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ぬっこさんのリクエストで
あっきぃ×てるとです!
更新亀ですみませんー!!
最近のスケジュール表を見るたびに、てるとは少し息苦しさを覚えた。
以前は、ドラマや映画の端役で少しずつ経験を積んでいたのに、ここ数ヶ月はそういう仕事の依頼がめっきり減った。現場に行っても、なかなかまともな役をもらえない。
その代わりに増えてきたのは、AVの撮影だ。
経験が増えるごとに、自分の身体や表情を使った演技は少しずつ出来るようになった。
でも、心は少し揺れていた。仕事が増える嬉しさと、俳優としての自分を見失っていく焦りが、同時に胸を締めつける。
「これ、俳優としてのキャリアは大丈夫なのかな……?」
カメラの前で頬を染めて、セリフを言い、指示された演技を全力でこなす自分。
終わったあとに鏡を見れば、虚しさが少し残ることもある。
でも今は、与えられた目の前のことをやるしかない。
「今日も…やるしかない」
「えーー?!」
控え室の外から騒がしい声が聞こえたような気がした。足音も一緒に近づいてきて、まるで小さな嵐が自分の前に迫ってくるみたいだった。
「…ん?」
てるとは思わず肩をすくめ、耳を澄ます。
足音も一緒に近づいてきて、まるで小さな嵐が自分の前に迫ってくるみたいだった。
扉が勢いよく開いた。
両手を大きく振り、息を切らしながらも満面の笑みをこちらに向けてくる。
「てるきゅーん!!」
「ぅ、えっ、?あ、あっきぃ!??」
てるとは驚きとドキドキで、口が半開きになる。
「てるきゅん!めちゃくちゃ久しぶりじゃない?」
「えっびっくりした…本当、久しぶりだね、あっきぃ!」
あっきぃとは、昔の撮影現場で共演したことがあった。あの時はまだ新人だった僕をあっきぃは明るく気さくに話しかけてくれて、少しずつ緊張をほぐしてくれた。
撮影中も隣で笑顔を絶やさず、困ったときにはさりげなくフォローしてくれた優しい人物だ。
「共演者の名前見た時さ、俺マジびっくりしてさ!え、本人?てなった!」
「そうだよね、最後会ってから随分経ってるし…驚かせちゃったよね」
「流石に!笑でも、久々に会えて嬉しいよ俺は!」
あっきぃは昔と変わらない柔らかい笑顔でそう言って、少しだけ照れたように頭をかいた。その仕草に、胸の奥がきゅっと小さく鳴る。
再会した後は、撮影が始まるまで二人で控え室で待機した。懐かしさから自然と笑顔になったし、昔話にも花が咲いた。だけど、会話が途切れるたびに、あっきぃが何か言いたそうにこちらを見ては、結局言葉を飲み込むような仕草をしていて、やけに僕の様子を気にしていた。
「最近さ、仕事どう?」
「……まぁ、ぼちぼち」
そう答えると、あっきぃはじっと僕の顔を見てから、ふっとため息をついた。
「その“ぼちぼち”、絶対ぼちぼちじゃないやつじゃん」
「なにそれ、決めつけすぎ」
笑いながら返したけど、あっきぃは腕を組んで首をかしげた。
「だってさ、てるきゅん、昔はもっと目キラキラさせて“次はどんな役かな〜”とか言ってたのに、今ちょっと社会人疲れ顔してるもん」
「失礼すぎるんだけど」
そう言いながらも、図星で何も言い返せなかった。
「……ウワサ、聞いたんだよね」
「ウワサ?」
「最近、AVの仕事多いって」
一瞬だけ間が空いたけど、あっきぃはすぐに軽い調子で続けた。
「いや、責めてるとかじゃなくてさ!ただ、てるきゅん大丈夫かなって。なんかさ、心配になる顔してるときあるからさ」
「え、僕そんな顔してた?」
「してるしてる。本人だけ気づいてないタイプ」
そう言って笑われて、思わず吹き出した。
「なにそれ」
「でもさ」
あっきぃは少しだけ声を落として、それでも柔らかく言った。
「役者として不安になるの、普通だと思うよ。俺もなるし」
その言葉に、胸の奥が少しだけ軽くなる。
「……あっきぃに言われると、なんか安心する」
「でしょ?俺、安心担当だから」
そんなことを言いながらドヤ顔するあっきぃに、思わず笑ってしまった。
ちょうどそのとき、スタッフが控室の前を通りながら声をかけてきた。
