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このままではそばにいられないと思った。
弱いままの自分では、あなたの足枷になってしまう。
まん丸の月に照らされながら、猫は走る。
本当はずっとそばに居て支えてあげたかったけど、今の自分にはその力がない。
もっともっと、強くなりたい。
あの緑の人間にも、大きな狼にも負けないくらい、強く。
あなたが泣かないで済むように。
猫は振り返らず、どこまでも走り続ける。
大丈夫、私はずっとそばにいるから。
どうか泣かないで。
あなたが泣かないでいられる世界を、私が作ってあげるから。
そのために、私は生きるのだから。
ただただ死を待つだけだった私を、拾ってくれた神様のために。
いつか再び隣に立つ姿を夢見て、猫は果てしなく続く道をどこまでも走り続けた。