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「ヘーイ、キーパー! ここは俺だよ! 俺、俺! 俺にちょうだーい!」

キーパーが立ち上がってすぐ、エドが頭上で右手を振りながら、ぴょんぴょんと跳び跳ね始めた。叫び声は、どこまでも無邪気だった。

少し周囲を見渡した後に、キーパーは大きく蹴り出した。高く上がったボールが、エドの少し手前へと落ちていく。

落下点を読みながらエドは引き、中の桐畑にダイレクトでパスをする。

マークを振り切った桐畑は、ちょんと右側にボールを遣った。前に進むかのような蹴り真似を入れると、3番の重心がわずかに傾く。

桐畑は直ちに、右足の外側でエドにキック。来た! という風な喜色のエドは、左足で大きくドリブルを始める。

だが3番は、機敏に反応した。身体をぐっと前に倒して、スライディングを掛ける。

エドは、ぎょっとした面持ちになった。次の瞬間、3番の脛に左足が掛かり、胸を地面に突いた体勢でずさーっと倒れ込んだ。

3番の足の爪先が、ボールを押さえた。瞬時に立ち上がった3番は、近くの選手にパスを出した。

(際どいが、ボールに行ってるしノー・ファールだ。ってか今のタックル、エドに匹敵する神速反応だよな。ポルトガルは、マルセロだけじゃないってか。そう来なくちゃあ面白くねえよなぁ)

気を引き締める桐畑は右手を口に当てて、エドに注意を促す。

「エドー! マルセロも半端ないけど、お前のマーカーもかなりの遣り手だぜー! 足だけじゃなくて頭もフル回転させて、賢ーくプレーをしてこうやー!」

グラウンド中に、ぴりっとした声が響いた。桐畑は、元気がいっぱいの返事を予期していた。

しかし、エドは倒れた姿勢のままだった。心なしか、身体がふるふると震えているようにも見えた。

少し引っ掛かる桐畑だったが、すぐに向き直って、ボールの行方を追い始める。

時空超越ストライカーズ!~A Football Tale in Great Britain~

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