「今日の撮影、もうすぐ準備入りますねー」
「あ、そうだ」
あっきぃが思い出したように言う。
「今日俺との共演だって聞いてた?」
「……ううん、詳しくは」
「俺は聞いてたよ。相手、てるきゅんだって」
「うん…」
「だからさ、さっき再会したとき、内心ちょっと思ったんだよね」
「なに?」
あっきぃは少し照れたように笑って、肩をすくめた。
「……これ、運命かもって」
「はぇ?」
思わず声が裏返ると、あっきぃは楽しそうに笑った。
「いやいや、冗談冗談。でもさ、何年も会ってなかった相手が、同じ現場で、しかも今日の相手役ってさ。漫画かよって思わない?」
「た、たしかに…?」
「でしょ?だから俺、今日はちょっと気合い入ってる」
「えっ、」
「……ほら、行こ?」
そう言って向けられた笑顔が、妙にまぶしくて。なぜか胸の奥が、少しだけ騒がしくなった。
ロケ場所へ向かう直前、スタジオの外扉が開くと冷たい空気が一気に流れ込んできた。
誰かが「さむっ」と声を上げ、スタッフが慌てて扉を閉める。
その様子を見ながら、僕はコートを羽織り直した。
「外寒そうだね……」
「外歩くシーンあるって聞いたときから、絶対寒いと思ってた」
そう言いながら、あっきぃは自分のマフラーを巻き直して、そのまま僕の方をじっと見る。
「なに?」
「いや、てるきゅん、薄着じゃない?」
「一応、コートだし、衣装だから」
「え、言っとくけどガチ今日寒いよ」
そう言って、あっきぃは何の躊躇もなく、
自分のマフラーの端を持ち上げて、僕の首元にかけてきた。
「あっきぃ!?」
「てるきゅん寒がりでしょ」
「でも…恥ずかしいこれ」
「今日俺たちは友だち設定だからセーフでしょ」
マフラー越しに伝わるあっきぃの体温が、妙に近くて、鼓動が速くなる。
二人で外に向かう通路を歩き始めると、夜風がさらに冷たくて、肩をすくめる。
「さむっ…」
夜の風が、すーっと肌を刺す。
冷たさに思わず肩をすくめた瞬間、隣にいたあっきぃが、ふっと僕の手を握ってきた。
「……え?」
思わず声が出る。でも、握られた手はとても自然で、あっきぃは少し微笑みながら、僕の手を自分のコートのポケットに導く。指先の感触、柔らかくて、でもしっかり温かい。
手をポケットに入れると、あっきぃの体温に包まれる感覚がじわっと広がった。
「ち、近くない、?」
「役だから、自然な距離感で」
「役って…便利な言葉じゃん、それ」
「あ、ばれた?」
くすっと笑うあっきぃの顔が、すぐ横にある。
息がかかりそうなくらい近くて、思わず視線を逸らす。歩幅を合わせて、マフラーでお互い巻かれていることによって肩と肩も少し触れるくらいの距離。
外の冷たい空気も、手の温かさも、全部入り混じって、まるでこれじゃあ、
「…僕たち付き合ってるみたいな絵になってない?」
「…あはは、確かに!」
「僕たちの役の設定は友だち関係でしょ?」
「じゃあ、めっちゃ最強に仲良し友だち設定てことで!」
「アリなの?それ笑」
その言葉にくすっと笑った次の瞬間、あっきぃの表情が少し変わった。
ふざけている時の軽やかな笑顔が薄れ、代わりに真剣な目になっている。
「でも、友だちとの一線を越える話」
「……えっ、」
「でしょ?今回の撮影」
あっきぃは視線を逸らさず、僕をまっすぐ見つめる。握られた手も強くこめられた気がした。
「仕事でもさ、俺、てるきゅんが嫌がることはしたくないからさ」
「…」
「今ならまだ引き返せるけど、平気?」
僕は小さく息を吸い込んで、言葉を探そうとしたけれど、何も出てこなかった。ただ、握られた手に軽く力を返して、静かに頷いた。
◆◇◆◇
居酒屋をイメージとした店内では、グラスの触れ合う音と笑い声が途切れなく響いていた。久しぶりの同期たちとの再会、いわゆる同窓会のシーンから撮影が始まった。席は、自然と肩や膝が触れそうな距離感で、隣の人の声がはっきり聞こえるくらいの近さ。同窓会にはちょうどいい、騒がしいけど、どこか落ち着く空間だった。
誰かの昔話に、笑い声が重なる。僕も相槌を打ちながら聞いていたが、自然に視線は目の前にいる人へと向く。
