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「なんでそれを?」なかなかの圧だ。「おれが言ったんだよ。」前原がじっとみつめてくる。「はあーー、最悪ーー!!」足をバタバタさせている。「よりにもよって好きな人に知られるなんて…どうしよう。もう顔合わせらんないよお。葵、あんた覚えときなさいよ。なんでバラすのよお」「あの、、」「は!忘れてた…聞かれてない、、訳無いか。終わった…」まさかこれも本当だったとは。驚いた、いつからだろう「別にいいじゃん、好き同士なんだし。」!?
「なにバカなこと言ってんの!そんなことあるわけないじゃない!もう最悪…」 「前原さん…そのまさかです。」「え」「姉ちゃん良かったね。」「それ、本当?」「うん…」「いつから?」「半年前ぐらいから…」30秒ほど沈黙が続いた。「ねえ、岩野くん…」「ひゃい!」恥ずかし!思わず噛んでしまった。
「私たち婚約しない?」「は?」「私、そのね、ご存知の通り許嫁がいるの、お母さんもお父さんも彼氏がいる訳でもないからいいじゃないって。」「そうなのか」なかなかに自分勝手な親もいるもんだ。「だからさ、私と結婚して。」答えは決まってる「よろこんで。」「え、本当に?」「まじのまじだが?」断る理由もないだろう。それに、「前原が他のやつと結婚するなんて絶対嫌だ。」「やったあああ!!絶対断られると思ってた!嬉しい!というより、諦めるために振られようと思ってた。」家での印象は学校とは大違いだ。学校ではすごく大人しいイメージだったが、家ではちゃんと女の子だ。 「とにかく、これからよろしくね」「ああ、よろしく頼む」
ガチャ、玄関のドアが開く音がした。「ただいまー」「え!?なんでこんなに早いの!!」まずいな「あなた、だれ?」普通にバレた。
「私の彼氏です。」なんて堂々と言うのだろう。ついさっき付き合ったばかりだ。よくよく考えたらこんなにうまく言っていいのだろうか。
「嘘おっしゃい、どうせあなた、許嫁が嫌だからって、適当な男連れてきただけなんじゃない?」「いえ、お母さん、僕の名前は岩野龍也です。前原さんとは真剣にお付き合いをさせていただいています。結婚もするつもりです。」
あ、今やばいこと言ったな。もう遅い。前原は完全にショートしている。
「それ、本当?」「本気です。」「ふーん。あなたなかなか演技が上手ね」 これでも信じないのだろうか。「ならわかったわ。一年よ。一年一緒に暮らしなさい。」そんなの無理に決まっているだろう。まだお互いのことは学校でしか知らないのだ。相当イカれている。「やってやるわよ。望むところよ。ね、岩野くん」「お、おう!」なに言っちゃってるんだ、自分。何がお、おう、だよ!今すぐ撤回せねば。「そう、そこまでするのね、わかったわ。一週間後、みすずアパートに来なさい、そこで一年一緒に暮らしてもらうわ。それが出来なかったら許嫁の件取り消さないから。」