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「はっ、よっ…」
煌びやかな衣装を纏い、腰を揺らがせ、
舞っていたのは最年少18歳、貴族家系、
踊り子の 『ジーナ・ベルクトフ』だ。
「はぁっ…」
「ジーナ、踊りの最中すまないね。」
「あ、お父様。」
練習の時に部屋に入って来たのは、ジーナの父『ザハール・ベルクトフ』だった。
「なんの御用でしょうか。」
「お前に新しい衣装を持ってきたんだ、是非着てみてくれないか?」
ザハールが渡した衣装は鳥の翼のような装飾が付いた衣装だった。
「まぁ!綺麗な衣装だこと…」
「お前は痩せていて、とても綺麗な白い肌だから似合うと思ってね。」
「ありがとうございます!お父様!」
「これで、鳥の様に優雅に舞ってくれよ。」
「はい。」
ザハールはそう言い残すと、部屋から出ていった。
「早速、着てみようかしら。」
ジーナは着ていた服を脱ぎ、貰った服を着た。「…なんて素敵なの。」
その衣装はとても着やすく、
踊りやすい柔らかな生地だった。
「ふんふんふん〜…」
ジーナは疲れを知らないと昔から言われ続けている位に踊るのが大好きだった。
彼女にとって衣装や踊りの扇等の物はご褒美であり、ファッションなのだ。
「踊りやすーい!お父様に感謝だわ!」
そう踊っていたら、窓の外が騒がしくなった
「…あら?騎士団さん達だわ?襲撃でもあったのかしら?」
騎士団が集まって、何かをしていたのだ。
「…あ、あの人…」
実は彼女は恋をしていた。
騎士団の長、『ダーシャ・グラードコフ』に。「…騎士団長様に、お近づきする機会なんて無いわよね。」
なんて呟いていたら、ダーシャが気づいたようでこちらに手を振ってくれた
「!」
彼女は精一杯手を振っていたダーシャは笑っていた。
その様子を見て、ジーナも笑っていた。
「なんて、素敵なお方なの…」
ダーシャは銀の鎧と紅のマントを纏った、
背の高い女性だった。
「ぁ…もう行ってしまうのね…。」
ダーシャ率いる騎士団は出団してしまった。
ジーナは少し、寂しい気分になった。