そのテーブルの一角に、僕とあっきぃは向かい合って座っていた。正確には、完全な向かいというより、少し斜めの位置。話すときに自然と視線が合って、料理を取る時には手が触れそうになるくらいの距離だった。
「てるきゅん、ちゃんと食べてる?」
「…うん、食べてるよ」
「ほら、唐揚げいる?」
あっきぃは、グラスを片手に楽しそうに話しながらも、時々、僕の方をちらっと見て、料理を取り分けてくれたり、空いた皿をさりげなく端に寄せてくれたりしていた。
「あっきぃペース早くない?」
「んぇ?そう?」
あっきぃのグラスは、いつの間にか二杯目、三杯目に変わっている。なのに、顔色も話し方もまったく変わらない。その様子を見ながら、僕は自分のグラスにまだ半分以上残っているお酒を見下ろした。
「てるきゅん、全然減ってなくない?」
「うん……ゆっくり飲んでるだけ」
「それ、ほぼ飲んでないやつでしょ」
「……実はお酒あんまり飲めなくて」
「あ、弱いの?」
「弱いっていうか……普通に顔赤くなるし、頭ふわふわするし、歩けなくなるし」
「全部アウトじゃん」
あっきぃはそう言って笑いながらも、
僕のグラスを見て、少しだけ声のトーンを落とした。
「無理しなくていいからね。今日は楽しくいればいいじゃん」
「うん…」
「でも、てるきゅんの酔ったところちょっと見たいけどね笑」
「な、なんでよ」
「んー、知りたいから」
曖昧に笑われて、それ以上は聞けなかったけど、その一言だけで、胸の奥がじんわり温かくなる。
グラスの中の氷が、カランと小さく音を立てた。飲んでいたお酒はほとんど空になっていたところで頭の奥がほんのりふわっとしている感覚に気がついた。
――あ、これ、ちょっと回ってきてるかも。
僕は元々お酒が弱い。役の設定とか関係なく、これは完全に素の僕の体質だ。少し飲んだだけで頭がふわふわして、ちゃんと座ってるのに、心だけ先に浮いていく感じになる。頬が少し熱くて、視界もいつもより柔らかい。そんな感覚になっていると、隣にいたあっきぃが、じっと僕の顔を覗き込んできた。
「……てるきゅん、顔赤くない?」
「ちょっと、酔っちゃったみたいで。」
そう言いながら、あっきぃは自分のグラスを置いて、声のトーンを少しだけ落とす。
「そろそろ帰る?」
「…うん、悪いけど、そうさせてもらおうかな。」
そう言って立ち上がろうとすると、視界が揺らぎ、体がぐらついてバランスを崩しかける。
「あぶなっ!てるきゅん、大丈夫?」
隣であっきぃがすっと手を伸ばして、軽く肩に手を添えた。その距離感に、ふっと心臓が跳ねる。
「ちょっとだけフラッときただけだよー…大丈夫」
「はいはい、そういうのは聞きません」
そう言って、僕の手を引いてあっきぃは周りに「先帰るねー」と軽く手を振る。
店の外に出ると、夜風が思った以上に冷たくて、歩くたびに髪やコートの裾がぴゅっと揺れる。
頭の奥も、ふわふわと軽くなって、普段より少し意識がぼやける中、強い寒気に襲われた。
「大丈夫?」
「ん、」
体を縮めると、あっきぃは眉を寄せて、真剣な目で僕を見つめた。
「……このまま歩き続けるのは危ないかも」
「え?」
「酔いも少し回ってるし、この強風だし、ちょっと休もう」
「休むってどこに、?」
「……こっち。」
ドアが静かに閉まると、外の強風と冷たさはすぐに遮断されて、温かい空気が体にまとわりつく。部屋はムードのある照明が柔らかく部屋を包んでいた。
壁やカーテンはダークブラウンや深い赤系で統一され、ちょっと特別な空間になっている雰囲気。
中央に大きなダブルベッドが鎮座している。
「ふぅ……やっと落ち着いたね」
「ここって…」
「ごめん!咄嗟に休めるところが此処しか思いつかなくて…」
僕は少し間を置いてから、素直に頷く。
「ううん、僕のこと心配してくれたの分かってるから…ありがとう、あっきぃー…」
部屋の照明は柔らかく、赤みがかった光が僕たちを包む。ベッドに座るあっきぃと、少し離れて立っている僕の距離は、普段より近く感じる。
「お風呂溜めてあげるから、てるきゅん入ってきな?体温まりたいでしょ?」
「……うん、」
「まだ、酔い回ってる?」
「うん、少しー。」
「…てるきゅんも座って」
僕は小さく頷き、ベッドの隣に腰を下ろす。
