iris(🎲)二次創作
nmmn
青×黒
曲パロ
学パロ(年齢操作)
色とりどりの紫陽花を見るため、腰を下ろす君。その頬を伝う涙さえも綺麗だ。雨の街に咲く花。ヒロインなんだ、君は。
俺と君は幼馴染で、よく近所の公園で遊んでいた。その公園には綺麗な紫陽花が梅雨になると咲いている。泣き出した空を見上げたまま、紫陽花の側で、潤む瞳を誤魔化す君。差し出せる傘もない俺に、なにが出来ると言うのだろう。
「…あ」
返す言葉が見つからなくてぎこちなく笑う。君は涙を引っ込めて無理やり口角をあげようとする。
「なんや、声掛けてくれれば良かったのに」
「うん、そうだね。ごめん」
こんなにぎこちないのは今日あった出来事のせいだった。
俺達は同じクラスで、俺の斜め前には君がいる。外が曇り空でも君を見るだけで晴れやかになる気がして、ずっと見つめていた。
『お前悠佑のこと見すぎだろ』
『そんなことねぇよ』
『もしかして悠佑のこと好きだったり?』
冷やかすような笑みを含んだ物言いに思わず
『んなわけねぇだろ!!』
君にも聞こえてしまうような声量で。一瞬だけ見えた寂しそうな顔は、痛いほど頭に刻み込まれた。
君のことが好きなのに。まるで時計の針みたいにすれ違ってばかり。俺は君の太陽みたいな笑顔が見たいのに。
目を離した隙に君の頬にはまた涙が溢れる。
「ごめん、なんでやろ、」
どこをとったって俺のせいなのに。なにも言わないでくれるのが君の素敵なところで悪いところ。
「ごめん、あんなこと言うつもりじゃなかった」
君と同じ目線になる。その涙は俺が拭おう。
「本当に、ごめん。悠佑のこと、俺……」
気づいたら俺の目にも涙が溜まっていて。これは雨だと自分自身に思い込ませるけど、目頭が熱くなる。
「まろが泣かんといてよ、ビックリしたけど昔からそうだもんな」
そして君に涙を拭われてる。不甲斐ないかもしれないけど、守りたいよ、小さなこの温もり。晴れ渡るフィナーレへと、いつか手を引いて連れて行くから。
「どっかで雨宿りしよ。コンビニ行こ!」
見上げる君の顔にはもう太陽が広がっていて。どんな時も輝くヒロインだ、君は。
「本格的に降ってきちゃったな〜」
「そうだね」
降りしきる夏のいたずらに、顔を見合わせ笑う二人。下校中、君を呼び止めて話していたら土砂降りにあってしまった。差し出せる傘もない俺と、一緒に濡れてくれる人だ。手を引いて公園のガゼボへと逃げ込んだ。
「雨も結構好きだよ、俺」
「なんで?」
曇りのない瞳に俺が映る。
「まろの声しか聞こえないから」
呆気にとられていると、恥ずかしくなったのか目線を不自然に逸らした。初めての恋が初めての愛に変わっていく。今、俺の心のなかで。
君の手をそっと握る。変らない温もり。雨は不安定な俺達をいつも包んでくれた。許し合える。二人なら、なにがあっても。君に出会った日から人生が始まっていた。
「俺も雨、好きだよ。だって」
その言葉はさっきより強くなった雨に掻き消されてしまったかもしれない。でもいい、ただ君だけに聞こえていれば。この先も、君と物語を綴っていきたい。いいかな、と問うとゆっくり頷いた。
嵐が去っていくとピタリと雨が止んだ。ハイドレンジア、雨に綻ぶ花に誓おう。守り抜くよ、重ねたこの温もり。
「なぁ写真撮らへん?紫陽花めっちゃ綺麗やで!」
「悠佑が一番綺麗だよ」
「あんまからかうなって」
これ以上の言葉は、また赤面して顔を背けてしまうのでしまっておこう。でもきっと晴れ渡るフィナーレへと手を引いて連れて行くから。
君が紫陽花に夢中になっている隙にカメラを構える。段々とあっていくピント。鮮明に見える君。カシャ、と予想外に大きい音が辺りに響いた。
「ちょっ、俺は要らんから紫陽花!紫陽花撮ろ!!」
「はいはい」
さっきの写真、待ち受けにしよう。
幾度、季節が巡ってもヒロインなんだ。
俺の最初で最後のヒロインなんだ、君が。
夏のハイドレンジア/Timelesz
夏のハイドレンジアは本当にいい曲です
ハロウィンが近いのに、梅雨から夏にかけたお話をだすという季節感フル無視の行為
コメント
2件
えぇー!、バリ好きなんだけど!、儚さと愛しさがめっちゃあってもうほんとに神!。オドオドしてる青も、儚さがMAX値の黒も良すぎるよ...、ヒロインなんだ君はってめっちゃ良きね...歌詞なのか、それともいちごのワードセンスがバリいいのか分かんないけどめっちゃ好き、告白がロマンチックすぎてやばい...、最後の方の、青に褒められて照れてる黒が可愛いし、そんな黒を理解してる青ももうほんと尊い。早朝にごめん!
この曲ちょうど最近聞いてずっとリピしてるからめっちゃ嬉しい!!! にごちゃんの曲パロは歌も一緒ににごちゃんの世界に取り込まれてるから全然違和感ないしめっちゃいいストーリーになってるから最高すぎる🥺✨ 綺麗な心で朝練できる(((