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半年後
真の脈が日に日に弱くなって言った。人間としての死期が近づいてきた。真の呼吸も浅く、見た目も細くなっていたが。声色だけはあの楽しそうに笑っていた真だった。それももう、聞けなくなってしまう。そう考えると寂しいものだ。そんな中、真は弱々し声で
「愛亜……」
と、私の名前を呼ぶ。私は思わず真の方を向くが、一旦落ち着いた。もう……真はめすらも見えていないのだ。私を探るかのように手をあちこちに揺らす。点滴が取れてしまいそうだ。
「何……???」
と、私が言うと。真は嬉しそうな顔になった。そして私の手を握り
「ありがとう……」
と目尻に涙をためる。そして私は必死にこいつだけは、真だけはずっと自分の相棒でいて欲しいと思い。
「天国で待ってな、私が捕まえて、神にしてやる」
と鼻声で言うのであった。これで帰ってから天国に行ってこいつを連れて帰る。それまでが任務だ。でも、今はこいつの友として。こいつの最後を見ててやりたい。真は目尻にためていた涙を流して
「待ってる」
と嬉しそうに言ったあと。モニターのピーという音だけが、部屋に響き渡る。とても嬉しそうな顔で眠っている。私は真を抱きしめてから、部屋を後にした。
半年経ってもあいつは僕を迎えに来なかった。
「あいつ、何してんだよ……」
すると、向こうから何やら光が見える。神の羽衣を纏った愛亜が現れたのだ。僕はあいつを見た瞬間。とても嬉しくなり
「遅いよ」
と言い放って。あいつの胸に飛び込んだ。
「待っててくれてありがとう、真」
と愛亜が言うものだ。貯めてきた涙が溢れ出してしまった。そして僕はずっと神になったら決めていた名前を言うことにした
「僕、神になったら夜 って名乗っていい???」
と言うと愛亜は嬉しそうに「もちろん」と言ってくれた。
『天の上、白雲隠れ、2人して
約束果たせ、嬉し心』