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なめくじ.
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ゆあ
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#きょくぱろ
あべさく正義♡
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あの時、君に伝えるべき言葉の正解が何だったのか今でも思い出せない。
ちょうど今ぐらいの時期の出来事だった。
忘れることなんてない。
あのときの記憶。
あの夏の日。雨が降っていた。
インターホンがなり玄関を開けると、
雨に濡れて、どこかふるえている彼女。
このままではよくないと思い、
タオルを取りに行こうとしたとき、
彼女は口を開いた。
君の口から聞くことはないと思っていた言葉
「…っ昨日、人を殺したんだ。
階段で突き飛ばしちゃったときそのまま落ちて
打ち所が悪かったの。」
世界から音が消えた気がした。
彼女の声は震えていたように思う。
突き飛ばしたというその人は、
いつも彼女をいじめる奴だった。
そのあと、
「もう、ここに私がいること、
できないっ、だからどこか誰も知らないとこで、
死んでくる。」
彼女はそういった。
振り向いてしまった彼女腕を掴み、
「僕も連れていって!」
反射的にそう、いっていた。
彼女は泣いていた。
僕らはすぐ街を離れた、
持ってきたのは財布とナイフ。
あとは暇つぶしの携帯ゲーム。
あの街に置いてきた日記やアルバム、
持ってこなくて良かった。僕たちにはもう、
必要のないもの。
僕たちの長い短い旅、
学生の僕たちがいけるとこなんて、限られてるけど、
それでも、二人一緒。
それだけでどこまでも行けるような気がしていた。
遠いとこまできた。
育った家。
生んで今まで育ててくれた家族。
仲良くしてたクラスメイト。
よくしてくれた人たち。
全部、全部全部
あの街に置いてきた。
二人の思いは一つだった。
遠くまで、誰も僕らを知らないところまでいって、
二人一緒にこの世界を離れること。
僕ら二人にはこの世界なんて価値はない。
僕は言った。
「人殺しなんて、世界にごまんといる。
君のひとごろしは、なにも悪くない。
君はなにも悪くないんだよ。」
彼女は、
どこか、遠い目をして、
悲しそうな、でも嬉しそうな
今でも言葉にできない。
そんな表情を、
そんな目を僕に向けていた。
「何で、きてくれたの?」
そう聞かれたから僕は、
「僕も理由がほしかったんだ」
それだけで通じた。
僕らは、愛に餓えている。
その共通点が、僕らをつないでいた。
線路の上でこの話をする頃には、
彼女震えは止まり、
手をつないで隣を歩いていた。
そんな穏やかな時間はすぐ終わった。
いきるために必要な事をしなければ行けなかった。
だから僕らは、金を盗んだ。
その後は、ただ逃げた。
額から流れた汗も、
ずり落ちたメガネも、
捕まりたくない僕らと、
捕まえなければならない警察との鬼ごっこ。
捕まれば、終わり。
だから僕も、彼女も、
この旅を終わらせないように、
ただひたすらに走った。
僕も、彼女もわかっている。
この旅が終わるのはもう近いと。
それでも僕らはまだ思い描いている。
助けてくれる存在を。
いつか現れ手を差しのばしてくれると。
わかっている。
僕らが一番知っている。
掴むことのできない、
星に手を伸ばすのと同じだと。
期待して、
待って、
現実を突きつけられる。
「今まで、助けてくれる人なんていなかった、
現実に、そんなっ幸せなんて、
どこにも!… なかったっ!!」
「だからみんないうと思うの、
自分は悪くないって… 」
初めて、彼女の気持ちを言葉にして伝えられた瞬間だった。
僕はただ、その言葉を、
静かに自分の中に落とし込み、
彼女の悲鳴を聞いていた。
その悲鳴は静かな夜の中に溶けてなくなっていった。
終わりがきた。
体は悲鳴をあげ、
頭には止まることなく蝉の鳴き声が響き、
世界が回って見えた。
それでも僕らは止まることはなかった。
いつものように話をしていた。
そして、見つかってしまった。
力が入らない体に鞭をうち、走り出した。
後ろに迫る、激しく響く声。
そこに、いつもの声色とは違う君の声が聞こえた。
凛とした、落ち着きのある声。
旅の始まりを告げたときと、
同じ声。
「もういい。そばにいてくれて、ありがと。
このたびは、私一人で終わらせる。
死ぬのは私一人でいいよ。」
穏やかな顔で、
彼女は自身の首を切った。
何が起きたか、理解できなかった。
先ほどまで数歩後ろを走っていた彼女は、
首から血が出ていて、転んだときのように前に倒れていった。
きずけば、鬼に捕まっていた。
先ほどまで僕らの数十メートル後ろにいたはずなのに、
夢を見ているのか、
体の限界で死ぬ間際なのか、
しかし、これだけは理解せざるを得なかった。
僕と彼女の、
旅がここでおわったことを。
戻ってきた。
育った家も、家族もクラスメイトもいる。
日記もアルバムもある。
彼女との旅の思いでも、
なのに、
……っ
彼女だけがっ…
戻ってこなかった。
何度夏を繰り返しても、
君だけがいない夏を今も過ごしている。
今年も、君が眠っている場所に手を合わせにいく、
いつも、君に問いかける。
君になんていっていたらよかったのか、
君のほしかった言葉は何?
いつも僕は思う、
誰もわるくないんだ、
君は悪くない
大丈夫
全部投げ出してしまおう
そういってほしかったんじゃない?
そういってほしかったんだろ、
なぁ!?
…返事はない。
だから、考えることしか、
思いをぶつけることしかできない。
だから、
僕がそっちにいったら、
あの夏の旅の答え合わせをしよう。
今回はカンザキイオリさんのあの夏が飽和するで小説を書きました、
これ男性目線のほうで書いたんですけど、
女性目線も書きたいなと思っていて、
みなさんの反応が良かったら、書こうかなって思ってます
コメント
1件
読み終わりました…🥀 「あの夏が飽和する」を下地にしたお話、すごく重くて綺麗で、胸がぎゅっとなりました。 特に終盤、彼女が「私一人で終わらせる」って穏やかに言って首を切るシーン、息が止まりました。 「君だけがいない夏」っていうラストの一文が切なくて、何度も読み返してしまいました。 男性目線だからこそ、彼女の脆さと強さが際立ってたと思います。 女性目線もぜひ読みたいです…!書いてくれたら静かに読みにいきます🌙