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sora
9
耀聖(ようせい)
269
落ちた後、雪明が目を開けると信じられない光景が広がっていた。
灰色の部屋に、真新しい可愛い衣服、そして結ばれている髪。
全てが雪明が落ちる時に見ていた光景と違った。
お礼を言いに行こうかな、と思い体を起こすが、背中が痛い。
思わず「いたっ」と声を漏らす。
すると、ドアから何か見えた。
人影の様な感じだった。
ドアから何か出て来た為、良く見ると小学生程の身長のドレスを来た人が出て来た。
何も喋らないが、何となく察せる。
「…大丈夫です。少し背中が痛みますが。」
そう返事すると、良かったと言わんばかりににっこりと笑い、部屋から立ち去っていった。
一体あの人は誰だったのだろう。そう思いながらベッドから立ち、背中の痛みを堪えながら部屋から出た。
部屋の外は少しボロボロの廊下だった。さっきの部屋とは見違える程。
手すりがあった為、手すりを使ってゆっくりと廊下を歩いた。
周りを見渡すと、部屋のドアやボロボロの廊下しかほぼ見えない。
部屋から出ない方が良かったのかな、と思いながら廊下を歩いていった。
10分以上経過したのだろうか。あまり景色は変わらない。
そう思って居ると、少し先に光が見えた。
やった!やっと出られる!そう思って足を早める。
光が目の前に来る頃、雪明は困惑した。
光は外の景色への光では無く、ボロボロな館を照らす太陽の光だったのだ。
奥には人影が居る。背が雪明よりも高い、黒い何かが…
「貴方は…えっと…誰?」
そう雪明が聞くと、人影は答える。
「それは…私のセリフ……というより…歓迎した方が良さそうね。」
少し止まりつつ、人影は答える。
雪明はかなり困惑している。
歓迎?何を言って居るのだ。そう思って居ると、人影が話す。
「…この館へいらっしゃいませ。咲梨雪明様。…貴方はもう私達の仲間、いや…同じものになるのです…♪」
コメント
1件
うわあ、この「同じものになる」って台詞、ぞっとしましたね……。第1話から続く異世界転移っぽい流れの中で、無言のドレスの少女やボロボロの館の描写が不気味さを増幅していて、ちゃんとホラーしてる。それでいて「良かった」と微笑む少女のギャップが逆に怖い。雪明が何に巻き込まれたのか、続きが気になりすぎます。