ふわりと温かい空気と柔らかい光に包まれ、外の冷たい空気とはもう遠い世界のように思える。
「…ちょっと、休む?」
あっきぃは軽く笑って、ベッドに腰かけたまま隣で座る僕を見つめる。その視線に、胸がざわつく。視線が交わる時間がゆっくりと流れている感覚に、ああ、本当に酔いが回ってるんだ、きっと。そう心に言い聞かせる。
「…てるきゅんの顔好き。」
「…へっ、?」
「笑った顔とか、コロコロ変わる表情とか、仕草とか、優しいところとか、昔からめっちゃ好きだったんだよね…。」
「急になにー、?恥ずかしいよあっきぃ…」
「すぐそうやって頬赤らめて照れてるとこも好き…」
「…あっきぃが変。」
「ははっ、俺も酔ってるわ!」
「……ほんと、変なこと言わないでよあっきぃ……でも、なんか嬉しいかもー笑」
思わず目を逸らして照れ笑いを隠す。酔いと羞恥で僕の顔がいつも以上に火照っている。
「…ねぇ、俺以外の人と飲む時もそんな感じになるの?」
「んー…普段飲みに誘われても僕あんまり飲まないし、酔わないようにしてるんだよね」
「じゃあこの先もそうしてよ」
「んぅ?」
「酔ってる時でさえ可愛いんじゃ、困る」
「…ふふ、なんであっきぃが困っちゃうの?」
あっきぃの目は真っすぐ僕を見ている。
「だって、こんなに可愛い顔で照れられたら、俺、どう反応していいかわかんないもん」
突然低くなる低音ボイスにドキッと心臓が高鳴って火照った頬を手で覆う。
「……あっきぃ、ずるい……」
指の隙間からそっと様子を窺うと、あっきぃは笑っていない。さっきまでの軽い冗談みたいな空気じゃなくて、真っすぐ、逃がさないみたいな視線で、僕を見つめている。
その目に捕まって、息が浅くなる。
「てるきゅんさ、無防備なんだよ」
低く落ち着いた声が、静かな部屋に溶ける。柔らかい間接照明が、あっきぃの横顔に影を落として、いつもより少しだけ大人びて見えた。
ベッドがわずかに軋む音。
気づけば距離が、さっきよりもほんの少し縮まっている。
「……俺、今けっこう本気で困ってる」
冗談っぽく笑うでもなく、ただ静かにそう言われて、胸の奥がきゅっと締めつけられる。
あっきぃの手が、そっと僕の手に触れた。優しくて、確認するみたいな触れ方。指先が触れた瞬間、全身に熱が広がる感覚になる。ゆっくりとあっきぃの指が僕の手を絡めとる。
「てるきゅん…」
息がかかるくらい近くなって、あっきぃの視線が、僕の目から唇へとゆっくり落ちるのが分かる。
「…嫌なら、殴っていいから」
唇と唇が触れた瞬間、ふわっと甘いアルコールの香りが広がった。てるとは、自然に目を閉じてその瞬間だけ二人の世界になる。友だち以上の気持ちが、確かに形を持ったように。
「んっ…」
優しい触れ方から角度を変えてキスを繰り返し、互いの呼吸が混ざり合っていく。少し苦くて甘いアルコールの味が熱で溶かされていくような感覚になる。
「ン、ぁ…」
「……まだ」
低く囁く声が一瞬、再び唇が塞がれた。酸素を奪われそうなキスにてるとの呼吸が荒く、声が漏れる。
「んっ、ぁ、ふっ…んぅ…」
背中に触れる手は優しく添えられているだけなのに、身を捩っても逃げ場を塞がれて身体を支えられている。
赤みがかった照明の中、あっきぃの視線が、ゆっくりと僕をなぞる。いつもの柔らかい表情とは別物の、静かに熱を帯びた顔に胸が高鳴って身体が硬直した。
あっきぃの指先が、僕の肩にそっと触れる。指先がコートの端を掴み、ゆっくりと力を入れて引き下ろす感覚に、胸の奥がざわつく。
「…っ、」
唇を離さず、あっきぃは片手で僕の体を軽く支えながら、もう片方でコートの袖を滑らせる。
布が肩からするりと落ち、そのまま背中まで丁寧に脱がせ、コートは床に落ちる。コートを脱がせると、薄く体に沿った細身のニットで、柔らかく、肌のラインをほんのり映し出す生地。
指先が肩に触れるとびくっとてるとは身体を震わせ、それを見てあっきぃは微かに笑みを浮かべた。
「あ…、」
漏れた声を遮るかのようにあっきぃ僕の唇を覆うように重なる。唇を深く重ねながら、指先でニット越しに肩や胸、お腹を撫でる。触れられる度に身体が反応してしまう。
「てるきゅん、反応してる」
