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らいとは、いつものアラームが鳴るより少し前に、頬をつつかれて目を覚ました。
💫❤️「……おい、らいと!朝だぞ!」
薄く目を開けると、ベッドの横に人間の姿のロゼがしゃがみこんでいた。寝癖が跳ねた髪が可愛らしい。
💫💛「……ロゼ? おま、また人間になっとるし。なんで起こしに来よんねん」
💫❤️「だって。お前、起きないとまた二度寝するタイプだろ。ほら、早く起きろって」
ロゼはそう言いながら、らいとの布団を遠慮なくめくる。
💫💛「寒っ!! いや、ありがとっちゃありがとやけど……ていうかお前猫やったり人間やったり、マジ頭おかしくなりそ」
💫❤️「もともとおかしいだろw」
💫💛「だまれ」
そんな軽い言い合いをするようになった2日目。
なのに、妙に自然なやり取りになっていて、らいとは「これでいいんか俺……」と少しだけ現実感を失っていた。
💫❤️「ほら、顔洗ってこいよ。朝ご飯は……まぁ、俺は何でも食えるから」
💫💛「はいはい。ってお前、昨日家来たくせに馴染みすぎてない?」
💫❤️「www」
昼休み、らいとはいつもの屋上で4人――らぴす、メルト、みかさ、心音――と弁当を広げていた。
💫💙「らいと、昨日なんかあったん? テンションちょい高いやん」
らぴすが弁当箱を開けながら言う。
💫💛「別に? 普通やし」
💫🤍「普通の“ふ”の字も無い顔して言うの草」メルトがツッコミながら笑う。
💫💜「らいと、今日なんかいい匂いする……」心音がぽそっと言う。
💫💛「なんかキモい」
💫💜「ひどくね?」
そんなわちゃわちゃした雑談がしばらく続き、
みかさがふと、
💫💗「そういえばさ、昨日めっちゃ雨やったよな。帰り大丈夫やった?」
💫💛「あー……いや、めっちゃ濡れたし。……で、帰りに猫拾って」
💫🤍「……猫?」
💫💙「えっ!? ええやん!!!」
💫💜「猫!?!?」
💫💗「猫ちゃん……!!」
全員の食いつきが異常に良かった。
💫💛「お、お前ら落ち着けって。まぁうちの猫ちょっと変わっとるっちゃけど…」
(本当はちょっとどころじゃないけどな…… “人間の姿になれます”なんて言えるわけねぇし……)
💫🤍「変わってる? めっちゃ気になるじゃんそれは。」
💫💙「見たい! 帰り行く!!」
💫💗「猫ちゃん……!!(二度目)」
💫💜「ツキちゃんと友だちになれるかな……?」
気づけば“らいとの家に行く”流れが自然に決まっていた。
💫💛「……いや、まぁ、ええけど……。散らかっとるけどな」
(やべぇこいつらにバレんようにせんと…特にメルトとかメルトとかメルトとか)
💫💛「じゃあちょっと待っとけ。俺先に家入ってくるけん」
「おー!」と4人。
らいとは家に入るとすぐに声を潜めた。
💫💛「ロゼー!!急遽友達くることになったけん、絶対人間の姿なるなよ!!」
するとロゼは、普通にソファでくつろいでテレビを見ながら、
💫❤️「え、らいとの友達来んの? はいはい。分かったよ」
💫💛「いやその、軽すぎん? もうちょっと危機感持てって!」
💫❤️「大丈夫だって。猫でいろって言うなら、猫でいるよ」
ロゼはをテレビを消したかと思うと、ふっと光をまとい――
次の瞬間、猫へと変わった。
💫💛「よし…マジで頼むけん、ほんと大人しくしとけよ」
💫❤️「にゃ」
(※返事してる)
💫🤍💙💗💜「おじゃましまーす!!」
4人がどっと部屋に入り、猫のロゼを見るなり一斉に叫んだ。
💫🤍「イケメン猫だぁ」
💫💙「え、顔良すぎん?」
💫💗「ふわふわぁぁぁぁ!!」
💫💜「ツキちゃんの次にかわいい……!」
ロゼはしばらく大人しく撫でられていた。
だが、ただ一人、問題のメルトだけテンションが違った。
💫🤍「……この猫さぁ……絶対只者じゃないでしょ?」
💫💛「おいメルト、あんま嫌がることすんなよ!」
だがメルトはロゼの周りをぐるぐる回り、
耳を触り、しっぽをちょんとつつき、顔をのぞき込み――
💫🤍「ねぇ? 喋れたりする???
“にゃー”以外の声出せたりする???」
💫❤️(しつこっ……)
ロゼのしっぽがイラッと揺れる。
心音、らぴす、みかさも手伝ってメルトを止めようとするが、
💫🤍「ふにゃんって鳴いてみて!!」
💫💛「おいって、マジでやめ――」
そして――
💫❤️「……もう!! しつこいって言ってんだろーー!!」
ぱああっ!!
眩い光が走り、ロゼはメルトの腕の中で人間の姿に変わっていた。
💫🤍「……え?」
💫💗「……人……?」
💫💙「猫やったよな? さっきまで……猫……やんな?」
💫💜「……???(理解追いついてない)」
ロゼは胸元を整え、少し赤くなった顔で言った。
💫❤️「……だから言ったろ。しつこいのは嫌いなんだよ」
らいとは頭を抱えるしかなかった。
💫💛「……あー……うん。バレた」