TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する





注意喚起は1話にあり!!




スタート!!







__________________





「…服変じゃねぇよな……?」




俺は待ち合わせ場所でとおこさんを待っていた

ただ緊張しすぎて30分前に来てしまった。

冬だからクソ寒い。指の先がツンも痛い。

車の中で待つのも考えたがそれじゃあ分かりにくいだろう。


手を合わせて手を温めたり、肩を上げて首の隙間を無くしたりして温かさを求めた。




「…」




とおこさんとのトーク画面を開いた。
























〔すごく嬉しいです!〕




























「……嬉しい、か… 」

この文章を読む度に心と一緒に体が暖かくなる

この季節にはうってつけだ。


欠点があるとすれば知り合いにその現場を見られたら死ぬほどイジられると行ったところだろう。


そんな事を考えていると1つの視線を感じた。

ふとそちらの方に目をやると、1人の女性と目が合った。




「あっ…葛葉さぁ〜んっ!」




いつもの病院服とは違う。所謂”私服”というのだろうか。


フワフワとした黒のズボン


黒のタートルネック


その上に白色のカーディガン


背中にはいつものクマのカバンを背負っていた


そんな格好をしながら、微かに耳と頬を赤く染めて 小柄な腕と手でブンブンとコチラに手を手を振っていた。

それに俺も軽く手を振り返して、彼女の方へ歩いていった。




「すみません…!待たせちゃいました?」



「いや、全然、大丈夫…ですよ?」



「よかったぁ…耳とか指痛くないですか?」



「いや全然ッ…痛くないです!」



「ッスー…じゃあ行きますか???」



「は、はいっ…!」




とおこさんをその場で車に乗せて、エンジンを掛けた。



「…」




やばい。


会話のデッキ考えてなかった。


てか銀行強盗以外でまともに会話した事なくねぇか?


いやマジでどうしよう。

今までで使った話題は流石にダメだよな?

カレーの話題広げる?いや広げていけたとしても盛り上がる未来が見えねぇ…お先真っ暗過ぎるだろ…



「あのー…葛葉さん!」



「はッはい?!」



急に声を掛けられてしまって反射で大声が出てしまう。慌てて口を手で覆う。



「あッすみません驚かせ…ちゃいました?!」



「いやそんな事ないです!!! 」

「どッ…どうしましたぁ?」

「いや…今日のお店どんなのかなぁって!!」

「あー…えーっと……」

実の事を言うと鴉のメンバーにいろいろあの後聞きまくってこの街の中で結構いいカレー屋さんに連れていく事になって場所を教えて貰ったのだか


店の名前を聞くのを忘れていたッ…!



「あー…あのー…まぁなんか……」



「美味しいっすよ!!!」



「美味しいですか!笑むっちゃ楽しみです!」



「たーのしみですねぇ!!」



「はい!楽しみです!!笑」



































結局あの後まともに会話出来なかった…。

会話のキャッチボールが下手すぎる。マジ野球部入ったら即退部させられる。ソフトボール投げ1mだよ。




「ここー…ッすねぇ!!!!!

ぇ…ここ……?……です!!ここです!!」




「あッ…ここですか!わぁー!楽しみ!!」



目の前には老舗感漂うレトロでオシャレな店。

微かにカレーのいい香りがする。


だけど雰囲気がちょっと禍々しい。え、ホントにここで合ってるよな?さっき確認したもんな?



「ッスー…入りぃますかぁ?」



「入りますかぁ!笑」








ガチャッ…





チリン……








「…いらっしゃい。予約はしてあるかい?」



店に入った途端、多分店主のオッサンが声を掛けてくる。なんかすっげぇ魔法使えそう。



「あー…予約してますね。」



「ちょ、とおこさんここで待ってて下さい」



「はっ、はい!」











「はい、確かに確認しました。  2階席です」

「ッス、あざす…」

パパッと受付をすませて、とおこさんの求へ行く。



「すいません、待たせちゃいました?」



「いえ全然!」



「じゃあ2階らしいんで…行きますか」



「はい!」









「あー…とおこさん、階段キツくないっすか?」



「あっ、はい!体力はあるので!」



「…」



「……嫌じゃなければ、お手どうぞ?」



とおこさんの先に出て、手を伸ばす。

大昔に叩き込まれた魔界のマナーをここで使うとは思ってなかった。


え、てかこれ失礼じゃないよな?ドラマとかアニメで見た事あるし…



「…?」



中々手、掴まないな…。

え、マジで失礼だったか?嫌な思いさせちまったか?


そう思ってとおこさんの方に顔を向けた。



「とおこさ…」



「……」



目の前の彼女は口をポカンと開け、棒立ちになっており、顔を真っ赤にさせていた。



「え゛ッ…嫌……でしたか?!」



「ぁッ…ち、違います!ちょっと…ビックリしちゃって……!」



「じゃあ、お手、失礼します……」



とおこさんの小さい手が俺の手に触れる。

そっと、優しい力で俺の手がギュッと握られる。


なんだか俺まで恥ずかしくなってきてしまった。


ちゃんとマナーで合ってるはず。別に変な事はしてないはず。


顔が熱い。とおこさんの手が触れてる右手もちゃんと暖かい。




(あ゛ー … ダメだ……)














































とおこさんの顔見れねぇ…!


























この作品はいかがでしたか?

616

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