テラーノベル
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大きな満月が深淵の空や大地を照らす。
太陽の力を借りて。
生い茂った広大な高原に、1人の男が足を踏み入れた。
静かに胡座をかいて、月を眺める。
またもやとある人物を思い出していたレイヤだった。
レイヤ「……」
ただゞじーっと、月を眺める。
太陽は直視出来ないけれど、月は直視できる。
どちらも輝いているのに。
ふと、月から目線を逸らして周りを見た。
草が風でなびいている。
先程より風の勢いが強まった気がした。
レイヤは静かに立ち上がる。
何かが来る。そう確信した。
野生の本能というやつだろう。
レイヤは自身の直感や勘に絶対的な信頼を寄せている。
レイヤの直感は、いつも当たるからだ。
また太陽を見た。
先程より光り輝いている。
思わず目を細めた。
と、その時…
一瞬辺りが光ったと思えば、光はすぅっと消えていった。
月の真ん中に現れたシルエット。
大きくて、白く美しい翼を生やした…
レイヤ「…ライ、ト?」
思わず名を呼んだ。
目の前に居たのは、もう会えないと思っていた…
ずっとゞ、会いたいと思っていた、
俺の、兄弟的存在だった。
ライト「…あぁ、こんな所に。
久々に会ったかと思えば…随分と手を赤く染めたものですね。
汚らわしい。」
開眼されたライトの瞳は、神々しく黄金色に輝いていた。
暗闇の夜でも絶対的な光を持つその瞳。
目を逸らすにも逸らせない様な神秘的な美しさがあった。
レイヤに向けられるのは鋭い眼差し。
久々に再会したと言うのに、あまりにも冷たい態度だった。
それもそのはず。
あの騒動以来まともに顔を合わせてこなかったのだから。
言わば、まだ喧嘩中なのである。
レイヤは小さく瞬きをして、自分の手を見た。
レイヤ「……、ちゃんと…手は洗ったよ。」
数秒間が空いた後、小さく呟いてまたライトを見る。
ライトは目を細め、逸らした。
ライト「…そういう事じゃないですよ。
ほんと、脳が働いてませんね。」
溜息混じりにそう言った。
反応的には慣れている様子だった。
長年ずっと一緒に居たのだから、この天然ぶりにもそろゞ慣れてくる。
レイヤ「……久々、だね。元気してた?」
まるで他愛のない言葉。
この状況、雰囲気で言えることでは無いだろう。普通。
ライトはその言葉を無視した。
その代わり、溜息を1つ。
ライト「…はぁ。
こんな地界で、惨めでは無いのですか?
……いや…堕天した時点で、もう惨めそのものでしたか。
失礼。」
目を細め、口元に手を寄せてクスッと喉を鳴らして嘲笑う。
レイヤは、全く気にしていなかった。
強がり等ではなく、ライトの言葉を全部受け止めてはいるもののあまり心に刺さってはいない。
メンタル鋼なのである。
レイヤ「……此処の暮らしは、慣れてきたよ。
それより…ライト。
腕、痛くない?」
彼は軽くライトの左腕を見る。
ライトの左腕は、袖で隠されているが義手である。
木製のものだった。
ライトは眉を顰め、レイヤを睨んだ。
彼にとっては嫌味にしか聞こえなかった。
ライト「…誰のせいでこうなったと思ってるんですか?
ほんと、デリカシーに欠ける人ですね。」
先程よりも声が低くなる。
昔のことをまた思い出した。
レイヤを睨みつけたまま、バツが悪そうに目を逸らして深く溜息をつく。
レイヤ「…ごめん。」
彼はたったの3文字でしか謝れなかった。
無意識に俯いてしまう。
獣耳も、尻尾も、静かに垂れ下がった。
それをライトは静かに見て、瞳孔が静かに丸くなる。
ライト「…はっ。
謝った所で変わりはしないんですよ。
行動で示さなければ意味は無い。」
鼻で笑い、軽く顔を背けた。
目の前の堕ちた天使に向けて言ったのか、それとも自分に向けて言ったのか。
自分でもよく分からなかった。
レイヤ「……ライト…はさ。まだ、彼奴の言うこと聞いてるの?」
小さく黙り込んだ後、意を決した様に顔を上げては、真剣な表情でライトに話しかけた。
未だに納得いっていないこと。
それはあの”神様”とやらにライトが服従している事だった。
昔の騒動は、これがきっかけだった。
ライトは少しだけ唇を噛んだ。
ライト「…ッ……神様になんたる無礼を……彼奴等気安く呼ばないで下さい。
それに、私は大天使。
天使の中でも至高の存在です。
神にこの身を捧げ、神の為に尽くすのが私の存在意義だ。
貴方にどう言われようと、私は信念を曲げない!!」
瞳を開き、胸部をぎゅっと掴みながら目の前の堕ちた天使に向かって叫ぶ。
心臓がドクゞと脈打つ。
いつもよりうるさく感じた。
少しばかり痛い。
正に、昔に戻ったような…
久々の言い争いが生まれそうだった。
レイヤ「ッ違う!!…ライト、の…存在意義は、そんなんじゃない…
神なんかの為に自分を犠牲にするのは間違ってる…
ライトの、存在意義を決めるのは難しいし、簡単に言い表せないけど…
でも…神に全部を捧げるのが存在意義だっていうのは、間違ってることだって…それだけは 言える。
……可笑しいよ、ライト。
昔はそんなんじゃ無かった。」
レイヤの心臓も強く脈を打った。
小さく冷や汗を浮かべて、普段なら出さないような声量で、ライトに必死に言う。
所々、声が小さくなってしまったり詰まってしまうこともあった。
けれど、目の前に大切な、大事な存在がいる。
その存在は今危うい状態だ。
自分が、ずっと一緒に居た自分が助けてやらねばと思った。
その思いが届くように、レイヤなりの説得がライトに向けられる。
ライト「…ッ……」
ギリ、と歯を食いしばった音。
ライトの心臓が更に早く、強く脈を打った。
色んな感情が心を支配する。
本能的的に、手元に強い黄金の光を集わせた。
それをレイヤに向けては、光源を放った鋭い棘針を物凄い量で放った。
レイヤ「…!」
小さく目を見開いては、それを目に捉えた。
まるで、流れ星が現れた如く…
美しく輝いた鋭いものが、目の前に迫った。
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コメント
2件
おお、レイヤとライト、ついに再会か…!満月の高原で、白い翼を広げて現れたライト、めっちゃ神々しくて美しい描写やった…でもその口調が冷たくて、胸がぎゅっとなったよ。レイヤが「腕、痛くない?」って聞いた瞬間、過去の重さが一気に押し寄せてきた…二人の間に流れる時間と傷、すごく伝わってくる。ライトの「行動で示さなければ意味はない」って言葉、心に刺さるな。続きが気になる〜🥀
ミライ
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#てらちゅーばー
ゆいらーめん
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