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「あれ、シャルロット、元結もとゆい変えたの?」

廊下でルイスと話していたロイがふと気づき問いかけた。たまたま居合わせ、世間話をする事になっていた。

「ん…へぇ、気づかなかった私があげたのどうしたの?」

「え、えっとデスネ」


元々シャルロットが身につけていた白と黒が特徴的な元結もとゆいはルイスから貰った物であった。

本来のシャルロットは、ルイスに貰った元結を肌身離さず常に身に付けていた、それを急に他の元結に変えたのが不審に感じたのだろう。


「友達から頂きまして…」

「ルイス様から頂いた元結は今日は部屋にありますよ」

あせあせ、と冷や汗を書きながら寮がある方へ指をさしながら笑顔を取り繕う。

「…やっぱり変わったね」

シャルロットはどんな人に元結を貰ってもらルイスから貰った元結以外を身につけた事は無かった。

それ程この元結を渡した人物が大事なのだろう。そうルイスは思った。


あは、あはは。と空笑いをし続けるシャルロットの笑いを遮ったのは走る足音と、テンションの高い声だった。


「シャルーーー!!!」

ニコニコとご機嫌そうに笑ってシャルロットの腹に手を回したルカ。

「わっ…ルカ?」

「お菓子めっちゃ成功したよ!」

そう言われてみれば、ルカから甘い香りがする。

「シャルがエプロンくれたおかげで、気にせずに生クリーム、泡立てたからふわふわだよ」

「ふわ…」

ごくりとシャルロットは唾を飲み込む。

「今日のお茶会は楽しみにしてて」

その言葉に頭を縦に振る。今のシャルロットは脳内がふわふわな生クリームの白で埋まっている。

(ふふ、ふわふわなまくりーむ

あからさまにご機嫌になったシャルロットにルカは微笑んで回していた腕を離した。




「…あれ、シャル、元結解けてるよ?」

「えっ…」

「んふっ…首振りすぎだよ、ほら後ろ向いて、括ってあげる」

笑いかけたルカはシャルロットの肩をつかみ、背中を向かせる。

「はぁい父様〜♪」

「父様なの!?」

驚きで声を上げながら青色の元結を解き、髪をまとめてリボン結びをする。ルカが結ぶ時は毎回リボン結びになる、これで解けないのが1番すごい。


「やっぱり人にやってもらった方が楽だな…」

前世で髪が長い訳ではなかったし、自分でやると元結は結ぶ前に髪がバラけて毎回肩を痛めている。

「じゃあ、毎日俺がやろうか?」

「そうだなぁ…お願いするね」


ふと、視線をロイとルイスに戻すがルイスはジトリとこちらを見ているし、ロイは顔を真っ赤にしている。


????状態である。





すると、たまたま聞いていたクラスメイトに叫ばれた。


「おーい!そこでやってんなバカップル!」


「場所考えろー!!」


「ほぼ婚約じゃねーか時と場合考えろーー!!」


「カップルじゃないし婚約でもない!!」

突然数人で叫んできたと思えばバカップルとはなんだ!「ぶふっ」ルカも笑わずに言ってやって欲しい…..


これで何となくわかったが…日本で言う、毎朝俺に味噌汁を作ってください、みたいなプロポーズなのだろう…


楽になるから括ってもらうにはもらう。



「うちの嫁と仲良くしてやってくださーい!…..んふふふっっ」

「誰が嫁だ!」


嫁と言い、肩を組み、ついに顔を隠して本格的に笑いだしたルカに蹴りをかました。


「あいつら…明日覚えてろ……はぁ、ロイお兄様、ルイス様、俺達はそろそろ失礼します。」


はっと意識を取り戻したロイが挨拶を返した。

「う、うんまたね、」





____________


念願のお茶会にて


もふ、ふわ、もち

口の中に入る事に、咀嚼する事にもふもふとして、ふわもちを感じる。

「もちふわ…..」


苦めの紅茶を挟むことで飽きることなくお菓子を食べ続ける。

「沢山食べてね」

「うん…」

「このままだと太っちゃうかもしれない…」

最近、ルカの食事とお菓子を食べすぎて、体重が増えていってる気がする。

「シャルは痩せてるしちょっと太った方がいいと思うよ」

「貴族が太ってるのちょっと嫌だな…ルカも嫌じゃない…?」

「俺が太ったくらいで嫌がると思う?そもそも食べさせてるの俺だし。」

「…思わないなぁ…まぁ、いっか」


シャルロットは考えるのをやめた。





____________

「…日に日に距離が近くなっている」


「本当に付き合ってないの?」


「あれで付き合ってないは恋のキューピットも手に負えないすると思う」


「甘すぎて愛の神ですら砂糖吐くと思う」




等など色々聴こえてくる…好き勝手に言ってくれている。



窓から入って来た風に身体がぶるりと身体を震わせる。秋も終わりが近づいて段々と気温が低くなり、空気が冷たくなってきた。


「っ…寒い」

「シャルは寒がりだね、温風いる?」

「要る〜…」


そよそよ、と冷たくない、暖かい風がシャルロットの身体を温めていく。 ルカがポットに入れて持ってきてくれたココアを飲みながら、うとうとする。



「う〜…おれもうルカがいないと生きていけないかもぉ…」


おやつにご飯に温風、寒かったら収納魔具からブランケットが出てきて、眠かったら肩貸してくれるし…あまりにも快適すぎる…























(あれ?俺の本当の役目忘れてない?


これから来るロイのハーレムに巻き込まれないようにして、虐めていない証拠を集めて、魔道大会での決闘を避けないと行けないし…



(えっと、うーん…と…




こてん、眠ってしまったシャルロットの持っていたココアを回収して、ズレたブランケットをなおしルカは本を取り出し、ページをめくった。


______________






(俺最近ルカにお菓子もらって、勉強して、寝てくらいしかしてないよ!今の俺をシャルロットが見たらどうなっちゃうの!



…あれ?ルカってシャルロットの番外編小説で同じ部屋だっけ…え?シャルロットと同室はロイじゃなかった?


え?…本来シャルロットはロイと同室で…いやいや俺の考えすぎだ、俺が来たことによって内容が変わったんだ。

…ダメだ本編を忘れてきてる、今のうちに買っておいたノートに書き写しておこう。



_____________


魔具 収納

道具によって入る量が異なる。ある程度の物が入り重さを感じない。様々な形がある。みんな大体これを使っている。


秘密ノート

自分しか開けられないノート、壊そうとしても壊れず本人にしか開けることは出来ない。シャルロットが買っておいたノートがこれ。


エプロン

汚れが着きにくく落ちやすい。


元結

身につけると防御力がupする



______________

7話 エンド 122






頼まれたので悪役令息を辞めます。(⚠︎再修正中)

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