「ねぇ…圭兄……」
「どした?」
僕は詰まり詰まり嗚咽混じりの声で兄にこうきいた。
「僕の…僕の存在意義って…ひっく…なんなの?」
兄は少し黙った後、
「お前の存在意義は、」
「俺やリリィちゃんを幸せにすることができることだ。」
「……え?」
涙が止まらなかった。
こんな僕でも圭兄やリリィを幸せにすることができるの?
僕にもいきる理由、存在意義があったんだ……
僕はもっとリリィと圭兄と一緒にいたい、
もっといっぱい好きなことをしたい
でも死んでしまったら二度と叶わない、
でも、この辛い虐めというものからは解放される。
絶対にお前を一人になんかさせない。」
そんなこと言わないでよ……
圭兄は幸せになるべき存在なんだよ?
でも僕は……
圭兄の顔を見ると涙でぐしゃぐしゃだった。
そんな兄を見て、僕は更に声をあげて泣いてしまった。
僕と圭兄は落ち着いた後、一緒に朝食を作り、一緒に食べた。
今日は兄が僕のために大学を休んでくれる。
行きたくない学校にも圭兄が付いてきてくれ、校長に事情を話し、授業などに付き添ってもいいという許可を貰った。
今日はリリィも来ていたため、三人で屋上で昼食を取った。
今朝の出来事を圭兄と一緒にリリィに説明した。
リリィは
「私も雪斗君が死ぬのなら一緒に死ぬよ」
と真剣な眼差しで言った。
僕は
「リリィまで……僕なんかに合わせなくても」
リリィは遮るように
と涙をぽろぽろと溢れされながら、訴えかけてきた。
「雪斗君がいなかったら私は何を信じていけばいいの?」
「これ以上大切なものを失いたくないの!!!!!!!」
「私はずっと雪斗君のことが好きだったし、雪斗君との時間が何よりも楽しかったっ!!!」
僕が片想いと思っていたものは、全くの別物だったみたいだ……
「リリィ……リリィ僕はずっと君のことが好きだったし、僕も君との時間が何より楽しかった!」
「でも……もうこの辛い現実に終止符を打ちたい…」
リリィと圭兄は
と言った。
三人でフェンスの向こう側に立ち、景色を遠目に眺めた。
フェンスの内側からは僕を虐めた奴ら、第三者、教師等が野次馬のようにいたが、校長だけは優しい笑顔で、
「さようなら、そして、お疲れさまでした。」
と最後に「ごめんなさい」
といって別れを告げた。
僕達はせーので飛び降り、手を繋いで目を閉じた
最後に目を開けたときに見たのは二人の最高の笑顔だった。
さよなら、リリィ、圭兄
来世でもまた会おうね
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