何も違う僕ら 過去編
あれから100年経った頃。
カルミアへの信用がより深まったそんな時。
俺はカルミアの家に初めて入る。
少し緊張する気持ちを隠し、チャイムを鳴らせる。
チャイムが鳴った数十秒後くらいにドタバタする音が聞こえて、扉が開かれた。
開けてくれたのはもちろんカルミアだ。
「鬼灯くん上がって上がって。」
「汚くてすまないね〜♪」
汚いとか言っているが全然綺麗だ。
一発殴ってやりたい。
今度俺の家掃除やらせようかと思った。
『いや‥‥全然、、‥お邪魔します‥。。』
緊張で敬語になってしまった。
カルミアに敬語をするなんて正直モヤモヤする。
「緊張しなくていいよー♪」
カルミアも気を遣わせてくれた。
恥ずかしい。もう帰りたい。
良いや、カルミアが楽しませてくれるらしいから来たんだ。まだ帰るわけには行かない。そんなことを思いながら家の中に入って行く。
「飲み物どうする?ジュースとかもあるけど」
聞いたことがないワードが出てきた。
ジュースってなんだろう。
まぁ得体のしれないものは触らないほうがいい。
『‥水』
無表情のほぼ小声で言っている。
いつも思うがカルミアは耳が良いのだろうか。小声でもちゃんと聞き取れるらしい
「はーい。[水を入れて鬼灯に渡す]」
『‥‥[子供みたいにちびちび飲む。]』
「そうだ。お菓子買ってくるから少し待ってて。一瞬で帰るから!」
そう言うと俺の返事も聞かずに外に出て行ってしまった。暇になっちゃった。
どうしよう。そうだ家の中漁ろう。
そうとなれば探検だと言わんばかりに、家の中を歩いて色んな部屋に入る。
意外と広い。そんな事を思ってたら紙ばっかりある部屋を見つけて、入ってみた。
『カルミアも貯めるタイプなのかな。‥』
そう言いながら、ふととある日記が目に入った。”◉の日記”という題名だ。◉の部分は黒く塗りつぶされていて誰のものかわからない。だがカルミアの家なのだからカルミアのだろう。
そう思い開いてみた。
1ページ目を開いてみるとこう書いていた
「お兄ちゃんはかっこいい。だけどたまにドジなときがある。」
2ページ目
「お兄ちゃんは今日もお仕事のミスをした。そして僕がいつも尻ぬぐいをする。」
3ページ
「お兄ちゃんはいつも僕を元気付けてくれる。僕もお兄ちゃんを元気付ける」
4ページ、5ページもその様な日記が書かれていた。だが200を超えたある時、
一面中黒塗りされてるページがあった。
その次のページからはお兄ちゃんについてではなく、普通の日記になった。
『‥‥あいつ家族居るとか言ってなかったけどな‥‥‥じゃあこれは誰の日記なんだ、、‥』
そう考えながらページをめくる。
212ページ目
「やっと見つけた。転生した僕の弟。」
と書かれていた。
考えてしまった。転生した僕の弟とは一体誰を指してたのか。次のページで疑問は確信に変わった。
「僕の弟として、鬼灯くんを育ててあげようと思う。」
利用されたんだ。カルミアは俺なんか見ていなかった。カルミアがホントに愛してくれたのは‥見ていてたのは‥こいつの弟だ。
そうなると辻褄も合う。
一本の点が線になった気分だ。
正直。。辛かったのかもしれない。俺は何故か泣いてしまった。
日記はそこで閉じて、証拠を消して、元いた場所に戻った。正直気分が悪い。
そして分かった。俺はもう誰も信用しないほうが良いんだと。だけど態度をこれから急に変えるのも可哀想だ。それに‥‥
カルミアの弟は恐らく死んでいるんだろう。
だから俺は騙されてやることにした。
だから自分を偽った。
面白い。と思わせた。それが自分のトラウマに繋がることも知らずに。
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