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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
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教会を出てしばらくは、石畳と白い壁で統一された家が建ち並ぶ穏やかな町並みが続いていた。外を出歩く人も特に敵意を向けてくる様子は見られなかった。


グライスエンドの町は迷う心配が無いくらい道の数が少ない。一本道を進んでいるとようやく分かれ道が現れる。


どちらへ進もうかと一瞬悩んだが、


「アック、左の道が森が多くていいのだ。ウニャッ!」

「左か」

「アック様っ、右がオススメですよっ! わたしの勘は間違いなく右と出てますっ!!」

「勘か……」


二人から全く違う意見が出た。フィーサにも聞こうと思ったが、彼女は静かに眠っていて反応が無い。そうなると森を突き進むシーニャルートか、あくまで勘を頼るルティルートか迷うところだ。


二人をまたケンカさせるわけにはいかない――ということで、魔石に聞いてみることにする。専用魔石以外の魔石をシャッフルして地面に数枚ほど置いてみた。


【Lレア 軍団召喚の書 Lv.12】

【Lレア 英雄召喚の書 Lv.1】

【Lレア リチュエル・マント 特定の攻撃をはね返す Lv.–】

【Lレア シンヴォレオリング 契約効果アップ 幻獣効果アップ×2】


「これは随分と……しかも装備まで出るとは」


予想に反してバラエティ豊かなモノが出た。


「ウニャニャ!? アック、いつの間にガチャしたのだ?」

「アック様、良かったですっ! きちんとガチャしてくれたんですね~」

「ルティの方が先のはずなのに、悪い」

「いえいえ。わたしはきっとまだなので! それよりもっ! ヒラヒラなマントをおつけしましょうか?」

「じゃあシーニャは、アックの指にリングを入れるのだ!」


自分でつけられるものなのに彼女たちは張り切って装備をつけてくれる。召喚の書はすぐに消え、唱えるまでは顕現しない。


「ど、どうです~? 上手く着けられました?」

「まぁな。おれからはよく見えないけど……どんな感じだ?」

「ヒラヒラです! アック様にお似合いの藍色をしたマントですよ~!」

「藍色か。とことん水に縁がありそうだな」

「それはもうっっ!!」


自分の装備では無いのにルティはとても嬉しそうにしている。まあ、元々装備品に目が無い彼女だから無理も無いが。


「ウニャ、ウニャニャ……」

「シーニャ、リングは小指じゃなくて……」

「こ、これでいいのだ?」

「そうそう、中指くらいがサイズ的に丁度いい」

「ふむ、どっちも水色だからラピスラズリか。それにしても、マントと同系色とはな……」


身に着けている装備に合わせてなのか、そもそも水に守護でもされているのかは不明だ。着ている防具にはラーナたちが潜在しているが、もしかすればそれも関係しているかもしれない。


「どんな効果なのだ?」

「マントもリングも召喚に関係しているかな」

「ウニャ……またデーモンが来るのだ? デーモン、苦手なのだ」

「デーモンは呼ばないと来ないから安心していいぞ」


どうやら苦手意識があるようで、シーニャは思わず身震いを起こしている。明らかに怖がりを見せたのでおれはすかさず頭と耳を撫でた。


「フ、フニャ」


シーニャを撫でて癒されたので、そのまま森を抜ける道に進むことに。ルティの勘に頼っても良かったが、どうやらどちらに進んでも同じだったようだ。


「オマエが魔導の類?」

「――む?」


森を抜けるよりも先に何やら小さな者たち、それも五人パーティーが姿を現わす。


「小さい人間、弱そう」


そう易々とは通してくれないようだ。


「アック、シーニャが守る!」

「わたしも頑張りますよぉぉ!!」


シーニャとルティが戦闘態勢に変わるよりも先に、小さな者たちが動きを見せる。


「行くぞ、小さな人間。アック・イスティ!」


おれ狙いのようだが、この子たちが敵ということか?


「アック様が小さいならわたしなんて小石じゃないですか~!! そんなことを言うなんて、許しませんよ!」

Sランクパーティーから追放されたけど、ガチャ【レア確定】スキルが覚醒したので 、好き勝手に生きます!

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