――

魔物は霧ごと崩れ落ち、

地面に溶けるように消えた。

戦闘終了

静寂。

「……やった?」

きゅーが首を傾げる。

「完全に消滅っす!」

そーザウルスが親指を立てる。

屋台の店主が震えながら深く頭を下げた。

「ありがとう……本当に……!」

その様子を、

たくぱんは少し離れた場所から見ていた。

「……悪くない」

その一言に、

誰も気づかない程度の小さな満足が滲む。

「だが覚えとけ」

たくぱんが言う。

「旅は、今みたいに甘くない」

霧の街ミストラル。

この出来事は、

ただの前触れに過ぎなかった――。



第14話 1/11 投稿予定

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