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pr なぁ、ちぐ
tg はい?
映画が始まる前、席についてポップコーンをつまんでいると、先輩が小声で話しかけてきた。
pr 怖い映画やけど、大丈夫なん?
tg えっ…!?
俺は思わず手を止める。
tg こ、怖い映画だったんですか?
pr せやで? 俺、ちぐがどんな反応するんか楽しみやったしな
先輩は意地悪そうに笑いながら、ポップコーンを口に運ぶ。
tg ~~ッ!先輩、わざと…!
pr ふふ、まぁまぁ、怖なったら俺がちゃんと隣おるし?
tg ッッ、別に怖くないです…!
pr ふーん?ほな、泣いても知らんで?
tg 泣きません!!
意地でも怖がらないと決意しながら、俺はスクリーンを見つめた。
そして映画が始まる。
tg ッッ⁉︎
暗い画面の中、突然大きな音とともに映し出された影に、思わず肩が跳ねる。
pr ふふっ
その瞬間、隣から小さく笑う声が聞こえた。
tg い、今のは、ちょっと驚いただけです…!
pr へぇ~?w
先輩がニヤニヤと俺を見るのが視界の端に映る。
tg ほら、集中して見てください!
俺は顔をそむけてスクリーンに意識を戻したけど、怖いシーンが来るたびに無意識に体が強張るのがわかった。
やばい、怖い……!
けど、ここで怖がるなんて言えない。
pr ちぐ?
tg な、なんですか…?
pr めっちゃ肩力入っとるやん
tg ~~ッ!!」
pr 力抜けへんの?
tg ぬ、抜けます!
そう言いながらも、次のシーンが気になって体がこわばってしまう。
すると、ふいに先輩の手が俺の手の上に重なった。
tg えっ!?」
pr 力、抜けや
低く囁かれて、俺の心臓が跳ねる。
tg ~~ッ!?
pr 怖かったら、握ってええで?
からかうような言葉のくせに、その手は優しくて、逃げようとしても指先が震えて動かない。
tg こ、怖くないです……
必死にそう言うけど、先輩の手を意識してしまって、映画どころじゃなくなる。
もう、どっちが怖いのかわからない!!
映画の内容が全然頭に入らないまま、俺はずっと先輩の手のぬくもりを意識し続けていた。
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