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〈nakamu side 〉
kr 「そう。
今の俺たちにできることは何もないんだ。」
ぶるーくが待ってるから合流しよう。
そうやって落ち着いた声で教室を後にするお前の顔が、俺は見れなかったよ。
何度も何度も今まで無力的な彼を鼓舞してきた
でも今回は、無力なんかじゃない。
皮膚から感じるピリピリとした空気。
そうかきりやん、、。お前も悔しいんだ
悲しいんだ、足掻きたいんだ、助けたいんだ。
でも今の俺たちには何もできないんだな。
br 「っ、!なかむ!無事だったんだね」
br 「、、、シャークんは?」
俺は静かに俯き一度だけ首を横にふった。
br 「、、、、、、、、そう。」
そのリアクションはおそらく、彼も同じ景色を、同じ絶望を味わったのだろう。
もうお互いに慰める気力すら残っていなかった。
雨は風と共に勢いを増し、窓に打ちつけては俺たちに平手を打ってくるようだった。
窓の小さな隙間から流れ込む雫で体が濡れようとも抵抗するほど濡れることを気にすることはなかった。
だってそれ以上に俺の視界はゆらゆらと揺れていたから。
足元に溜まる水たまりは俺の酷い顔を反射する。
それを見ても何もできやしない。あんまりだよ
…………………………………………………*
〈broooock side〉
kr 「ふたりに謝らなくちゃいけないことがある。」
kr 「今回のこの結果は、俺の勘違いで起きてしまったんだと思う」
何を急に言い出すのかと思ったら、自分で責任を全部負おうとしているのか?
kr 「前に怪異が見える人の条件みたいなの話したこと覚えてるかな」
kr 「見えるのは大抵、霊感がある人、俺と深い関わりのある人くらいかな 」
kr 「ぶるーくたちは後者に当たるね。前者はそもそも怪異が見える場合が多いから昨日のを見られても別に驚くほど珍しいことじゃないんだ。」
(第8談 〜回想〜)
br 「僕たちはきりやんと関わってきたから見えるって話?」
kr 「あの前提がおそらく誤っていたんだ。」
kn 「つまりどう言うこと?」
kr 「死期が近いから、だとしたら辻褄が合うんだよ。」
…………………………………………………*
〈shake side〉
どこを目指しているんだろう。
もう何周も校舎を回ったけど、長には出会えないどころか怪異すら見かけない。
砂の高さまで浸水している水圧の中歩いているからか、若干足が痙攣し始めていた。
sh 「ほんとにここにいんの?」
sm 「いる。見えてないだけでここにいる」
何を根拠に言っているのかさっぱりわからない。疲労からか少し苛立ちが抑えきれなくなってきていた。
sh 「なにそれ。見えてないのにずっと歩き続けろって?同じ場所を何回も??」
kn 「正直俺も足が限界だよ」
sm 「、、、、そうか水で足に負荷がかかるのか」ボソッ
sm 「あともうちょっとだから教室で休憩しよう。」
sh 「スマイルは何を感じてんの?」
sm 「いや、ただ人よりも聞こえるだけだよ」
kn 「聞こえる?」
どうやら彼はこの何周も回っている間に各場所で聞こえる怪異たちの声を聞き分けて正確な位置を把握していたらしい。
sm 「怪異が出現するには少し時間が必要なんだと思う。多分そろそろだけど」
時計の針の音が水面に反響する。
深く深呼吸をしては、足の疲労を少しでも癒せるようにと机に乗せた。
チリンッ
sm 「きた。」
ーーーあら?なぜここに2人も来ているのかしら〜?
ーーー少しの間ではあったが久しいのぉ
鈴の音とかの声色。
それはきりやんを介してよくみた顔ぶれだった。
狐 「あら、お気に入り君もいるじゃないの」
sm 「、、、ぅっす」
鳩 「さては儂らを待っておったのかな」
kn 「ぁ、いや探してたのは長なんですけど」
sm 「いや。あなたたちを待ってました。」
ん、、?話が少しズレてるのか
それとも、彼らにはあまり言わない方が良かったのだろうか。
sm 「お二方に一つ頼みがあります。」
狐 「あら、ガキンチョ達のお願いと来たね」
sm 「現世につながる門を開いていただきたい。」
sh 「っ、、!それって」
現世から彼岸への道をつなげるには怪異2人を犠牲にする必要があった。
その逆ルートもそれが可能ってことか、、?
でもそれは同時に2人の2度目の死を表す。
狐 「あんた。随分と坊やに迷惑かけていたようだけれど、それは理解してるかえ?」
sm 「もちろん、俺を信用してほしいなんて思ってないよ。」
鳩 「なぬ、、?」
sm 「現世に返したいのはそこの2人だけ。」
…………………………………………………*
〈??? side〉
、、、、きっと
、、、、彼ならきっとこの決断をしてくれることを許してくれると思う。
俺は今でもそれが正解だと感じているし、たとえ誤りであったとしても不正解とはともは思わない。
だって今があるから。
今こうして、こう言った形で存在するのなら俺はそれでいいと思ったんだ。