「じゃ、お疲れしたー」
レコメンを終え、Dとはこちゃん、その他スタッフさんに挨拶して文化放送を後にする。
今日は約1年ぶりにM!LKメンバー全員がゲスト回だったけど、あいつらほんとにうるさいわ。
リハ後の疲れたM!LKやっぱ、良くないわ。特に太智。あいつ、マジなんなん。
やっぱりM!LKメンバーは出禁だな。なんて考えながら、ロビーを抜けて出口に向かっているとロビーに設置されてるソファーに見知った人影を見つけた。
「佐野さん?」
そこには目を閉じてすーすーと寝息を立てている勇斗がいて。
「なにやってん?こいつ、疲れてんだから早く帰って寝てくださいよ…」
なんて、ぼやいていると携帯が通知を知らせる。
確認すると他のメンバーからで。
『はやちゃんと会えた?ちゃんと連れて帰ってね』
(なんで俺が)
『佐野さん、気にしとったんよ』
(なにをだよ)
『じんちゃん、たまには素直にならなあかんよ』
(こいつらマジなんなん?)
言いたいことだけ言って内容のない内容に首を傾げる。
ま、とりあえず、馬車馬のように働き続けている我らが佐野勇斗に少しでも早く休息をとって欲しいので仕方なく起こして連れて帰る。
「佐野さん」
呼びかけるとともに肩を軽く叩く。
眉間にしわを寄せて「んっ…」と唸る勇斗はなかなか強面で。
「佐野くん、起きてください。帰りますよ」
どれだけ待ったかわからない。深い眠りの勇斗を起こすのは気が引けるが、早く、良質な睡眠をとって欲しい。
「勇斗、起きろって」
ちょっと、強めに呼びかけるとゆっくりと開かれる瞳。
勇斗の目ってこんなちっさかったけ?
「ん…あ~、……じんと、お疲れ」
ぐっと伸びをしながら声を掛けられる。
「お疲れじゃないですよ。なにしてんのよ」
「あ?仁人待ってた。帰っか」
立ち上がり出口に向かう勇斗の背を追いかけ、二人でタクシーに乗り込む。
当たり前に勇斗の家に向かうタクシーになんだかなーと思う。
「あざっしたー」
タクシーを降りて勇斗の家に向かうエレベーター内で気になっていたことを口に出す。
「んで、なんで待ってたのさ」
「あ?別に、理由はない」
嘘つけ。
「嘘つけ。なんかあんだろ。じゃなきゃ、ウマネが引っ張って連れて帰ってんだろ」
「は、確かにな」
しかも、年下組からの連絡も気になるし。
チンとエレベーターが勇斗の家の階に止まり、降りながら
「ほんとにねぇの?」
「なにが?」
「俺に対してのなんなんあれ」
気にしてたんだ。ねぇよ。佐野くん頑張ってんもん。
あー、嘘か。
「あるよ。ただ、太智より言えないなんなんあれ」
「は?太智よりやべーの?なんそれ」
玄関を開けながら、勇斗が困惑の声音で訪ねてくる。
「例えば、舜太とかが俺の事、『じんちゃんってこうじゃない』って発言したら『仁人はこうだろ』って毎回マウント取るのなんなんあれ」
「まじ?無意識だわ。そんなやってる?俺」
「YouTubeとか大概ぞ?」
無意識って質が悪い。
「あと、メンバー5人でいる時いつの間にか隣にいるのなんなんあれ」
「んなことなくね?」
「直近で言うと、あれ、やってみ!のタイム発表の時佐野くん絶対俺の横にいるんですよ」
「んなわけ!……あるか?」
これに関しては心当たりがあるようで。
「あと、これ、一番、ほんとなんなんって佐野くん以外も、メンバー全員に思ってけどlabyrinthまじなんなん?」
「ははっ!たしかに、あれはまじなんなんだわ」
「でしょ!ってあなたですけどね?一番なんなんなのは」
自分でも、思いのほか出てる勇斗のなんなんあれ。
「他にはねぇの?」
ほか…他…考えてみたらまだまだいっぱいあるよ。
「あるとは思いますけど…今はそんくらいか」
「もっと、しろよ。俺の話。レコメンだけじゃなくてさ」
「はいはい。わかりましたよ」
ほんとは寂しがりな俺にほんとは自信がない勇斗。
勇斗が望むなら、いくらでも声に出して伝えてあげるから、勇斗はちゃんとここに、M!LKに、俺の隣に戻ってこい。
END
コメント
4件
今週のレコメンは最高でした✨ も〜なんなん あの仁人くんの公開佐野さん愛 佐野さんも他のメンバーとはまた違う感謝の言葉だし 2人だけがしる北海道旅行🧳(知らなかった、そんな出来事その時は推しじゃなかったから😭)レコメン後のお話が素敵 本当にタイム発表の時のさのじんが🤭あんな身長差あったの!ヤバイ あの身長差の仁人くんからの上目遣いは💛誰でも恋に落ちそう 最近の供給量が多くて嬉しい