私の、過去——-。
私はずっと、1人だった。日向と会うまでは———-。
私に友達はいなかった。友達みたいな人はいたけど、信頼できず、価値観も違った。 私は周りに合わせて、会話していた。
ある日、人をいじめているグループ(加害グル)に入らされた私は、何もせず、ただその光景を見ていた。傍観者だった。でも、人に合わせる癖がついてしまっていて、被害者も、加害者も肯定してしまい、
「どっちの味方なのさ。」
と、言われてしまい、いじめのターゲットが、私になった。元被害者は、少人数の友達を作った。 孤立しているのは、私だけ。これで良かったのだと思う。先生に何か言われても、嘘をつき、加害グルと合わせれば、そのうち先生も諦める。簡単だった。
その後、今から2年程前。日向が転入してきた。 第一印象は、明るい人。私とは正反対で、普通なら関わりを持たない世界の人。当然、明るい方のグループに入る。そのグループは、加害グルだった。でも、見てるだけ。会話を聞いても、人と合わせているような話し方。——-私と同じ——-…でも、私は話さなかった。私と、同じようになるから。不幸になるから。しかし、この日常は、たったの6日で壊された。日向が、加害グルに、意見を——-文句と呼ぶに等しい——-言った。加害グルは、私を入れ、ターゲットを日向に変更した。——こうなることは、予想していた。この日の前日、私は、彼女と話したから。
「なんで、何も言わないの?なんで、話してくれ ないの?」
こう言われた。私は、
「独りなのは、私だけで良いから。みんな、幸せでいてほしいから。」
「ふーん。優しいんだね。」
初めて、優しいと言われた。
「私とは、大違いだよ。他人の顔色ばかりうかがっている私とは。」
「え?何も変わらないよ?私も、そうだから。」
「え?」
「自分の意見を、はっきり言ってみれば?私は、君を、独りにはさせないよ。」
「ありがとう!ちゃんと、助けてよね。」
「もちろん」
この会話があったから、日向は意見を言った。 私は、有言実行をしなければならない。独りじゃないから。立ち上がれる。
「どうして、仲間を傷つけるの?」
「こいつ、文句を言ってきたんだ。」
相手の怒りを、煽るように、私は口を開く。
「ふーん。それだけ?たったそれだけのことで人を傷つけるんだ〜。バッカみたい。」
「この…!」
教室は、静まりかえっている。
「ほ〜ら、そういうところだよ?そうやって、 人に当たって…何も、解決しないのにね〜。あ、君は解らないか!」
「解ってるさ!」
「解ってるなら、止めれば良いのに。解ってないから、そうやって、傷つけるんでしょ?」
「止めてよ…2人とも。」
誰かが、声を出した。
「止めてよ…。」
日向が、泣いていた。
「夜月、ありがとう。私も、独りにはさせないから。」
そして、加害グルの方を見て、
「もう、あなたたちとは関わらない。関わりたくない。」
と、はっきり言った。
こうして、私達は友達となった。私達は、とても似ていた。価値観や好きなものまで。そのなかで、違うことが1つ。 好きな時間帯だ。私は夜。日向は昼だった。——-多分、これが、昼と夜の魔法になった理由——-。
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