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実際の人物、団体への批判ではありません
フィクションとしてお愉しみ下さい。
過度なショッキングな表現(モブの虐待死や薬物による中毒死、また受けが中絶手術を行った際の話等)や攻めを受けが殺す表現があります。
「医療は人を救うだけじゃない、、、医療は時に人の命を奪う。それなのに救い続ける意味が、僕には解らないんだ」
「貴方は必ず医者になるの!!」
辞めて、僕とには夢が、
「そんな下らない物辞めなさい!!」
唯一無二の楽しみだったのに、、、
「いい子ね。きっとお父さん達と一緒で良い医者になるわ」
うん、そうだね、、
幼少期。
私は両親の言うことを全て聞いて育った。
父親は神に授かりし右手を持つ名医と言えど裏では無関心で
母親は地元でも有名な程で優秀な看護師であるが、裏の顔はヒステリックだった
だから幼少期から母さんに父さんの後を継ぐように言われ、
無理矢理猛勉強をさせられ、都合の良い玩具 、ゴーゴリ家の子供であらせられ続けた。
夫婦仲も円満では無く、いつも両親は喧嘩していて離婚寸前だった。
でも、
私が医者を目指すと言えば二人は喧嘩を辞めてくれたから
みんなのためなら、いいんだ、きっと、これで、、、、
「は”ーッッ、、、は、ーッ、、、ッ、、、」
幼少期の悪夢に魘されて頬を伝い、冷や汗や涙が零れ落ちる
空はまだ薄暗く、時計を見ると午前3時を指し示していた。
出勤まではまだまだ早いのでぎゅっと目を瞑り
もう一度眠ろうとするが、早朝覚醒してしまった様で、一度醒めてしまった物は中々眠れず
ぼーっとただ六等星の煌めきが夜の淡さに呑み込まれるのを眺めているとまた、ツーっと頬を伝う何かを感じた。
「はは、辛いね、、、」
こんなのじゃ、医者失格だ、、、、
今日は夜勤じゃないけど、一寸だけ「ゴーゴリさん。
小児科患者の一人の病態が酷く衰弱していて、悪化してしまったんですが
こんな時間なのと、最近流行っているウイルスの対処で人手が足りなくて、来れそうですか?」
「うん。今、行くね」
簡潔に其れ丈話し、電話を切ると何時もより早く病院に向かう
車のエンジンを切り、、、、車のキーを抜き、病院に入ると中々忙しい様でバタバタしている
別の科のドス君もドス君で中々に忙しそうで、病室だけ伝えて足早に行ってしまった。
また誰か暴れたのだろうか
指定された病室にひっそり入ってみると、本題の彼は起きていたが、大量の冷や汗を掻き血反吐を吐いていた
彼にはもう残された蠟燭が少ない。
数ヶ月から人間の許容量を超えた痛みを味わってはモルヒネの副作用に藻掻き苦しむだけの生活
もうとっくに消灯時間で、窓から入る月光だけが照らす、
苦痛に歪む顔は正に医師としての精神を揺らがして来る
他人のエゴで死ぬことも出来ず、生かされて副作用に悶え苦しむだけなら
「なぁ、ニコラーシャ。私は、もうすぐ死ぬのだろう?」
医師らしからず、暫く言葉に詰まっていた私より先にまだ身体の小さな彼が問いを投げかける
「、、、、、、まだそうとは決まって無いよ」
此の言葉の中に、どれだけの嘘が隠されているのだろうか
もう既にその心拍は徐々に静かになり、終焉を迎えようとしているのに。
幾ら子供とは言え彼ももう小学校六年生。
流石に何かを感じ取った様で言葉を続ける
「、、、、お前の手で殺してくれ。どうせ死ぬなら其れが良い」
「そんな事、、、、、「頼む、これ以上苦しみたくないんだ、」
その言葉を切っ掛けに、ずっと疑問に思ってた死んだほうが楽なんじゃないか。という考えが頭に渦巻く
_______私に良く懐いてくれた明るく優しかったあの子は、最後モルヒネ中毒になり副作用で狂暴化し、殺してやると罵詈雑言を吐き捨て死んで行った
_______親から虐待されていたあの子は親元から逃げ出して自殺未遂した、それを私が助けてまた親に連れられて行った。
数日後、ニュースで虐待死したと報道していた
まだ幼い子供達にこれからもずっと、そんな重荷を背負わすのか?
気付いたら私は彼の首に手を掛け、馬乗りになっていて苦しそうに顔を歪ませる彼から目を背ける
「あ、、い、、、、、し、てる、」
完全に空っぽの冷たい肺から出されたのは枯れていてかぼそい今にも消えてしまいそうな声。
「ごめんね、、、、たすけられなくて、」
小さな弱った身体はものの数分で完全に活動をやめた
大昔から彼にされて冗談だと受け流していたプロポーズの数々は、本当、だったのかな、、、、
「ぼくもすき、、大好きだよ、」
こうなるくらいなら、直接言ってしまえたらどれだけ楽だっただろうか。
「、、、、、、ゴーゴリさん、どうするんです?」
患者の対応が終わったらしきフョードル君が患者のベッドに座り込む私を見て、何かを察したようで病室の壁に体を預ける
「どうって、殺人さ。通報したいなら通報したら良い
其れは正しい判断だ
まぁ、元々自首する予定だったけどね」
弐人に観せられる顔など無くそっと目蓋で歪む視界を隠し冷静を保つ。
しかし、其れに相反し死角で口角を上げる彼から放たれたのは同じ医師としても異質で異様な一言だった
「そんな事しませんよ。どう死体を隠蔽するのか聞いているんです」
まさか、犯行に加担するつもりなのか?と疑い、彼の瞳を見るが深海よりも深いパープルダイヤモンドは微動だにせず、瞬きすらしない
固まる私を無理矢理引き連れて彼が来たのは彼の自宅の一室で、ベッドと本以外何も無い質素な部屋で待つ事になった
きっと、遺体に残った跡の隠蔽だろう
そう思ったが中々帰って来ずやっと帰って来たのは、5時の事だった
どうやって隠蔽したか何て知りたくもないし、
突然あんな出来事が起きた為私自身も昏惑して何も話せない
が余りにも静かで落ち着かず、彼に問う
「ねぇ、ヒョードル君。[[rb:医療 > 僕ら]]は人命を救けるだけじゃない、そんなの綺麗事で、、、医療は時に人の命を奪う
それなのに人を救け続ける意味が、僕には解らないんだ、
医療を学ぶってのは人を殺す術を習うのと同義だと思わないかい?
実際、辛くて逃げ出した産婦人科にいた頃だって、、、何人も何人も親の顔さえ見たことの無い子供達を殺してきた。鉗子切開器具に耐え切れずバラバラになった身体を小さな瓶に詰めて、、命は金より重いって言うけど、金で奪える物が本当に金より重いのかな、?」
今迄見て来た惨状を胸に、全てぶち抜けた僕は彼の胸に抱き着く
少し驚いたようだったが、直ぐに華奢で筋肉質な腕が身体を優しく包みこんだ
多分、一生僕はこの問題から逃げられないのだろう
でもほんの一時の傷の舐め合いだとしても、僕は彼になら全て救済してもらえる気がした
「ヒョードル君、、、、、、、あいしてるよ、」
きっとこのまま僕は彼にずっと堕ちてゆくのだろう、
だから捨てられないように、今日も虚像の純愛を君に。