テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
放課後。
二人きり。
ミオが、
窓際に立つ。
ミオ「ねえ」
ミオ「あなた、
私に
何か隠してるでしょ」
心臓が、
一拍遅れる。
「……隠してない」
ミオは、
首を振る。
ミオ「嘘」
ミオ「だってね」
ミオ「あなたを見ると、
時々、
すごく怖い顔する」
ミオ「私じゃなくて、
“何か”を
見てるみたいな」
俺は、
目を伏せる。
ミオ「でも」
ミオ「私、
思い出せないの」
ミオ「理由が」
その言葉で、
胸が痛む。
ミオ「ねえ」
ミオ「私、
忘れちゃいけないこと、
忘れてる?」
俺は、
答えられなかった。
言えない。
言ったら、
君は壊れる。
いや――
もう壊れてる。
俺のために。
_________
その夜。
スマホが震える。
【アリウム】
気づいたか。
彼女、
“保存対象”だ。
お前が壊れないように、
彼女だけ
修正され続けてる。
だから、
お前が何をしても、
彼女は
次の周回で
元に戻る。
画面が、
滲む。
でもな。
その分、
薄くなってる。
感情も、
痛みも、
恐怖も。
そのうち、
“拒否”すら
できなくなる。
_________
俺は、
拳を握る。
それでも、
続ける?
返信は、
しなかった。
_________
翌朝。
ミオは、
俺に微笑む。
ミオ「おはよ」
いつも通り。
何も覚えていない。
俺は、
分かってしまった。
俺が戻るたび、
薄くなっているのは――
ミオの“人生”そのものだ。
それでも、
彼女は残る。
残される。
俺のために。
……ああ。
俺は、
一番やっちゃいけないことを
続けている。
愛しているふりをして、
人を使い潰している。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!