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リハーサルが終わり、楽屋に戻ると、メンバーがそれぞれ自由に過ごしている。
岩本くんは、ストレッチをしながらふっかさんと談笑していた。
(……また見ちゃってる)
何気なく視線を落としながら、それとなく岩本くんの方を見てしまう。
ふっかさんと話している時の、少しくだけた笑顔。
トレーニング後の汗が引いた状態でも、まだほんのり火照っている肌。
無造作に結ばれた髪の毛。
すべてが、俺の心をざわつかせる。
「めめ、どうしたん? なんかボーッてしてへん?」
急に康二に話しかけられ、ビクッとする。
「えっ? いや、何でもないから」
「最近たまに変な顔しとるで? 大丈夫なん?」
「変な顔って……」
「ほら、今もなんか悩んどるやん!」
康二がニヤニヤしながらツッコんでくる。焦りながら、無理やり笑顔を作った。
「いやいや、普通だから」
「ふーん? まあええけど」
康二は怪しむような視線を向けたあと、「ま、今度飲みにでも行こな!」と軽く肩を叩いて離れていった。
(危なかった……)
メンバーには絶対に悟られたくない。でも、康二の言う通り、最近はどうしても態度に出てしまっている気がする。
(俺、もっと普通にしないと……)
そう思いながらも、岩本くんが楽屋の隅でタオルを首にかける仕草をするのを見て、また目が離せなくなる自分がいた。