コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
私には3人の兄と妹が1人いる。これからの話はそんな5人の兄弟の悲しく切ない物語だ。
私の名前は牧野カナ(まきのカナ)。
私は今公園のベンチで1人寂しく横になって寝ようとしている。私には3人の家族がいた。優しいお母さんとお父さん。そして4歳年上のお兄ちゃんだ。でも、お母さんとお父さんは離婚して私はお母さんにお兄ちゃんはお父さんについて行くことになった。お母さんと暮らし始めてしばらくして唐突に私はお母さんに捨てられた。帰る場所もないため仕方なく公園のベンチで寝ようとしているというわけだ。季節は春にも関わらず夜になるとまだ肌寒くなかなか寝付けないでいると、中年ぐらいのおじさんに声をかけられた。
「ねぇ、お嬢ちゃんハァハァもしかして家出してきたのかい?ハァハァ」
「、、、、、、」
息が荒く見るからに怪しいおじさん。私はいくつかの選択肢の中から無視という選択を選んだ。結果悪い方へと転がる。おじさんは私が黙っていることを肯定と捉え私の腕を掴みどこかへ連れていこうとした。私は抵抗したが小学生にもなっていない3歳の小さな女の子が大人のましてや男の人に勝てる訳もなく連れていかれそうになる。実際この後の記憶はあまりない。ただ、あの後連れていかれそうになっていた私を誰かが助けてくれたのだけはかすかに覚えていた。
目が覚めるとそこは知らない天井。知らない部屋だった。私はベットからおりると人を探すため1階のリビングらしき場所のドアを開けた。
「おっ、起きたか。」
「あの、昨日は助けてくれてありがとうございました。」
「あぁ。」
「「 、、、、、、 」」
気まずい、、、私は自分がここにいると迷惑がかかると思い
「とりあえず、私はこれで、」
と言い家を急いで出ようとした。すると
「おい、ちょっとまて!」
「何ですか?」
なんだろう。あっ、お金がいるのかな。そうだよね私なんかをタダで助けてくれて家にまで泊めてくれる人なんていないもんね。
「あっ、ごめんなさい。今はお金持ってなくて、、、お金はまた今度でもいいですか?」
「?お金なんて要らねぇ」
「とりあえず、少し俺と話さねぇか?」
私は少し頷きお兄さんの後ろについて行った。さっきのリビングで向かい合うように座るとまた少しの沈黙が流れた。
「「 、、、、、、 」」
すると
「俺の名前は佐野真一郎。」
「お前は?」
「私の名前は牧野カナです。」
「そうか。それで、何であんなくらい時間に公園に1人でいたんだ?親は?」
真一郎さんの質問に素直に答えるべきなのか悩んだ。でも、真一郎さんになら話してもいい気がした。
「私、お母さんと2人で住んでたんですけど、捨てられちゃって。帰る場所もないから仕方なく公園のベンチで寝ようかなって。そしたらおじさんが話しかけてきて連れ去られそうになりました。」
「、、、そうか。」
真一郎さんは私の話を聞いたあと少し考え事をし、誰かに電話をしていた。しばらく時間がたって真一郎さんが部屋に戻ってきた。
「カナ。」
「何ですか?」
「カナ、今日から俺らの妹にならないか?」
「え、、、い、いんですか?」
「おう!!」
そう言うと真一郎さんは太陽のような笑顔を私に向けてくれた。
その後すぐに真一郎さんはおじいちゃんを紹介してくれた。おじいちゃんから家の中と道場を案内してくれた。その後、私は少し部屋でゆっくりしていると、何故かおじいちゃんによばれたため道場に向かった。道場に入るとおじいちゃんが立っていてその前に真一郎さんとその横に見たことのない私と同じ位の身長の男の子が正座で座っていた。私も横に座るように言われたため、男の子の隣に少し距離をあけ正座で座った。それを確認したおじいちゃんに
「真一郎!!マイキー!!カナ!!」
「オマエらは今日から兄妹だ!!」
と言われた。その時の男の子の表情は正直何を考えているのかな分からなかった。
その後2人としばらく話していると真一郎さんの横にいた男の子は佐野万次郎ということ。私と真一郎さんは11歳、万次郎君とは1歳歳が離れていることがわかった。それから私は佐野家に佐野カナとして暮らすようになった。真一郎さんのことは真にぃ。万次郎君のことは万にぃと呼ぶようになり、最初は話にもついていけず苦笑いなどで過ごす日々だった。でも、真にぃ達の妹になって半年がすぎた今、私は心から笑えるようになった。おじいちゃんは少し厳しいものの普段は優しく私を気にかけてくれる。真にぃも万にぃも私に優しくしてくれた。私は今までに無いくらい幸せな日々をおくっていた。そう、
その日はいつも通り朝ごはんを作ってみんなで食べた後真にぃと万にぃは道場に行ってその間に私は家の掃除をしていた。掃除が終わったあと私がお昼ご飯をどうするか考えていたところにおじいちゃんから電話がきた。
「もしもし?おじいちゃん、どうしたの?」
『カナ、少し道場に来てくれないか』
「?分かった!今から行くね!」
私は急いで道場に向かうと立っているおじいちゃん。その目の前に正座する真にぃと万にぃと1人の可愛らしい女の子。おじいちゃんに座るように言われ私は女の子の横に座った。するとおじいちゃんは私達にむかって
「真一郎!!万次郎!!カナ!!エマ!!」
「オマエらは今日から兄妹だ!!」
と言った。真にぃと万にぃは2度目だからなのかあまり驚いていなかった。
私に妹ができた。