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絵名「もう無理…しんどい」
1日にここまで過労することなんてなく生きてきた絵名の心と体は諦めていた。
時計は12と5の数字を指している。
絵名「…ナイトコードどうしよ。いいや。」
もう何も出来ない。眠いのに眠れない。
動きたいのに動けない。
そんな絵名のスマホに、とある通知が降りた。
絵名「……『Projectnovel』?」
Projectnovel。小説アプリだ。
絵名「書いてみようかな…」
アプリを入れ、アプリを開いた。
プロフィールを書き込む画面。
はっとしたように絵名は顔をしかめた。
なぜならそこに「フォロワー」の枠があったから。
また依存してしまう、と。
空を生んでしまう、と。
怯えた。悩んだ。でも、それでも。
絵名「やってみよう。」
とりあえず、今日の出来事を書き入れる。
「チームメイトの言うことに習ったら、自分が傷ついた。もう辞めたい。」
そこから続くノンフィクション小説。
文字のカンストはいつの間にか2000を越した。
絵名「ん…疲れたけどスッキリ。」
ボタンに触れて「フリー公開」を選ぶ。
絵名「あ〜眠。寝ちゃおっと。」
ブブ…ブブブ…
うるさ、と目を覚ました絵名が呟いた。
スマホを触って電源をつけた。
絵名「え…!?」
そこにはたくさんの通知が流れていた。
『面白い!是非、次作も!』
『え、すご!リアリティヤバいです!』
『ノンフィクションみたい!えぐ!』
ハイテンションの誰か、何人かが放った言葉だ。
絵名「っ…フィクションじゃないっつーの。」
きっと、もしも。
これが絵垢なら、自撮り垢なら。
飛び跳ねて喜んだのに。
相手が悪かっただけかもしれない。
だけど。それでも嫌だった。
絵名「返信してやる…!!」
ノンフィクションです、と打ち込んで送ろうとする。だが、手が震えた。
今、この瞬間に溢れた妄想。
今、明かさずに続けて、これより見てもらった後にカミングアウトしたら?と。
絵名「いーじゃん。私、天才!!」