今日はやけに仁人の様子がおかしい。
 いつもの仁人なら軽く貶してくるが、今日はなんか…
 いや、別にあの仁人が好きって訳じゃないけど!?
 ってのは置いといて、今も絶賛俺の膝の上で寝転んでいる。
 
 「仁人さーん?何今日は」
 
 「いや別に」
 
 「その状態でいたら俺からのチューがくるぞ」
 
 「別にいいけど」
 
 「…え?」
 
 ほんとにいつもの吉田仁人?あのゴミを見るような目と突き放す口調の、、あの仁人さんですか…?
 
 「全部聞こえてるんですけど」
 
 「え、あぁ…」
 
 そういうと、上体を起こし俺に跨るようにして座った。
 そして静かに俺をじっと見つめている。
 
 「ほんとどーしたのよ」
 
 「ちゅーしないの??」
 
 「んぇぁ、!?お前、頭でも打った?」
 
 「打ってねぇよ。それより、んっ」
 
 「ちょっと待て。顔赤くね?熱あんじゃないの?」
 
 「ないって。」
 
 「ほんとに??」
 
 「…もういい。風呂入ってくる。」
 
 「え、あぁ、、行ってらっしゃい…」
 
 冗談交じりで言ったことに予想外の反応で只今混乱中…
 こんなこと今までにないし、この先も多分…ない。
 俺がキスをしなかったことに機嫌を損ねたのか、少々腹を立てて風呂場へ向かっていった。
 
 しばらくすると、いきなり物が崩れ落ちる様な大きな音が聞こえた。
 
 「え…?仁人〜?だいじょぶか〜?」
 
 呼んでも返事が来ず、一気に体の熱が奪われたような感覚になった。
 急いで風呂場に向かってなにふりかまわずドアを開ける。
 するとそこには床に倒れている仁人がいた。
 
 「おい、仁人!」
 
 「… 」
 「なんだよこれ、、めっちゃ熱いじゃん」
 額に触れてみるとやはり熱があった。
 急いでタオルで仁人を包み、ソファに運んだ。
 体温計を探し、熱を測ってみると39℃近くあった。
 
 「そりゃ、倒れるわけだわ…」
 
 「ん…」
 
 「お、大丈夫か?風呂場で倒れてたけど」
 
 「マジか…ちょっと頭痛いかな、、ごめん」
 
 「いや、別に大丈夫だけど…とりあえず薬と水持ってくるから、それ、服きちゃいな」
 
 「え、?あぁ、ありがと、助かる。」
 
 ってことがあって、せっかくの休みだっていうのに、一日中付きっきりで看病してたって訳。
 
 「そりゃ大変やったね笑お疲れ様勇ちゃん」
 
 「全くよ。ほんと誰かさんのせいで」
 
 「その誰かさんのせいですみませんね!!てか、今話聞いてて思ったけど、お前俺の裸みたの、?」
 
 「そりゃ、見ない方が難しくない?」
 
 「はぁぁ!?まじか…はず、」
 
 「何今頃恥ずかしがってんの?何回も見てんじゃんお前の全裸なんか」
 
 「勇ちゃんどういうことー?」
 
 「ん?いや、だから仁人抱いt…んっー!!」
 
 「お前ばか!!何言ってんだよ!舜太も分かっててさりげなく聞くな!」
 
 「笑笑笑ごめん」
 
 「あーほんと最悪…」
 
 「まぁでも良かったね!怪我とかなくて」
 
 「そこはまぁ、感謝してるよ。以後絶対に熱なんか出さないように気をつけます。」
 
 「別に出してくれてもいいんだよ?あんな仁人滅多に見れないから」
 
 「笑笑笑だってよ仁ちゃん」
 
 「いや、出さないです。」
 
 「勇ちゃん残念でした。 」
 「いや、いーよ別にぃ。いつでもベッドの上で見れるんで」
 
 「///…」
 
 「笑笑笑こわー」
 
 end.
 
 
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