耳元で囁かれると、さらに頬が熱くなり、目を逸らす。でもあっきぃは僕の頬に手を添えて視線を逃させない。そして再びキスを交わされた。
優しいキスは一瞬でそれがどんどん深くなっていき、何度も何度もキスを重ねてくる。
呼吸を整えようと僕が口を開けると、あっきぃの舌が侵入してきた。僕の舌を優しく絡め取って吸い上げる感覚に頭が沸騰しそうになる。
「ん、あっ…ぁ、ンんっ…」
舌と舌が絡み合う度にクチュ、と混ざり合う水音が室内いやらしく響く。
深いキスに溺れて堕ちてしまいそうになる。
ゆっくりと、あっきぃが離れると、名残惜しそうに唇の間に細い糸が光る。
キスの余韻が残る中、あっきぃの手がそっとてるとのニットの裾に触れる。ニットの中へ指を滑らせて
直接触れた肌に、ぴくりと体が震える。
「……冷た」
ニットの内側で、温もりを持った手が僕の腰に触れて優しく撫でる。
「寒いの我慢してた?」
さっきまでの熱を帯びた視線とは違う、少しだけ心配そうな目で僕を見つめる。あっきぃはゆっくり手を引き抜いて、代わりに僕を抱き寄せた。
「お風呂、行こっか。一緒に。」
浴室のドアを開けるとほのかに甘い入浴剤の残り香と、タイルのひんやりした空気が頬に触れた。てるとが小さく肩をすくめると、あっきぃが先に中へ入り蛇口を捻る。
空気が少しずつ温まっていく。あっきぃがシャワーヘッドを持って手のひらで温度を確かめて僕を誘った。
「洗ってあげる」
「いや…自分で出来る、よ?」
「座って」
バスチェアにてるとが腰を下ろすと、背後に立つ気配が近づく。シャワーを頭の上から流されて頭皮に温かいお湯が伝い髪を濡らされる。後ろで手のひらに出されたシャンプーを泡立てる音が聞こえてきて、指先が、そっと髪に触れる。泡立てるように指が頭皮をなぞる。爪を立てない、やわらかい指圧。円を描くようにゆっくりと。
「気持ちいい?」
「うん……」
丁寧に洗ってくれた後も、トリートメントで髪を馴染ませてくれた。少しずつ伸ばしながら、指先のその温かさと柔らかさが、髪の間を滑る。
「…きれいだね」
「…っ、」
「さらさらな髪も…この肌も」
「あっきぃ…」
「…身体も洗ってあげるね」
あっきぃが手で泡を作り、そっと背中に置く。てるとはドキドキと鼓動を抑えながら緊張した身体を預ける。
あっきぃの指先が肩甲骨をなぞり、背中へと手を滑らせる。あっきぃの触れる手の感触が温かくて気持ち良い。すると、あっきぃが後ろから抱き締めてきて、心臓が跳ねた。お互いの身体が密着して、肌と肌が触れ合う。
「ンあっ…あっきぃ…っ、」
あっきぃの手がてるとの脇を通って、指先で胸の周りを泡立てながら滑らせる。
「んあ…あ、あっ、」
「気持ち良い?」
「あ…んっ、やだ、聞かないでっ…、」
「ごめん笑 可愛くてつい」
「ああッ…!」
あっきぃが楽しそうな声で呟いて、てるとの固くなってきた胸の飾りを容赦なく指で摘んだり、コリコリ指で弾く。
「やぁ、…ん、ああっ、んああ…」
「乳首、弱い?」
「んふっ…ぅ、」
「可愛い…」
あっきぃが密着した身体を解放して、代わりにてるとをバスチェアごとタイルの壁に追いやる形にする。目の前にあっきぃが来て僕を見て優しく笑うとシャワーで身体を流してくれた。
洗い流すとあっきぃはすぐにシャワーを止めて床へ置き、そのまま僕の胸に顔を埋めた。
「ひゃっ…ぁ、あっきぃ…、っ」
あっきぃの舌が僕の胸の周りを円を描くように舐めてきて身を少し捻ってみても、背後にはタイルの壁があるだけで、逃げ場がない。
胸の中心にあっきぃの舌が伸びてきて、全身が痺れる様な感覚になる。
「ふ…ぁ……ッん、あっ…」
柔らかい舌触りの感触が気持ち良くて思わずあっきぃの頭に手を添えて抱え込む。てるとが快感に耐える可愛い姿にあっきぃも夢中で胸に吸い付く。口の中に乳首を覆った先で、舌で転がしてチュウチュウ吸って、甘噛みをすればてるとは一層高い声で喘いだ。
「んああ゛っ…ん、ひゃぁんぅ…!」
「……ほんと、可愛いね…」
「ンふっ…っ、」
「湯船、溜まったよ?入ろっか」
