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マリンの指示通りほか三名は距離を置き、紅姫のターゲットをマリンに絞らせる。

「さぁ!マリンが厄介ならやるしかないよ!もちろんマリンは罠魔法いっぱい使うけどね!」

そういいまた、罠魔法をいくつも仕掛ける。もちろんこれら全て設置する瞬間を見られている。

「また、そのお手手で壊すんでしょ!?」

その予想通り紅姫は再度地面を割いて罠魔法を崩していく。そして、すぐさま距離を詰めマリンに迫る。

「くまさんにはごめんなさいだけど、私も強くならないといけないの!

だからこんなところで怪我もしない!」

月読ノ魔道士の身体能力強化の魔法により軽やかに動けるようになっており、大振りな紅姫の攻撃をサッと避けてまた罠魔法を仕掛けて回る。

「嬢ちゃんは一体何を考えて……」

「……なるほど。俺らよりは賢いかもこの子」

「あぁ?お前嬢ちゃんが何しようとしてるのか理解したのか?」

「まぁね。」

「何しようってんだよ?」

「見てれば答えは出るさ」

紅姫を囲むように罠魔法を仕掛けるが、やはり地面を壊す事で罠魔法も共に壊していく。

(地面も崩れてきて私も上手く立ち回れなくなってきてる。でも、ここまでお膳立てしたならやりたい事が出来る。ルナベルおねーちゃんの頑張りを…ミナルお兄ちゃんの体を張った守りを無駄にしない為にもそろそろやりきる事にする!)

紅姫と一定の距離を保ちながら互いに攻撃の隙を探っている。先に動いたのはマリンだ。突然近くに転がっている持ちやすい石を幾つか抱えて紅姫に向かい投げつける。もちろん今更その程度の投擲で傷を負わせることは出来ないことは両者ともに理解している。紅姫からすれば傷は追わなくとも石を投げられるのは鬱陶しいことこの上ない。

徐々に近づいて行きマリンを引き裂くことにシフトチェンジした紅姫は投げられる石には動じず歩みを止めないでマリンにと迫る。

「いきなり石投げてマリンちゃんどうしたの!?」

「お、おい!?ほんとに策が………」

「まぁ、見てろってリーダー」

「油断したが最後だよ!くまさん!!」

最後に投げた小石には罠魔法が付与されており、弾くその瞬間付与していた魔法を起動させる。【ニードル『土』】土で構成された円錐が複数個伸び紅姫の甲殻を貫く。

「ここからくまさんは連鎖的に串刺しになってくの」

その言葉の通り、よろめいた先でも罠魔法が仕込まれており起動すると同じく円錐が複数個伸びていき足を貫通する。そしてまた、その痛みでよろめいて……、と。

そんな形でどんどん紅姫は追い込まれていき、見下ろす形で目前に迫ってたはずのマリンが今では目線が同じ高さになるようになり、立つことは出来なくなっていた。

「ごめんなさいくまさん。せめて最期は苦しまないように…」

「待ちな嬢ちゃん。」

「?

どうしたのおじさん」

「介錯は俺が引き受けよう。

もちろん手柄は嬢ちゃん達のものだ。」

「リーダー……」

「流石に子供にそんなひでぇ事はさせたくない。こんな汚い仕事は俺ら大人に任せな。」

「………分かった。おじさんありがとう!」

「おう!

嬢ちゃんは後ろに下がってルナベルさんとこに行きな。」

「うん!!」

そういいマリンを戦線から離脱させ、身動きがもう取れず満身創痍な紅姫の前に立つ。

「俺に身体能力強化の魔法を…」

「はい。リーダー」

「お前さんには苦しめられたが、今回は人間の勝ちだ。自然のルールは弱肉強食。今回は俺ら人間が強者って訳だ。あばよ『紅姫』 」

身体能力強化を受け、その効果の中で最大火力を持つ特技を使い紅姫の首を切り落とす。

「……ふぅ。」

「終わったなリーダー。」

「あぁ…。」

「リーダーが変なこと言い出さなければこんな大変な事にはならなかったんだけどね」

「だからそれ含めてケジメを付けたんだろ。」

「もうしばらくは俺ら討伐系の依頼受けるのはやめようか」

「だね、ほんと…」

紅姫討伐後、ボロボロになったルナベルとミナルを支えながらギルドに戻り今回の件を報告する。

紅姫の最終討伐者はマリンなのだが、ギルド側はその事実を信じきれず落とし所としてルナベルが討伐したということで落ち着ける事になった。また、このワンベア討伐数勝負を仕掛けてきた三人組も一応一体は討伐に成功しており、その報酬は配られることとなる。これはミナル達も同様に貰えるが、彼らはそれとは別で『紅姫』の討伐実績により追加で報酬が出されているのだ。