あっきぃに震えた腰を支えられて、湯船に足先からゆっくりと体を沈ませる。湯船の表面が、ほんのり淡い色に染まり、やわらかなミルキー系の入浴剤が溶けていて、白く霞んだ水面がゆらゆら揺れている。柑橘と少し甘い花の香りが、湯気と一緒にふわっと立ち上る。
「……?」
お湯がとろりとした感触で肌にまとわりつく。
さらさらと流れるはずの水が、指先にゆっくり絡むように残る。
「これ…何?」
腕を少し動かすと、水面が重たく波打ち、静かに揺れが広がった。肩まで浸かった瞬間、体に沿うようにぬめりのある感触が広がる。
まるで薄い膜に包まれているみたいに、温かさが逃げない。
湯気の向こうで、あっきぃがくすっと笑う気配。
「気づいた?」
あっきぃはわざとらしく咳払いをひとつ。
「こちら、ローション風呂でございます」
「は…?」
あっきぃは湯の中で手を動かしてみせる。水面がゆっくり重たく揺れる。
「水より粘度あるから、肌にまとわりつく感じがあるんだよね。保湿効果もあるし、冷めにくい。それから——美容効果もあるらしいよ?」
最後だけ少し得意げに言って、あっきぃがにやっと笑う。
「び、美容効果……?」
「そ。肌つるつるになるんだって。可愛いてるきゅんがいつも以上に輝いちゃうかもよ?」
「何言ってんの……」
「ほら、もうなんか肌がコーティングされてる感じしない?」
「それは単にローションでぬるぬるしてるだけじゃ……」
「違います〜、高保湿です〜」
笑った拍子に少し足を動かすと、とろみのせいでバランスが崩れかける。
「あっ」
その瞬間、あっきぃが支えて、てるとの腰に手が回る。
「滑りやすいから、気をつけて」
近い距離で、くすっと笑う声。
「あったかくて、美容にもいいし…距離も近くなれて、最高じゃん?」
「…っ」
「てことで、続きシていい?」
待ってと制止をする直前で口を塞がれた。あっきぃが角度を変えながら濃厚なキスをして、僕の逃げる舌を絡め取って吸い上げる。
最初から深くて溺れそうなキスに、湯気が立ち込める中、てるとの頬がじわっと赤くなる。
僕の体を反転させ、あっきぃが背後から抱きしめる。お互いにローションの滑りが絡み付いている肌に触れられただけで、ゾワゾワして、いつもより感じてしまっている…やばい。
「ん…ッ、ぁ、」
「てるきゅんの体えっちだね、」
あっきぃが両手でてるとの胸をなぞって、胸の飾りを指で弾いた瞬間、てるとの体はビクンッと大きく跳ねてお湯が波打った。容赦なく指で弾いては、摘む。ぬめりのお陰で先程より滑りが良くなって、コリコリと弄る動きが速くなっていく。
「ひゃぁああッ…、っ、ン、あっ…だめぇっ…」
ビクビクしながら悶える姿が可愛くて、ダメと言われてもやめてあげれそうにない。てるきゅんの首元から耳元を舌で舐め上げると、さらに高い声をあげて喘ぐもんだから、本当に、俺の理性が保たない。
「……我慢できなくなってきちゃった」
「ッ…!」
「てるきゅんの此処に、イれたい」
ナカを解そうと、てるきゅんのお尻を撫でた先の所に指をゆっくりと挿入させると、スムーズに入れることができた。てるきゅんも痛がる様子もなく、気持ち良さそうに体を預けてきてくれている。はい。何度目か分かんねーけどマジ可愛い。
「あっ、ア…」
「てるきゅんのナカまでヌルヌル…」
ローションをてるとのナカと一緒にかき混ぜるような動きをして、解していく。お尻の中に温かいモノが流れ込んでくる感覚に、てるとは震えた。
「ひゃアァッ、ァッ、あっんっ…ン、!」
「俺の指吸い付いて離れないよ?…えっち。」
「ンア、アはっ、ちがっ…ン」
「ほら、指増やしてもさ、全部飲み込んでいっちゃうよ?わかる?」
「ンアああっ、ああんっ、ア、」
「ね、気持ち良い?」
「…や、やぁっ…ッ」
「そっか、足りないんだ」
あっきぃの空いてる手で、てるとの固くなった性器を握る。ヌルヌルになった性器を上下に扱き始めた瞬間、てるとは身体を大きく跳ねらせて、仰け反ったまま達してしまった。
「イクところ可愛いー…」
「ぁ…っ、んン…っ、」
ピクピク震えながら痙攣している間も、てるとのナカの指を奥まで挿れていった。奥の敏感な部分をトントン叩けば気持ち良さそうに声を上げて、腰が揺れている姿。てるとだけの色気のある姿にあっきぃは魅力されまくっていた。
指を抜くと、あっきぃはてるとの腰を掴んで自分のモノを宛てがい、腰を降ろさせる。水中で、ローションの波と一緒にあっきぃの固くなった性器がナカへ押し寄せてくる感覚。
「ン…ぁああッ…あ、ん、ぁ…」
奥まで入れない様にてるとの腰を支えてゆっくり動かして慣らしていく。
温かい温度と優しくて心地の良い動きにてるとは、小さく声を漏らす。
「ぁ…、ぁ…ん、」
あっきぃは、がむしゃらに攻めることはせずにゆっくりとした一定の動きをひたすら繰り返す。あっきぃは敢えててるとを焦らすような動きで誘っていたのだ。てると自身ももどかしそうに腰が少し揺れていた。その姿にあっきぃは益々興奮してしまい、つい意地悪をしてしまう。
「てるきゅん…どうしたの?」
「っ…、」
「ねぇ」
「んああっ…っ」
わざと、分からないふりをしててるとの乳首を摘んで弄る。引っ張り上げた乳首をそのまま指先でコリコリ弄れば気持ちよさともどかしさで、てるとはビクビクと反応して、顔を赤くして涙目になりながら喘いだ。
「……ごめん、意地悪して笑」
「、や……」
「お願い笑てるきゅんのことちゃんと気持ち良くするから、聞かせて?」
「…うぅ、」
「もっと、してほしい?」
「…、」
「ん?」
「……………して、?あっきぃ。」
てるきゅんがこんな可愛いおねだりを見せてくれたら、それはもう全力で応えるしかない。
「てるきゅん立てる?あ、滑りやすいからきをつけてね?」
てるとが湯船から体を起こして壁に両手をつく。あっきぃが背後からてるとの腰を掴んでお尻を少し突き上げる様な格好にさせられて、てるとはドキドキと心臓が早まる。あっきぃの性器が挿入ってきて緩やかに動き出す。
「てるきゅん、好きだよ」
あっきぃは腰を引いて一気に奥まで突き上げた。欲しいものが奥まで届いて、てるとは声にならない程の刺激が押し寄せた。パチュン、パチュンとローションが絡みつく音が反響しながら。何度も激しく奥へ突いて揺さぶられる。
「ンアああッ…!あ、ア、んっ、ぁぁああっ、」
焦らされたところに何度も突かれてしまい、てるとは何度もイって、性器からは精液から透明な液に代わって浴槽の中へ溢れ落ちた。
「ヤぁぁっ…ああ゛ん、ぁ、あっ、」
「てるきゅん…」
「んあっ、ああ、お、ふろ、汚れちゃっ…」
「そんなこと気にして…余裕あるんだね」
「や、ン…そん、なんじゃ…ぁ、んっ」
「もっといっぱいイッていいよ」
腰の動きを緩めることなく、奥へ繋がる様にグリグリ捩じ込んでてるとを犯す。強い快感にてるとは目を見開き悲鳴のような声で喘いで、首を横に振って制止を訴える素振りを見せる。
ああ、もっと聞きたい。てるきゅんの可愛い声。
めちゃくちゃにしてやりたい。
背後から抱きしめて体を密着させながら前立腺に当たるように奥へ激しく突き上げる。
「やっ…あ゛ぁあ、ぁン、ア、ああんっ…!?」
「気持ち良いね、てるきゅん…」
「もうっ、や…、ぁぁっ!あ゛ぁん、あ…っ!」
「こっち…来て」
あっきぃの自身を抜いて湯船から上がると、立て掛けてあったマットレスを床へ敷く。てるとの手を引いて滑らないように体を支えながら湯船から上がらせた。マットの上にてるとを組み敷いて、てるとを見下ろす。瞳は涙目で頬は赤く火照っていて、小さく震えている。
ローション漬けによって肌はヴェールに包まれたような光を当てると艶々と透き通っている様で、あっきぃは魅力されて欲にかられた。
てるとの腰を引き寄せて、あっきいの昂った性器を一気に突き入れた。
「ひやぁあんっっ…!?ア…ぁあ゛んん、!」
「てるきゅん、の中、ぬるぬるすぎてさ、俺のが直ぐ飲みこまれちゃうの、ほら、」
「あっ…あ、だ…め!そんな、はげしく、しちゃ…ぁ」
「あは、笑。ごめん…良すぎてさ、聞けない。てるきゅんをもっと犯したい」
「ああアっ…!ン、やぁっ、!ああ…っ、んん゛あっ」
両足の膝裏を抱えて、ぐいっと左右に開いた状態でパチュン!パチュン!と腰で打ちつけて、てるとをさらに欲へと追い込んだ。深く、激しく、何度も突かれる度に甘い声を上げる。
「ひ、んっ、ぅ、やぁあ、ア、ぁ、ああっ…!」
「はぁ、マジでエロい、俺のこと煽ってんでしょ、」