そして、そんな成果をたたき出した彼らにギルドマスターから声がかかり日を改めて会うこととなる。


「ギルマスから直接お声掛けがあるって…」

「まぁ、異名ネームド討伐を果たしたのもあるが、一番はそれを行ったパーティーが名の知れぬ私らというのがでかいだろう」

「俺やマリンはともかく、ルナベルは名が知れてない訳なくない?」

「私単体は知れててもパーティーに加入してるか否かはみな知らんだろ。」

「そうかぁ?俺この依頼受ける時散々なこと言われて渋々受けたんだぞ?」

「私を掛け合いに出してな」

「それは相手がご所望だったので……」

「私はお前の所有物か?」

「そのようなことがあろうはずがございません」

「なんにせよ、呼ばれたんだ顔は出しに行くぞ。」

「ウイッス。」

「…そういえばお前はギルドマスターに会うのは初めてか?」

「そりゃね。普段薬草狩りしてた人間とは無縁の存在ですよ。」

「そうか…」

「?」

「まぁ、粗相のないようにな。」

変な釘の刺され方をしたが、あまり気に停めずギルドマスターの待つ部屋にと歩を進める。普段通ることない受付の裏に入り、裏方の廊下を少し歩いた後、『ギルド長の部屋』とご丁寧にプレートに書かれた扉の前に立ちその後ルナベルがノックをして部屋に入る。

「すいません日を改める形でお話を伺うことになってしまい…。」

「あまり気にするなルナベル。君が無茶をする人物なのは私も理解してる。それに、その時の怪我は皆を守ろうとしたのだろ?」

「…なるほど。やはり貴方には筒抜けですか。」

「ま、私としてはそれ以上にもう一人の男と少女の方が気になるがね」

「そういうと思いまして、お呼びしてますよ。」

「あっ…初めまして……わ、わたくし今回の件のパーティーリーダーをさせていただいてるミナルと申します。」

先にルナベルが入ってその後ろに俺やマリンが着いてく形だったため、ギルドマスターの姿は確認できておらず二人の会話のみを聞いており、ルナベルの後ろから出てきてこの時初めてギルドマスターの姿を目にした。

なんと、ギルドマスターは子供だった。金髪の短髪でちょっとトゲトゲしてる感じの髪型で、例えるなら某バトル漫画のスーパー○人みたいなアレかな。そんな髪型の癖して身なりはやはりギルドマスターと言うだけあり、きちんとしていて卑しいほどではなく威厳を示す程度の宝石を使った装飾品が施されており、正直キャラ渋滞してるような人物だ。インパクトで言えば紅姫と対峙した時以上のものを感じてる。

「ふむ。君がミナルくんか。」

「…………あっ、はい!そうです。」

「?

なぜ少し間が?」

「……そりゃアンタの見た目のせいでしょ?」

「そうか。そう言えばそうだな。最近この姿を見ても驚かぬ環境下に置かれていたから忘れていた。」

「滅多に人前に出ないもんねアンタ」

「出るほどの事態が起きてないのはいいことであるだろうに…」

「あ、あのー……。つかぬ事をお聞きするのですが、お二人はどう言った関係で?」

「ん?なんだルナベルそのことも話してないのか?」

「聞かれてないから話してないまで。」

「冷たいヤツだな相変わらず。」

「なんとでも言いなさい」

「なら、私からなるべく簡潔に話そう。

まず、私とルナベルは死線を共にした戦友だ。彼女が血気騎士団に所属していた頃国からの依頼で動いていた時にギルドと手を組み高難易度の依頼を何度かこなしていた仲でね。

彼女が辞めたあとも交流はあるくらいの仲の人物という認識で問題ない。」

「で、コイツがなんでこの見た目なのかって言うと、私と最後に手を組んだ依頼のせいでこうなってるのよ。」

「この姿は『古代魔法』という人の世では禁術とされてる魔法を受けてこうなった。

その最後の依頼内容はナイトリッチの討伐だったのだが、彼の最期のあがきが対象者を若返らせるというものでな。

名前だけなら聞こえはいいが、術者の気分次第では胎児にまで戻されてしまうという禁術をやつは唱えて、ルナベルに放ったのだが私が身を呈して守りこの姿になったわけだ。」

「ちなみに、ナイトリッチの残された魔力が少なくて肉体のみ若返り知能はオッサンのままとかいう、おじショタみたいな奴だ。」

「聞こえをさらに悪くするなルナベル。」

「そ、それ治せないんですか?」

「治せない訳では無いが、古代魔法自体禁術なので特別な許可を持つもの以外は扱うこと及び学び知ることは禁じられてる。なので、私も元に戻りたくても権限がないためこの姿のままということだ。」

「は、はぁ……。」

「ま、コイツの話は後でいつでも聴けるから今は集めた理由を話せ。」

「正体をバラしたらいつものルナベルが出てきた感じだな。最初は取り繕ってたのに…」

「うるさい。話せ。」

「そうだな。ダラダラ私の過去など話すよりも重要なことだからな」

こうして、紅姫を討伐しまた平穏な暮らしを送れると思っていたが、そんな淡い期待はこの後どんどん崩されていくこととなる。

この時の俺はそんなこと思いもしなかった……

俺が強いんじゃなくてお前らが弱くて仲間が強いんだ

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