「そんな、つもりじゃ…ァッあん、ンアああっ、!」
「ほらだって今、キュンって中締まったよ?」
「ふっ…ぅん、やぁ…だって、はげしっ…ぃ、よ、ンああッ…」
ローションやら愛液やらで体は滑り、てると緩みきっているナカを容赦なく出し入れを繰り返される。激しい快楽から逃れようにも、体を押さえつけられていて、逃げ場のない状況に支配されているように感じ取って、てるとはゾクゾクした快感に震えてしまった。
もっと、して欲しい
そんな思考に陥るなんて、きっと、まだ僕は酔ってるんだ。
パチュン、パチュン
「……っ♡」
もっと、
「……てるきゅん、顔。」
「…ん、ア」
「めちゃくちゃ、エッチな顔してる。」
「ぁ…あっきぃ、…」
「もっとシていい?」
「…ん、もっと。、欲しい。」
あっきぃの瞳が揺れる。不意を突かれた様な顔をして、はぁーーー、と下を向いて深く息を吐いた。
「……えっちなてるきゅん、可愛すぎ。」
入り口まで性器を抜いて最奥へ一気にズチュン!と突き上げると、てるとの体が大袈裟に跳ね、背を反らしながらピクピク震えていた。
そのまま激しく腰を揺らして何度も何度も抜き差しを繰り返す。初めは強すぎる快楽に逃げ腰なてるとだったが、今では欲に身を委ねていた。
「ンああぁぁっ!きもちっぃ゛ぃのぉっ…ん、あっ…ああ゛ぁぁっ…お、くぅ、奥がァッぁ…ン、あ」
「奥突かれるの、好きなんだねっ、」
「ああぁぁっ…そん、な、ンアぁあ、んっ、ぐりぐりぃ…それぇ…っ、こわれちゃ、う」
「でも、気持ちいいでしょ、これ?」
「ん、ふっ…こ、れ、やばぁ…ぃんああっ、っあ、」
「おれもさ、いきそ…」
「ンアああぁぁっ…」
「一緒に、イこ?」
「ァッああっ、ン、い、あ、んあっ、あっ、きぃ、ンアああっ、い、イッく、ん、ぁ、ああぁぁっ〜〜〜っ♡」
——ビュルルルル〜〜っ
お互いに勢いよく欲を吐き出して、てるとのお尻のナカからどろりと白濁が溢れ出した。肩を上下に揺らして荒くなった呼吸を整えながら、視線を倒れて動かないてるとへと落とす。イッた後の余韻で時折身を捩りながら、虚な目が上目遣いで見つめてきた。あっきぃは笑みを返して、そのままてるとにキスを落とした。
「まだ、欲しいよね?」
◇◆◇◆
「てるきゅん、のぼせてない?大丈夫?」
「うん…ちょっとだけ。でも酔いは覚めたよ」
撮影が終わった後、あっきぃはスタッフから2個分のタオルを自分が預かって、一つをタオルを広げててるとの体を包んであげた。
「無理させすぎたと思う。ごめん」
「…気にしないで?あっきぃ。」
てるとの濡れた体を優しくタオルで拭いながら優しく声を掛けるあっきぃ。昔と今も気遣いが出来て優しいところに心が自然と寄り添う。
「でも、てるきゅんマジ才能あると思う」
「何の?」
「……まあ、こういう仕事するとさ、色んな人とやる訳じゃん。演技じゃんそれは。…でも、てるきゅん相手だと調子狂う。」
「え?」
「演技のこと忘れそうになった瞬間多くてさ、焦った。」
「…、」
「本気で、抱いてたわ」
「ほ、ほんき、?」
「うん」
「え、えっと…(まあ、僕も毎回演技どころじゃなくなるんだけどさ…あっきぃ何か目が怖い…。。)」
「もう!だからてるきゅんずるいって!」
「ええっ?!」
「かわいすぎて!」
あっきぃが、もーーっ!とぷりぷりしながらも、てるとの体を労っていた。
あきてる万歳!
マジでこの二人好きやなぁ…
コメント
23件

コメント失礼します このシリーズほんとにすぎで、めっちゃ呼んでます!もう何回読み直したか分からないくらいです、それでリクエストしたくて、あとてるできませんか?でも、あとばう×てると君もいいんですよ… もし出来たらお願いしますm(_ _)m

コメント失礼します。いつもお話拝見させていだだいてるのですが、リクエストなどは受け付けておりますでしょうか?ばっと(ばぁうくん、あっとくん)×てるとくんを見てみたいなと思っております。遅くなっても構いませんのでよろしければぜひお願いします🙇♀️
時差コメです! 前回あきてるがでると聞いたときからずっと楽しみにしてました!! 毎度のように神作です(* >ω<) これからも応援してますo(≧∇≦)o